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隣人部「学園都市?」 または、とある世界のはがない

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ー端覧祭企画会議



あくる週の月曜日、久しぶりに隣人部員全員が部室に来ていた。

「聞いてくれ。これより隣人部は一端覧祭に向けての企画を立てるぞ!」
夜空が高らかに宣言する。

話によると、聖クロニカ学園は今回の一端覧祭参加にあたって
その存在を内外にPRするために、各クラス及び各部活に対して
少なくとも一つはイベントを行う事を要請して来たのだ。
俺達の居る2年5組もそうだし、そして隣人部にも要請が来たわけだ。
そういえば以前、学園祭の企画を立てようとした時は
小鳩の誕生日イベントを先に行う事になって
それで企画立案自体は後回しになっていた。

「結局、前に話し合った時は何も決められなかったのよねー」
星奈がため息をつく。
「そこでだ、前に挙がった提案も含めて再検討したい」
「えーと、前に挙がったのは、確か喫茶店に占い館、だっけか」
俺はもう随分昔の事のように思える前回の会議(と言っていいのか)を
思い出してみた。

「それにもう一つ。学校側から我が隣人部に特別の要請があった。
 知っての通り、我が隣人部は今やレベル4の大能力者5人を擁する
 学園一の精鋭部隊となった!
 よって隣人部の名声は嫌が応にも高まるばかりだ。
 学校側も、隣人部を全面に押し出す事で
 聖クロニカ学園自体の宣伝としたい意図がある。
 従って、隣人部が主催するイベントにも我々の能力が
 絡められないか検討したい」

「ふふーん、まあ当然よね。何せ私の美貌と名声と能力があればバシィ!」
「うるさいぞ肉」夜空が星奈の顔をハエ叩きで思い切り叩いて言い捨てる。
理科が首を傾げた。
「能力を絡めるというのは具体的にどうすれば良いのでしょうか?」
「ふむ、まあイベントの最中に能力を披露するとかだろうか。
 それとも能力を使ってイベントそのものを行う、というのも有りだろう」
幸村が手を挙げる。
「たとえば、おばけやしきはいかがでしょうか」
「お化け屋敷か・・・」と俺は想像してみた。
「・・・いや、止めといた方が良いんじゃね?確かに風とか炎とか物質変換とかで
 来客を幻惑させるのも手だし、理科なんてまんま呼び出せば良いんだけどさ」
「あら~小鷹先輩、理科の能力もとい魅力に気付いちゃいました?」
「っていうか、マジで本物の幽霊呼び出したらお客さんビビり過ぎて気を失うぞ?」
「あ~・・・」そりゃそうだ。偽物だからこそ安心してビビる事が出来る。
「それに、俺は何すりゃ良いんだよ・・・」

「「「「「・・・」」」」」全員沈黙。
今居る中で俺だけがレベル0だ。
マリアもまだ帰ってこねーし、何だか俺、疎外感ありまくりじゃね?

「ばっバカね!小鷹はただ突っ立てりゃ良いのよ!それで来場客を睨んどけば
 もうみんな最高にビビってくれるはずよ!!!」
星奈が人のコンプレックスを逆手にとんでもない提案をしてきやがった。
「んな事できるかぁー!!!」
「ふむ、小鷹が今使える能力を活用すれば・・・そうか!」
夜空が閃いたようだ。



「決めたぞ!隣人部は喫茶店を出す!」
「はあ!?」星奈があきれたような顔をして
「前に喫茶店やろうって提案した時にアンタ真っ先に否定したじゃないの!」
そう言えばその時、夜空が『私に接客が出来るはずが無い』と言って
皆納得したわけだったので、俺も当然の疑問を抱く。
「何だよ、夜空も接客できるようになったのか?」
「いや、私は接客はしない」夜空が無茶苦茶な事を言い放った。
「はあ?どういう事だ、裏方に回るって事か?」

「つまり、猫カフェだ!」

「「「「「あー・・・」」」」」
全員、何だかあっけに取られたような顔になった。
「要するに、私は裏で猫を操って客の接待をさせる。
 私は猫を操る演算で忙しいから表には出られないがな。
 その代わり他の者でメイド姿にでもなってもらう。
 メイド姿で能力を使えば客は萌える!これが至高だ!
 小鷹は調理担当に回れば良いだろう」

「まあ、そうすりゃ確かに全員に役目が回るっちゃ回るな」
「何よ!そんなのバカ夜空がメインみたいじゃない!そんなの却下よ却下!」
と星奈が強く言い張るものの、結局俺達はそれ以外の有力な候補を挙げられずに
まずは仮申請として『メイド&猫喫茶』企画を学校側に出す事になった。



その日も、俺と夜空は途中まで一緒に帰る事になった。
またも夜空はスーパー横の本屋に寄って行くらしい。

「た・・タカ。その・・・なんだ」夜空がいつになくもじもじしている。
「ん、何だ?」
「あのだな・・・この前は、その、あ、ありが、とう・・・」
「え・・・!?な何て!?」いきなりの言葉に俺も動揺してしまう。
「いや・・・この前だな、ホラ、タカと公園に行っただろう?
 その時に私が自身の能力に気付かされたわけで、
 いわば、あの時にタカに誘われて公園に行かなければ
 今も私は能力に気付かなかったかも知れないじゃないか。
 だからな・・・」
「あー、そうか・・・そんなの偶然だよ」
「いやそんな事は無いぞ。・・・タカには最近世話になりっぱなしだな。
 いつか恩返しをさせてもらおうじゃないか」
「えぇ?・・・いいってそんな気を使わなくてもさ」

そんな感じで俺達がしゃべりながら校門の外にまで来ると
ふと反対側の歩道に妙な視線を感じた。
見ると、例の常盤台中学の制服を着た金髪ロングの女の子だった。
この前会った同じ常盤台中学の御坂美琴とは、雰囲気がまるで違う。
彼女の目が妙に瞬いているのが異常に印象的だ。
それに手にはリモコン?を持っている。

「誰だあれは・・・まったく気持ち悪い」そう夜空が言い捨てた。
すると彼女はにやり、と笑うと、すぐに道の死角に入って居なくなってしまった。
「まったく・・・最近は気持ち悪い奴らばっかりだな」
夜空が嘆息するのも無理は無い。
俺の寮近くでも、最近似たような不気味な女の子を見かけるようになり、
この前も小鳩に注意したばかりだった。
何か嫌な予感がするのは気のせいだろうか。