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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第8部

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038話 アンクとフェイトとテスタロッサ




「うわぁ~っ!!本当に私の家の近くだ!」

「え?ど、どこ?」

「ほら、あそこが私の家!!」









「…ふん、元気の良いガキどもだな」

「おいアンク!!あんた何サボってるんだい!!」



フェイト達、アースラスタッフ(リンディ、クロノ、それにエイミィの三人)は今回の事件の担当になり、地球に司令部を置くことになった。
本来なら「アースラ」が動くはずなのだが、点検のため、現在アースラは整備中で使うことができないのだ。
そのため、なのは の保護を兼ねて、地球に司令部が置かれたのだ。

今は、その引越作業中である。
もちろんアンクは面倒くさがり、一人だけソファに座りアイスを舐めていた。


「うっせぇ犬っころ!!俺は関係ないだろうがッ!!」

「はぁ!?あんたも一緒に住むんだからこれぐらいの手伝いは当たり前だろッ!?」

「おい君たち!引越ししているのになんで散らかしているんだ!!」


クロノがキッチンから顔を出し、暴れていたアンクとアルフを静止させた。
ちなみにアルフは完全に回復済みである。


「ほら、クロノに怒られちゃったじゃないか!」

「はんッ!俺には関係ないなぁ…」

(そんなことより…)



アンクは周りを見渡し、ここから逃げる機会を伺った。
この家は見た限り、なんの防御結界も処置もされていないただの家だ。

しいていえばミッドチルダの最新技術がちょくちょくと整備されているぐらいだ。



逃げるのなら今がチャンスかもしれない…!






「あら?どこにいくの、アンクくん?」

「…ッ!べつに…」



玄関から出ていこうと行動したアンクにいきなり リンディが話しかけてきた。



「そう?ならアンクくんも引越作業手伝ってね!頑張ったらちょっと高いアイスプレゼントしますからね!」

「ふん、俺はガキじゃねぇんだよ」



(クソ…、この女。ぽわぽわしている割にはできるな。…たくっ…)



「あ、アンク…」

「あん?なんだガキ?」


フェイトと なのはがベランダからアンクのそばに寄ってきた。
だがフェイトは相変わらず怯えたままである。


(ほら、フェイトちゃん。頑張って!)

(う、うん…ありがとう、なのは)



「アンク、せっかく一緒に暮らすことになったんだから…その…、私のこと、『名前』で呼んでほしいんだ…」

「お願い、アンクさん!ガキじゃなくて、ちゃんと『フェイト』ちゃんって呼んであげて!」





「ふんッ!ガキはガキだろ、それでなにが悪いんだ!?」


アンクはそっぽを向いた。
…いくら復活したとはいえ、流石にその性格までは昔のままである。

フェイトは落ち込んでしまい、下を向いてしまった。


(やっぱり、アンクとは仲良くなれないのかな…)

(大丈夫だよ!フェイトちゃん!!…きっとアンクさんも照れているだけだよ!!)





(悪いな、俺は必要以上にお前達とはかかわれないんだよ…)

アンクは腕だけ怪人化させ、それを眺めた。
…なにか変化が起きていないか確認するためである。

今のところアンクにはこれという変化は起きてはいなかった。

…自分の考え過ぎなのだろうか?










「なのは、フェイト、君たちのお友達がきたよ」

『はぁ~い!』

廊下からクロノが二人を呼んだ。
なのは とフェイトは玄関へと向かった。


「よし、いまだ…ッ!!」

「なにが今なんだい?『アンコ』」

いつの間にか「子犬フォーム」に変身したアルフがベランダに移動しようとしたアンクを止めた。


「アンコじゃない!アンクだッ!!」





−−−





「こんにちわ!」

「来たよぉ~!」


マンションに なのは のクラスメートの「すずか」と「アリサ」がやってきた。
なのは とフェイトは二人で出迎えた。


「アリサちゃん、すずかちゃん!」


アリサとすずかは なのは のすぐ隣りにいた自分たちと同年代ぐらいの金髪の少女に目がいった。
自分たちが今までビデオレターでやり取りをしてきた少女だとすぐ気づいた。


「初めまして…っていうのもなんか変だよね?」

「ビデオメールで何度も会っているもんね?」



「うん、でも会えて嬉しいよ。アリサ、すずか!」

フェイトは嬉しかった。
最初は会う時、とても気まずかったが、二人は自分の想像以上に話しかけてきてくれて心のモヤモヤが一瞬に吹き飛んでしまった。

だが、そんな安易な時もつかの間だった…。




「おい、アンク!どこに行こうとしているんだ!!」

「うっせぇな!ただアイス買いに行くだけだ!!…ん?」






「え?」

「…な、なによ!」



アリサとすずかはちょうど目の前にいる二人の後ろから現れたアンクを見て驚いてしまった。
アリサに至っては、なぜかアンクに睨みつけ始めていた。


「ちょ、ちょっとアンクさん!」

「あ、アンク…」



アリサはアンクを警戒した。
この男の人は なのは から何も教えられていない。
…と、いうか見た目からして凶悪そうである。

この人は目の前にいる友達とどういう関係なのだろうか?





「なのは、フェイト…。いきなりで悪いけど…」

「えっ…アリサ?」


その瞬間、アリサはアンクに勢い良く指を刺した!



「この人…だれなのっ!?」


(ッ!!!!)





フェイトと なのは は返す言葉がなにも思い浮かばなかった。
考えてみれば、アンクのポジションはまだ決めていない。

(どうしよう、フェイトちゃん…、アンクさんってどういう立ち位置なんだろう?)

(え、えっと…)



「えっとね、アリサ。この人は…」

「この人は?」

「あん?なんだ…?」

(フェイトちゃん頑張って!)







「この人は…」






「この人は!?」












「アリサちゃん、顔怖いよ…」

すずか は少々戸惑いながら鬼の形相をしたアリサに突っ込んだ。















「この人は…ッ!!」



(そうだ…!)
フェイトは突然、なにかをひらめき、一瞬表情が明るくなった。


























「この人は…













私のお兄ちゃんなんだよ!」

(えぇぇぇぇぇッ!?)

「はぁ!?」


フェイトの意外すぎる答えに対し、その場にいた全員が驚いてしまった!
あのアンクでさえも…。
なのは はとっさに思念通話を開き、フェイトに話しかけた。

(ふぇ、フェイトちゃん!?なんでアンクさんが『お兄ちゃん』なの!?)

(え!?だ、だって、…髪の色同じだし…そうだ!あと雰囲気とか…へ、変かな…?)

(違和感ありすぎるよ!て、いうかフェイトちゃんとアンクさんの雰囲気全く似てないよぉ!!)



「あ、ごめんなさい!フェイトのお兄ちゃんだったなんて…、ゆ、許しなさいよね!」

「あん?なんだこの偉そうなガキは?」

「ごめんなさい、フェイトちゃんのお兄さん。アリサちゃんはこういう子だから…」

「ふんッ!まぁいい…」



(え…えぇぇぇぇ?)