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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第8部

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どうやらアリサとすずかには…通じたらしい。
















………






「ごめんね、アンク。あの時は…ちょっと…」

「ふんッ!別に『ただの部外者』って答えればよかったじゃねぇか」


あのあと、引越しは無事終了し現在アンクはフェイトの携帯を買うため、商店街を歩いていた。


「それにしても、アンク。なんでアンクが付き添ってくれてるの?」

「ッ!!…別に、どうだっていいだろ!」

「…?」



(クソッ!こんなこと死んでもこのガキには言えねぇ!!)

確かに、アンクは他人の用事で動くことなんてあるわけがない。
…その謎は少し前にさかのぼる。



………



「あぁッ!?あのガキの携帯買いに行くのに付き合えって!?ふざけるなぁ!!」

「しょうがないだろ!手が空いているのは君しかいないんだ!」


ちょうど引越し作業が終了間際の時、クロノからフェイトの携帯を一緒に買いに行って欲しいと頼まれたのだ。もちろんアンクは断固拒否した。


「この世界では20歳以下が携帯端末を持つには親の承認が必要らしいんだ。だけど僕たちはモニター等の最終調整作業やら残っているから一緒に買いに行くことができないんだ」

「僕たちは…って、お前も十分ガキだろうが」

「ッ!!!!…う、うるさい金髪トサカ!!」

「てめぇ!!今他人のせいにしたろ!!」

「と、とにかくだ!!提督は今、ご近所周りをしているし、そのあとも一度本局に戻らなくてはいけないから20歳以上は君しかいないんだ!」

「はんッ!誰があのガキと一緒に行くもんか!」


(はやりな…、だがまだ秘策がある!)

クロノは諦めず、あるものを懐から出した…!


「おい、アンク。これがなにかわかるか?」


「あ?…ッ!」


アンクはクロノが出したそれを見た瞬間、目を大きく開かせた!!

それは、よくコンビニやスーパーで見かける、とても小さい容器に入っているアイスだが一個あたり300円もするあの有名なアイスクリームだった!!




「今回、君がフェイトに付き添ってくれたら、このバニラ味をあげよう!どうだ?悪い話しじゃないだろ!!」

「…くッ!」











………



(今思えば完全に釣られちまった…!!だ、だがあれは映司が『高すぎるから駄目だ!!』と言い、いつも買ってくれなかった貴重なものだ…。)

「アンク、どうしたの?」

「ッ!…な、なんでもない、…さて、着いたぞ」



アンクとフェイトはケータイショップに到着し、中へと入った。



「えっと…、ど、どれにすればいいんだろう…」


フェイトは目の前に並ぶ携帯の量に戸惑っていた。


「値段の関係もあるし…、えっと、…どうしよう…」

「まったくしょうがないガキだな…」

「え?…アンク?」


その時、アンクがフェイトの横に立ち、携帯を選び始めた。
顔をいつも以上に険しくし、何分か経って所々から3、4台を選び、フェイトにそれを見せた。


「おいガキ、お前…物覚えは良いほうか?」

「え、えっと…、たしかアルフは私のこと頭良いって…」

「なら、この携帯だな」


アンクはフェイトに二つ折りの赤と黒が混じったシンプルな携帯電話を渡した。


「今から一つ前の機種だが、デザインのわりには機能も充実してはいるし、処理速度もなかなかだ。なれるまでは時間はかかると思うがお前なら大丈夫だろ」

「あ、ありがとう。アンク」


フェイトは微笑み、その携帯を受付へと持っていった。








−−−

「はい、ではご住所とお名前をこの欄にお書きください」

「…ったく、めんどくせぇなぁ」


アンクは契約書等の手続きを行なっていた。
フェイトは特に用事がなかったため、外で待っていた。
住所がわからなかったため、アンクは家を出る時にクロノから渡された「身分証明書」をポケットから出した。


(なになに…、「アンク・テスタロッサ」…って、語呂悪いな。…?)




まてよ…。









あいつ、「ハラオウン」じゃなく「テスタロッサ」ってことは…










あのクソガキの家族じゃ…ないのか?










………


アンクは渋々した顔で店からでてきた。

「アンクっ!」

フェイトは笑顔でアンクの元げ駆け寄った。
以前の怯えた表情はもう彼女にはなかった。


「ほらよッ!」

「うん、ありがとう!」


フェイトは携帯電話やその説明書の入った袋をアンクから貰い、精一杯抱きしめた。
それほど嬉しかったのだろう。

フェイトはすぐさま袋から携帯を取り出し、歩きながら触り始めた。


「ねぇアンク、この携帯の電話番号ってなにかな?」

「あぁ、たしか…、○×○−1937−5335 の筈だったな」

「わかった。はやく なのは達に教えてあげよう!」


フェイトはそのまま携帯を触りながらずっと歩き続けていた。
前を完全に見ていなかった為、いやに危なっかしかった。

「おい、歩きながら携帯触っているとあぶねぇぞ!」

「だ…大丈夫だよ…」


だが、その時


「…ッ!!きゃぁ!」

−うわぁっ!−


その瞬間、フェイトと小学生が案の定、ぶつかってしまった。


「だぁから言ったろ、ガキ」

「痛た…、ご、ごめんなさい!大丈夫かな!?」


フェイトは自分とぶつかった小学生に手を伸ばした。
その小学生はフェイトよりも小さく、だいたい見た感じ一年生ぐらいの男の子だった。
前髪がやたらと長く、目に少しかかっている。


「は、はい…大丈夫です…、その、ごめんなさい!!」


小学生はフェイトの手を借りず、誤ったと思ったらすぐにその場から逃げていってしまった。


「はんッ!変なガキだな」

「…?アンクが怖かったのかな?」

「なんで俺なんだよ!!」









………




家を出てから随分と時間がたち、夕日が昇っていた。
アンクとフェイトは自分たちが今後住むことになるマンションへと帰っている。
フェイトは流石に学習したのか、携帯を触りながら歩くことをやめていた。



「今日はいろいろとありがとうね、アンク」

「別に、…ただ紙に文字を書いただけだ」

「ふふっ!…アンクって、見た目のわりには優しいんだね」

「どういう意味だ!」

「う、嘘だよ!!」

「ふんッ!」


フェイトの心には不思議な感情が芽生えていた。

…以前自分には「姉」意外には兄妹が存在しなかった。
しかも、その「姉」には会ったことすらない。



だから、新鮮だったのだ。




まるで…、本当に自分に「兄」ができたように…。







「ところでガキ、気になることが合ったんだが…」

「ん、何?」


フェイトは隣りに一緒に歩いているアンクの顔を見た。


…そして、アンクの口からでた言葉は、




フェイトにとってあまりにも衝撃的だった。










「お前、テスタロッサってことは…あのクソガキの家族じゃ、ないんだよな…。


お前、本当の家族はどこにいるんだ?」














「ッ!!!!」