二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

【どうぶつの森】さくら珈琲

INDEX|89ページ/107ページ|

次のページ前のページ
 

39.朝が来て


 そのままリクに助けられながらふらふらと家に帰り、ベッドに入った。
 もう出尽くしたのか、涙は出ない。むしろ泣けた方が楽なくらい、苦しく重い気持ちが胸にのしかかってきていた。
 すごく疲れていたのになかなか眠りに落ちることはできなくて、そのうち朝が来てしまった。
 彼のくれたガラスの天使は、昇ってきた朝日に照らされ、静かに輝いている。


 下で、とまとたちの声が聞こえた。そして、どたばたという足音も。

「ちょっとリクー! 油敷かないで焼いたら焦げるに決まってるでしょぉ!」
「うっせーなちんちくりん!だったらお前が作ってみろ! あちちち! わりぃ、ヴィス変わってくれ!」
「……また?」

 また二人が喧嘩している。みんなで朝ごはんを作ってくれてるんだ。最近、お世話になってもらいっぱなしだな。
 幸せなんだと、思う。わたしは。
 彼にも幸せになって欲しいんだ。今まで辛いことや、悲しいことがあった分、幸せにならないといけない。
 それがいつか、今のわたしの幸せにつながってくれればいい。
……それは途方もなく先のことのような気がした。
 
「きゃー! ヴィスくんも焦げてるよ!」
「……あ。」

 朝日はどんなときだって、明るい。
 いつだって朝は待たなくてもちゃんと来るけれど。
 わたしの朝は、いつ来るんだろう。
 わたしはいつ、前のように笑えるんだろう。

「さくらさぁーん! 朝ごはん、つくりましたぁ」

 わたしの部屋のドアを、とまとがノックした。
 うまく笑えるよう、わたしは軽く頬を叩いて、気合を入れた。