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魔法少女リリカルウィッチーズvol.1

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2nd MISSION


「ん…」
カーテンの隙間から漏れる朝日を浴び、宮藤芳佳は目を覚ます。目を開けると、未だに見慣れぬ天井が広がっている。
 
「……」
理由は不明だが、数日前から別世界へ来てしまっていたんだったと芳佳は思う。
 
「…ふふ」
辺りを見回すと、同じ部屋になったリネットとペリーヌがそれぞれのベッドで眠っている。その光景はいつもと変わらないため、芳佳は思わずふっと笑みを漏らした。



起床したウィッチ達は、それぞれ朝食を摂るため食堂へと足を運ぶ。
 
「ヨシカ、リーネ、ペリーヌ、おはよう♪」
「おはよう、ルッキーニちゃん」
挨拶してきたルッキーニへ、芳佳とリーネ、ペリーヌはそれぞれ挨拶を返す。それから四人揃って朝食を受け取り、席に座る。
 
「「「「いただきます」」」」
四人揃ってそう言うと、朝食を食べ始める。
 
「そういえばルッキーニちゃん、シャーリーさんは?」
朝食の時はだいたい一緒にいるシャーロットを見かけないために芳佳はルッキーニに訊く。
 
「シャーリーなら、もうご飯食べてストライカーの整備に行ったよ。何か、昨日頼まれたんだってー」
ご飯を食べながらルッキーニはそう答える。
 
「そうなんだ…」
「私達の中でストライカーの整備がきちんと出来そうなのはシャーリーさんくらいしかいませんものね」
芳佳が呟くと、ペリーヌがそう言う。
 
「私も一緒に食べて良いか?」
と、四人の近くから誰かが声をかける。
 
「あ、坂本さ…」
「少佐!おはようございます。是非、ご一緒に…」
芳佳が挨拶をしようとするよりも早く、ペリーヌが目を輝かせながらそれを遮って言う。それを聞くと美緒も席に座り、ご飯を食べ始める。
 
「あぁ、そうだ。宮藤、リーネ、ペリーヌ、お前達は朝食の後、訓練をするぞ」
「「「はい」」」
食べながら三人にそう伝える美緒。三人は返事をする。それを聞くとルッキーニの食べる手が一瞬止まる。

「ついでだ、ルッキーニも一緒に…」
ルッキーニも訓練に誘う美緒。だがルッキーニは美緒が言い終えるバクバクムシャムシャ!と一気に朝食を食べ終えると「ご、ごちそうさま!」と言って食器を下げに行ってしまった。ルッキーニは訓練が嫌いなのである。
 
「あ、あはは…」
それを見て苦笑いする芳佳とリーネ。
「とりあえずお前達三人は0900時に宿舎前に集合。いいな?」
現在時刻を見てから美緒が集合時間を伝える。三人は返事をして朝食を食べ続けるのだった。
 
 
管理局員宿舎の傍にある倉庫の1つ。そこを借りきって現在ウィッチーズはストライカーを置かせてもらっている。
その一角に、整備に勤しむ影があった。
 
「だから、ここをこうして…」
「なるほどね…。興味深いわ」
整備についてシャーロットが説明し、シャリオがそれを聞きながら作業内容を確認していく。シャリオが連れてきたのか、周囲には管理局の技術班と思われる面々もいた。皆、興味深そうにストライカーの整備を見ている。
 
「それにしても、シャリオが人を沢山連れてきてくれて助かったよ。正直、私1人じゃ全部整備するのにかなり時間がかかるからな」
ストライカーは11機もあるため、苦笑しながらシャーロットは言う。ただ、元々彼女は機械いじりが好きなため、そこに嫌そうな感情が含まれることはない。
 
