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衝動SSまとめ②(鋼錬)

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※ロイエド






2012/5/11更新


本編を作成中の小説のお試し版。
とっても短いですが;;;;






――――――――――――――――――――





俺の中には理想の『俺』が居る。
そいつはいつだってかっこよくて、俺はそうなりたいと、そうありたいと。
いつだって必死だったんだ。



俺はいつだって弱い。




いつもいつも理想を追っていた。






俺が弱音を吐いても、理想の『俺』は突き進む。
だから俺も突き進む。


本当は苦しくて仕方がない。本当は不安で仕方がない。
でも、そんなのを表に出す程俺は素直じゃないし、俺の理想の『俺』が許さない。


立ち止まりたいと足が覚束無くなったとしても、
涙が出そうになって視界がぼやけてしまっても、
俺はいつだってそれに反抗する。


そうやっていれば、『強い奴』になれる。
理想の『俺』が教えてくれたこと。




でも、理想の『俺』でさえ泣いてしまったとき・・・






俺はどうしたらいいんだろう?





「好きだ。」





窓から入る明かりは既に姿を消し、この部屋を明るくするのは電気のみ。
そんな部屋に俺の声が響いた。



次に響いたのはなんだったっけ・・




あぁそうだ。





大佐の笑い声だった。






俺の中で消えない大佐への想い。

いつだってその姿を探してる。
見つけたその姿から目が離せない。
声を耳が聞き取る。
その瞳と俺の瞳が合う瞬間を心待ちにしてる。
その自分よりも大きな手が触れないかと期待している。

俺は必死にその想い達を奥へ奥へ追いやった。




いつの間にか俺の記憶には大佐の後ろ姿ばかりが塗り重なっていた。





end


作品名:衝動SSまとめ②(鋼錬) 作家名:おこた