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とある転生者の話(第一部)

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第六話 ドラゴンじゃないドラゴン



実はトレーナーズスクールに行かなくなった訳ではない。
トレーナーカードが交付されるまでの間のクラスがあるそうな。
今、そのクラスに入っている訳だが…

アイツ、いるんだよ。
そう、例の【ドラゴン至上主義】の坊主。

うわ…睨まれた。
『……あ奴…〆る…』
ストライクがガン付け返してる。
面倒だから言わないけどさ…そこまでまずかったのかなぁ…。
「なにアイツ。アユムちゃん、気にしなくていいんだよ」
「そうそう、アイツ、あんだけ偉そうにしてたけど、負けたんだし!」
お姉さん方、それは言い過ぎなんじゃ…あ
「……」
アイツ…行っちゃった…。
「そういえば、知ってる?アイツのポケモン!」
「知ってる!ドラゴンじゃないんでしょ?笑える~」
「…え?」
初耳だ。てっきりドラゴンポケモンもらってると思った。
「なんでも親にあのバトルがバレたらしくって、ドラゴンもらえなかったとか…」
「マジで!?ウケる~」
キャッキャと笑うお姉さん達。
ボクは一緒に笑う事が出来なかった。

『……アユム、何故アイツを探す』
放課後、比較的自由なのでアイツを探していた。
「真実を聞く。」
『……別にアユムのせいではない』
「知ってる、それでも寝覚めが悪い」
『……お人好し』
「うっせ!」
あ、いた
…ってあそこは…
「おい、にーちゃん!それ以上は草むらだから。ダメだって言われてるだろ」
「!?おまっなんでっ!?」
なにそのテンプレ反応…
「いや、聞いたらさ、ドラゴンじゃないポケモンもらったって…」
「あぁそうだよ!なんだよ!笑いにきたのかよ!ほら!!」
そう言って出したのは…

クアァ…?

「ナックラーじゃん」
『……ナックラーだな』
「……え、なんだその反応!?」
「え?だってこいつ、進化したらドラゴンになるぞ?」
「嘘だ!」
便利な図鑑を出す。
「おま…それオーキド博士の書いた子ども図鑑じゃん!!」
「うん、そうだけど」
「それ、トレーナーカードもらった人以上対象のだぞ!?」
そうだっけ?…あぁ、だから父さんがびっくりしてたのか。
「まぁ、とりあえず…えっと…あったあった」
ボクはナックラーのページを見せた。
そう、こいつの最終進化は…
「フライゴン!?」
「そう、れっきとしたドラゴンだよ?」
「こいつが!?あの!?嘘だろ!?」
「ただ、進化するまですっごく大変だって聞いた」
「はぁ!?」
素っ頓狂な声を出すお兄さん。
こいつ、なんでこんなことも知らないの?
「お前、ホントにドラゴン一家の子どもか?」
「な!?ホントだ!!父ちゃんはあのワタルの次の次に強いドラゴン使いだぞ!!」
「ん~、じゃあ知っててもいいと思うんだけど…」
てかワタルの次の次って…超微妙じゃん…。
「お、オレ…勉強嫌いだから…」
なんかしょんぼりし始めちゃったぞ!?
『……脳筋』
ちょ、ストライク!?言ってやるな!!
思ったけど!!
「…お前、ホントオレの二つ下なのか?」
「うん?そうだけど」
今更なにを言ってるんだ。
精神年齢はその倍はあるけどな!!
「なぁ、アユム、だっけ?」
「…そうだけど」
「今までの謝る、だからさ…勉強がてら一緒に草むら行ってくれね?」

正直、気乗りしてなかったんだが。
このお兄さん、真面目なんだ。だからつい、いいって言っちゃったんだ。
このあと、若干後悔したんだが…。