「そうよね、こんなにあるんだもの。今まではどうしてたの?」並んでいるストライカーを見ながらシャリオが訊く。
 
「基本的には整備班の人達がやってくれてたよ。ただ、このP-51だけは私が自分でやることの方が多いけどな」
訊かれたシャーロットはそのように答える。
 
「そうなんだ。なら、ここでは私達に任せて。皆が万全の状態で戦えるようにするから」
自信を持ってシャーロットに告げるシャリオ。周りにいた技術者達も口々に似たようなことを言う。
 
「あぁ、頼むよ」
その言葉にシャーロットもまた、短くだがそう返した。
 
 
「よし、集まったな。では、これより訓練を始める」
芳佳、リーネ、ペリーヌが集合したのを確認して美緒が言う。

「あの、坂本さん。今日は何をするんですか?」
芳佳が美緒に問いかける。 
「そう慌てるな。まずは訓練場に移動する」
美緒がそう言うと、四人の近くへ歩いてくる人影があった。美緒が「準備は出来ているか?」と、その人物に訊くと「はい」と返事が返ってくる。
 
「あ…高町さん、でしたよね?」
その人物を見たリーネが一番早くに声をかける。
 
「うん。でも、なのはさんで良いよ。皆もそう呼ぶから」
訊かれたなのはは、相手に対して優しい笑みを見せながらそう言う。
 
「よし、では移動しようか」
美緒がそう言うと、一行は訓練場へと赴いた。
 
「ここが訓練場…」
「広いですわね」
時空管理局専用の訓練施設が置かれている建物へと移動してきた五人。芳佳達三人はその広さに驚いていた。
 
「ここなら走り込みでも何でも出来る。正にうってつけだな」
「それに、ここはただ広いだけじゃないんだよ」
美緒が言い終えると、今度はなのはがそう言って端末をいじる。すると、部屋全体が森のような風景に変わる。
 
「えっ…!?」
「も、森になりましたわ」
「すごーい…!」
口々に驚きを見せて辺りを見回す芳佳達。
 
「これは一体、何なのですか?」
「ホログラムって言うんだけど、これは実際に触れるんだよ」
ペリーヌがなのはに訊くと、なのはは説明を始める。
 
「…ほんとだ。リーネちゃん、ほんとに触れるよ!」
木に触れ、まるで子供のようにはしゃぐ芳佳。リーネもまた、芳佳が触っているのを見て木に触る。

「このホログラム、というのはつまり…触れはしても本物ではない、ということでよろしいんですの?」
「うん。立体映像だよ」
「立体映像…」
話をある程度聞き終えたペリーヌも、実際に木に触れてみる。
「……まるで本物ですわね…」
実際の質感にかなり近いため、感心しながらペリーヌは呟いた。
 
「さてお前達。いつまでもはしゃいでいないで訓練を始めるぞ」
美緒が号令をかけ、訓練内容を指示していく。まずは走り込みのようだ。指示を受けた芳佳達は走り始める。
 
数十分後、疲れて息を切らしている芳佳達の姿があった。
「この程度で疲れていては話にならないぞ。次は腕立てと腹筋を各200回ずつだ!」
そんな三人を他所に、次の基礎トレーニングの内容を指示する美緒。
疲れていながらも、三人は指示に従い筋トレを始める。
 
更に数十分後。
「百、九十…九、二…百!……も、もうダメ…」
「わ、私も…」
「私(ワタクシ)も…ですわ…」
筋トレを終えた三人は、完全にバテていた。
 
「5分休憩した後、次の訓練を行うぞ」
バテている三人を見て思ったのか、美緒は休憩時間を設けた。
「皆、頑張ってますね」
なのはが三人の様子を見ながら美緒に声をかける。
 
「今はまだまだだが、三人は必ず強くなると私は信じている。特に、宮藤はな…」
なのはに言いながら、芳佳を見る美緒。元々芳佳は、秘めた潜在能力を美緒に期待されており、彼女からウィッチのことを聞き、皆を守るためにウィッチとなったのだ。
 
「期待してるんですね」