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ドラゴンクエスト・アナザー

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第十八話 「天空の塔」


 天空装備がそろったので、四人は天空の塔にいる天空神に会いに行くことにした。
セーラは天空の剣を使ってみるが、確かにそれほどすばらしい剣には思えない。
これで本当に天空の塔に入れるのか不安であった。

 気球で西に行くと、岩山に囲まれた高い塔がある。
一行はその塔に上ってみることにした。
扉を開けると問題なく入ることができる。
ここが天空の塔だとすれば、天空装備はすべてそろっているようである。
中にある階段を上っていくが、ここは魔物が出てこない。
塔の中が聖なる気で満たされているため、魔物たちが近寄れないのであろう。
しかしながら階段が果てしなく長い。
「この階段どこまで続いてるんだ?」
「そんなのわからないわよ」
「いくら魔物が出ないといっても、さすがにこれはきついな」
そして永遠に続くかと思われた階段の目の前が突然開けた。
どうやら頂上にたどり着いたようである。

 頂上にある部屋はかなり広く、中では翼がある人々が動き回っていた。
その人々に話し掛けると、彼らは天空人と呼ばれる人々で、ここで天空神とともに暮らしているらしい。
その天空神は上の階にいるとのことである。
一行は階段を上り、上の階に行く。
そこには玉座に座った老人がいた。
セーラたちは老人を見て驚いた。
「あなたは……」
「オルドさん!?」
「いかにも。わしが天空神オルドじゃ」
四人はしばらく言葉が出なかった。

「天空の塔をここまで上りご苦労じゃった。わしはここに居ながらにして、この世界のすべてを知ることができる。じゃが、わしの力は地上では大きく制限されてしまうのじゃ。そのためわしはここへ戻っておった」
「お主たちの旅の目的は、敵討ちのためバルガを倒すことだったようじゃが、改めてお主たちに頼みたい。魔王ギルドラスを倒してくれぬか。わしは神と呼ばれる身ゆえ、この世界を離れるわけにはいかぬ。そして真にギルドラスを倒せる力を秘めているのはセーラ、お主だけなのじゃ」
「奴は今、この天空の塔の南に位置する島にあるヘルキャッスルで魔力の回復を待っておる。倒すのは今じゃ。じゃがお主たちがここを出る前にやることがある。セーラよ、天空の剣と家宝の剣をわしに貸してくれぬか」

 セーラはオルドに二本の剣を渡した。
オルドはその剣を両手に持ち力を込める。
すると二本の剣は白くまばゆい光を放ち、融合して一本の剣になった。
「それが真の天空の剣じゃ。そのあまりにも強大な威力ゆえ、二本に分けてあったのじゃ。ほれ、持ってみるがいい。」
セーラが天空の剣を受け取り構えると、剣と青い珠が光りだす。
セーラにもこの剣のすごさがわかった。
「わしは次元の神ではないゆえ、これから起きることを見通すことはできぬ。だがこの先その天空の剣が必ずや役に立つじゃろう。ではくれぐれも頼んだぞ」

 セーラたちは塔を出て気球に乗り南を目指した。
しかし島が見つからず、あたりを飛び回る。
やっと周りを岩山に囲まれた島が見えてきた。
島には城がある。
おそらくあれがヘルキャッスルであろう。
一行が気球を降りると祠があるので入ってみた。
階段を降りると宝箱があった。
入っていたのはスーパーリングである。
セーラはスーパーリングを手に入れた。
いよいよヘルキャッスルへ向かう。
途中、ブルデビルが現れたのでセーラは新たな天空の剣の威力を試してみた。
なんとセーラはブルデビルを一撃で葬り去った。
四人は改めてこの剣の凄まじさに驚いた。
セーラはふと天空の剣の柄に丸い穴が開いていることに気がついた。
試しに青い珠を入れてみるとぴったりと入り、天空の剣が青く光り始める。
おそらく青い珠の聖なる力を使ったものであろう。
また倒れることを恐れ、セーラは青い球を抜き取った。

 一行はヘルキャッスルにたどり着いた。
中に入る前にセーラは何か違和感を感じたが、特に気に留めなかった。
中は広く迷路のようになっており、次々と魔物が現れる。
さすがに敵の本拠地である。
四人は現れる魔物たちを倒しながら進んでいった。

 二階に上がると大魔導が現れた。
大魔導はいきなりイオナズンを唱えた。
こちらが賢者の石で回復していると、マホカンタとスカラで防御を固める。
こちらの剣と魔法は効かなくなった。
さらに大魔導はバイキルトを唱え攻撃してくる。
セーラはふと剣と盾を見た。
天空の盾は天にかざすとマホカンタが使えた。
それならば天空の剣はどうだろう。
セーラは天空の剣を振りかざした。
まぶしい光が大魔導を照らす。
大魔導にかかっている呪文の効き目がなくなった。
攻撃が通じるようになったので一気に攻める。
大魔導を倒した。
天空の剣から発する凍てつく波動の威力にセーラは感動した。
一行はさらに奥へと進んで行った。

 三階に上がると何者かの声が聞こえてきた。
「それが本物の天空の剣か」
声の主はバルガであった。
「バルガ! なぜおまえがいる!」
「バルガだけではない。わたしもいるぞ」
「ギドラ!」
そしてゼランとゴルドラも現れ、四天王がそろった。
「おまえらはオレたちが倒したはずだ! それがなぜ生きている!」
「残念だったな。俺たちはギルドラス様がいる限り何度でも甦る」
一体でさえあれほどてこずった相手が、突然四体も現れた。
かつてない強敵の出現にセーラたちは動揺を隠せなかった。