二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

隣人部「学園都市?」 または、とある世界のはがない

INDEX|14ページ/35ページ|

次のページ前のページ
 

男料理という紐帯



翌日土曜日になり、俺達は昼過ぎから上条の家に出かける事となった。
小鳩は例によってあのゴスロリ衣装である。
さすがにそれは無えだろと思ったが
制服を着せるのもどうかと思うのでそのままだ。

二人して緊張しつつ、上条邸の玄関に立ってチャイムを押す。
すると「とうま、二人が来たんだよ!」という女の子の声が聞こえた。
ドアが開くと、そこには白いシスター姿の
銀髪で緑色の瞳の女の子が出迎えてきた。
何だかマリアに似ている。きっと出身地が同じなのだろう。
「初めましてなんだよ!私はIndex-Librorum-Prohibitorum。
 インデックスと呼んでいいんだよ!」
「え?あ、ああ、よろしく・・・」
その天真爛漫な雰囲気に少し驚きながらも応える。
小鳩は俺の後ろに隠れてしまった。
きっとマリアに似ているから警戒してるんだろう。

「おっ来たな、二人とも入れよ」上条も奥から出て来て言った。
「良かったらこれ、粗品だけど」俺は挨拶の品として
ソーセージの詰め合わせを持って来ていたので、それを二人に手渡した。
「とうま!これ食べ物なんだよ!さっそく開けるんだよ!」
彼女が息を弾ませて言った。
「すまねえな、本来なら俺の方が何かやるべきなんだけどよ」
上条も、いかにも済まなそうな顔をしている。
「いやいや、気にしないでくれ。そんなに金の掛かる物でもないし」
「いやー上条家にとっては生活が掛かっているんで
 凄く助かるのでありませう!」
俺達は中に上がり、荷物を降ろしてから台所へ向かう。
すると、玄関からチャイムが鳴った。



「はいはい、誰ですかー呼ばれてないお客さんは回れ右なんですけどー?」
と言いながら上条は玄関を開ける。と、そこに男女二人が立っていた。
一人は、昨日も会った御坂美琴、学園都市三位のレベル5の女子中学生だ。
もう一人はアロハシャツを着たグラサンの男で、やたらと胡散臭い。
「カミやん~女の子を待たせたらいかんぜよ~」とグラサンの男が言う。
「・・・っアンタ!今日は私が料理を作りに行くって言ったでしょ!」
「んぅええ?だってアレは上条さんはお断りしたんですけど?」
「え、あ、いや、確かにそうなんだけどさぁ・・・!
 アンタ最近頻繁に海外に行っててたまにしか帰って来ないじゃない!
 だから日本の家庭の味とかに飢えてるんじゃないかと思って、その・・・」
どうやら彼女はこの上条に惚れているらしい。
何しろ、態度が非常に分かりやすいのだ。これに気付かなければ相当鈍感だろう。

「んで、何で土御門まで居るんだよ」
「それがカミやん、舞夏のヤツは今日は研修で居ないんだにゃー。
 それで暇つぶしに外に出たら、カミやんの家の前で女の子がもじもじしながら
 立ってたもんだから、さすがカミやんクォリティと思って入れてあげたんだにゃ」
「あーそうなんか。で、何で御坂は俺の家を知ってるんだ?」
「みっ、御坂って呼んでくれた・・・ああぁっいや私はそのホラあれよ!
 アンタが戦争から帰って来た日に女の子を一杯引き連れてたでしょ!
 そん時に一緒に付いてったのよ!アンタその日の事覚えてないの!?」
「ありゃ、そうだったっけ?俺その日は何か酒飲んでから
 記憶が曖昧でよく覚えてねえや」
「ア、ン、タ、はぁー!!!」言うなり御坂はいきなり電撃を打ち放つ。
すると上条はすかさず右手を突き出し、電撃はその右手に吸い込まれて行った。

「ところでカミやん、そこにいる彼は何者なんだにゃー?」
「あっ、えと、俺は羽瀬川小鷹っていうんだけど」
「上条さんの買い物仲間ですよ~」上条もフォローする。
「なるほどにゃー、カミやんのフラグは男にも有効ってわけだにゃ。
 しっかし鷹やんも何だかカミやんに似てフラグ立ててそうな感じだぜよ」
「たっ鷹やん!?フラグ?何だそれ?」初対面でいきなりあだ名で呼ばれたぞ!?
まあ馴れ馴れしいのはアレだが、少なくとも悪い感じはしない。
「まー、ある面で鈍感そうなのもカミやんに似てるにゃー。
 ちなみに俺は土御門元春。カミやんのクラスメイトだぜよ」
「と、とにかく、入らせてもらうわよ!ホラ食料も買って来たし!」
「え?いや今日はそこそこ間に合ってるし大丈夫なんでせうけど」
「で、そこのアンタは何しに来たのよ」御坂が俺に訊いて来た。
「いや、えと、俺は上条に料理を教えに来たんだけど・・・」
何だか場違い雰囲気全開で俺が恐る恐る言うと、上条も続ける。
「そうだぞビリビリ。
 俺達は男料理という紐帯で固く結ばれてるんでございます事よ?」
「またアンタは私の事をビリビリと・・・っ!」
「うわわ落ち着け落ち着け部屋の中で電撃を放つな!は~いナデナデ!」
上条が御坂の頭を撫でると、彼女は「ふにゃ~ん」とばかりに
顔を赤らめて力が抜けたようになった。
「まあ・・・つう事で羽瀬川は料理を始めちゃってくれよ。
 材料はビリビリが持って来た分も使っていいからよ、土御門も含めて6人分な」



そういう事で、俺はさっそく料理を始める事にした。
俺の方で買っておいたキャベツと油揚げで柚子胡椒炒めにし、
続いておからを具にして卵でくるんだオムレツを作る。
続いて、野菜と豆腐とオカラを混ぜた具でロールキャベツを作った。
傍らでは上条が一生懸命にメモを取っている。
「これでも意外に食べでがあって、費用も1食150円程度で収まるからいいぜ」
「とうま!これ美味しいんだよ!」「コラッつまみ食いするな!」
いつの間にかインデックスという子が乱入し、さらには
「ていうか料理しないんならどっか行ってなさいよ!」
手伝ってくれている御坂が怒鳴る。
「むー!短髪こそ要らないんだよ!何でこの家に来ているのか分からないんだよ!」
「何ですってぇー!!」
後ろの方が何だか大騒ぎになっているのは気にしないでおこう。

小鳩は、騒がしい台所を避けて、料理の間じゅう
居間に座ってテレビを見ているようだ。
それに気付いたインデックスが、小鳩の隣に座ってテレビを見始めた。
多分ちょうど「超機動少女カナミン」の再放送の時間になったのだろう。

「カナミンは蓮の杖を現代風にアレンジして並みいる魔女狩り十字軍を
 倒してるんだよ!カナミンは使い魔も操れるし聖人並みの魔術師なんだよ!」
「クックック・・・魔術師ごとき、我が血族の敵では無いわ。
 しかしカナミンは我が魔族の血を引く大魔道師のようじゃから
 最後には我に仕える事になろうぞ」

・・・何だか中二病同士、仲良くやっていけそうである。