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緊急指令!鹿目まどかを抹殺せよ! リリカル☆マギカ(第2話

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「あ、あれは、――――?!」
 なのはが、戦闘宙域に近づくモノを、見つけた。

 ――それは、高速で爆走する、光の螺旋だった。

 ――ほむらと、マミが、中心で螺旋状に
飛翔しながら、射撃を連発し、まどか軍団を迎撃、 
――その外側で、杏子が、接近してくる
まどか軍団を、得意の槍術で蹴散らしながら、
なのは達に接近して来る! ―― 来る!

 ――連戦で、動きの鈍ってきた、フェイトに、
二刀流の剣で襲い掛かるまどか軍団の1人。

 ――それを見た杏子が、高速移動で、
フェイトの援護に入る。

「この、――バカヤロウ!!

 ライトニング・ランサ――――!!!!」

 杏子は、その『鹿目まどか』に、槍による
高速突きを連続で繰り出し、さらに、
強力な回し蹴りをぶちかました。

 ――両腕と、片足を失った『鹿目まどか』は、
吹き飛ばされ、そのまま消滅していく。

 だが、接近してきた、多数のまどか軍団が、
魔法の弓と、マミのマスケット銃を構え、
なのは達と合流した、ほむら達にも、
射撃魔法の雨を降らせた。

「くっそおおお!」
 杏子が思わず、たじろぐ。

「ツイン・パープル・ソード!」
 ほむらは、自分の弓を、中央から、
分離させると、2本の魔力刀に
変形させた。

 ほむらの魔力刀は、ビーム剣のように
長く伸びて、紫色に輝いている。

「パープル・ソード・トルネード!」
 ほむらは、2本の魔力刀を構えた腕を、
伸ばして、――フィギュア・スケートの
選手の様に、自分の体を高速回転させて、――
敵弾を回転ソードで跳ね返す。

 ――そして、今度は、マミが、射撃魔法で、
反撃した。

「アルティマ・シュ――――!!!」
 
 マミの声に従って、9台の大型魔銃が
彼女の正面に、――さらに、マスケット銃が、
彼女の左右に75丁ずつ出現する。
 ――そして、

「当ったれぇ――!!」

 マミの叫びと共に、大小の魔銃が、
一斉射撃を始めた。

 ――接近して、距離を詰めていた
まどか軍団は、次々と撃破されていく。

「マミさん?」
 フェイトが、驚く。

「ほむらちゃん?! それに、杏子ちゃん?!」
 なのはも、思わず、大声を出した。

「あ、あんた達!

 なんで来たんや?!

 ここは、私達にまかせ、言うたやろ!」

 はやてが、憤慨したような声を、出すが、――

「まかせろ、言われて、――
はい、そうですか、――と、
引っ込むほど、あたしら、
いい子ちゃん、じゃ、ねえんだよ!!」
 
 杏子が、逆に、はやてに噛み付く。

「そういう事!」
 マミも、杏子に同意した。

「まどかは、私達が止める!

 そして、まどかを、
戦いの運命から、救い出す!!

 他の誰でもなく、
私達のこの手で!!!」

 ほむらが、自らの決意を、言葉で述べた。

 遠距離から、新たな敵の出現に気づいた、
リーダー格まどかは、――――

「誰が、来たのか、知らないけど、
無駄な事です!

 私の邪魔をする人達は、
全て、滅ぼしてくぼがっ?!」

 いきなり現れて、リーダー格まどかを
跳ね飛ばして行ったのは、――
『ショート・ワープ』で空間跳躍してきた、
『次元戦艦ビクトリー』だ。

「ふふっ。
 油断大敵よ、まどか軍団の『軍団長』さん!」

 ビクトリーの、ブリッジ(艦橋)に立つ
リンディ提督が、ニタリと笑う。

「こ、これは、――――?!
 時空管理局の『次元戦艦』?」
 リーダー格まどかが、突然の奇襲に驚愕した。

「魔力エナジー・ミサイル発射!」
 リンディの命令で、ビクトリーは、多数の、
魔力エナジー・ミサイルを乱射する。

 ミサイルの弾頭は、細かく分裂し、高速で
まどか軍団を捉える。――
すると、『凍結魔法』が、発動し、
まどか達は、凍り付けにされて、
動けなくなった。

「あれは?! 凍結魔法?」
 その光景を見たマミが、呟く。

「あれは、例の
魔力エナジー・ミサイルだわ。

 ビクトリーも、装備していたのね」
 ほむらも、ビクトリーの戦闘を目撃する。

「そんな、巨大戦艦で、私達と
戦おうなどと、――正気ですか?

 邪魔者は、消滅しなさい!」
 リーダー格まどかが、そう言うと、
まどか軍団の頭上に『生命の樹』の
魔法陣が出現した。

「あれは! まずいっ!

 母さん!! ―― 逃げて!!
 早く!!!――――」
 フェイトが、あわてて、
ビクトリーに回避するよう、警告した。

「もう遅いっ!! ―― ゲブラー・ブラスト!」

 リーダー格まどかの、魔法の詠唱によって、
まどか軍団は魔法の矢を、
『生命の樹』の魔法陣に向けて発射した。

 魔法の矢が、『生命の樹』に
着弾し、直後『生命の樹』の魔法陣は
ピンク色に輝きだす。

「耐圧力バリアー、出力最大!」

 リンディの命令で、ビクトリーの
オペレーターが、何か特殊な操作を
したようだった。

 ――約3秒後、巨大魔法陣から
ピンク色のレーザー光線のような
魔法弾が連続で撃ちだされた。

 この消滅魔法弾が、ビクトリーに
襲い掛かった、――――
 しかし、ビクトリーは、白く輝く光に
包み込まれ、――消滅魔法弾は、
この光に、ことごとく跳ね返されてしまった。

「あ、あれを、跳ね返した?!
 なんや、あのバリアーは?!」
 驚嘆するはやて。

「『ジェイル・スカリエッティの作品』の中でも、
 傑作中の傑作よ。

 今のところ、理論上は、
このバリアーを破れる攻撃は、
魔法にも、質量兵器にも、存在しないわ。

 バカと、天才は、使いようってね!」

 得意げに、解説するリンディ。

「心配させないでよ。

 ――母さん」
 フェイトが、ほっと、胸をなでおろす。

「パルス・フェザーガン掃射開始っ!!」
 リンディの命令により、ビクトリーの
側面に装備された小型砲台が、
一斉に火を吹いて、――マシンガンの様に、
発射される魔力ビームが、艦に攻撃してくる
まどか軍団を、片っ端から、撃ち落していく。

「す、すげえっ!!」
 ビクトリーの戦いっぷりに、感心する杏子。

「ううっ! くそっ!――」
 戦況が、不利だと、判断したのか、
急加速して、逃げ出すリーダー格まどか。

「ああっ! 軍団長が、逃げるっ!」
 なのはが、気づいて皆に伝えた。

「ま、待って――! まどか!

 お願い! 逃げないで! ――

 まどかぁ――――――!!!!」

 ほむらが、喉も、かれんばかりの
大声で、叫ぶが、――その声は、
リーダー格まどかに届かない。

「後を追いましょう!」
 
「よし、行くぜっ!」
 マミと、杏子が、ほむらを
急かしたが、――

「ちょっと待って!
 あなた達は、もし、魔力を
 使い果たしたら、――?!」
 なのはが、魔法少女達を、
引き止める。

 確かに、魔法少女が、魔力を
使い果たしたら、――
待っているのは、『消滅』である。

「そ、それは、――でも。
 でも!」
 ほむらは、言いよどむ。

 それでも、あそこに、
助けたい、大切な人がいる。

 ――その時だった、
アイツの声が、聞こえてきたのは。

「ほむら! ほむら――!」