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隣人部「学園都市?」 または、とある世界のはがない

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精神操作対決



「よし、まずキャパシティダウンを破壊するぞ」
「っても、どうやって壊すんだ?」俺は夜空に訊いてみた。
「ああ、簡単だ。見てろ」
そう言うと夜空は猫達をキャパシティダウンの各装置背面に回らせる。
「準備はよし、これで土御門の合図を機に動くぞ」
すると、数分もしないうちに例の野営テントの近くで大爆発が起こった。
「よし!かかれ!」

夜空が合図を送ると、猫達が一斉に機械の配線を齧って引きちぎった。
ついでに切れた配線の端部を手近な装置の中に突っ込んだので
装置群が相次いでショートし、爆発するものも出た。
丁度爆発によって兵士の注意が逸らされている間だったので
あっさりと成功したのだろう。
「フン・・・私の手に掛かればこの通りだ。
 ゴミクズを巻き上げて喜んでいる肉々しい空力使いよりも
 余程レベルが違うという事が分かったろう」
「な、何よ!そんな程度の事私ならもっと簡単に出来るわよ!」
「はぁ、星奈静かにしてくれ。夜空も挑発するなよ」



「やれやれ、それじゃあ次の段階だな」
「次は私にやらせなさいよ!」
という事で俺達は、今度は例の女に接近を試みようと
しゃがみつつ茂みを突っ切って、女が居るテントに近寄った。

「ん・・・?あの女の持つリモコンみたいなものは何だ?」
「多分、あれで自らの能力を発動させるキーのような役割を
 果たしているのではないだろうか?」
夜空が前方を睨みつけながら推敲してみせた。
「ふふーん、そうと分かったなら早速あの女のリモコンを奪うわよ!」
言うなり星奈はいきなり例の女の近くの地面からつむじ風を巻きあがらせた。
「おい、星奈!早まるなよ!」
俺は嫌な予感が走るのを隠せずに止めようとしたがもう遅かった。
たちまちつむじ風はピンポイントに女の手からリモコンを奪い
巻き上げられたリモコンは空中を凄い勢いで上下してから地面に叩き付けられる。
「フン、あんな女なんて私の旋風操作に掛かれば一瞬でペチャンコよ!」
星奈がここぞとばかりに自慢している。

女は、リモコンを持っていた手をしばらく見つめていたが
すっと俺達が隠れている方向に顔が向いた。
「何!?」って事は、もしかして俺達の事が分かっていたのか!?
そして女がにたりと笑うと、女の目が妖しく光った。

「ふふふ。あらぁ~、そんな所に隠れていないで出てきてもいいのよぉ♡」
女が俺達の方に体を向けると、腰に付けていたポーチから
新たに別のリモコンを取り出した。
「やっぱりバレていたのね、仕方ないわ勝負よ!」
と、星奈は勢い良く立ち上がり手の平を女の方に向けて旋風噴射の構えを取る。
仕方ないので、俺達も立ち上がって敵前に身をさらした。

しかしこうしてよく見ると、例の女も凄い巨乳に見えるな。
星奈も巨乳だし、これは巨乳勝負でもあるのか!
「おい小鷹、貴様今何考えてた?」
と夜空が俺の耳たぶを引っぱりながらジト目で注意する。
引っぱられた耳をさすりながら周りを見渡すと
俺達はすっかり周りを兵士に囲まれてしまっていた。
とりあえず手に持っている霊蓋を盾代わりにして身構えてみる。
俺や星奈だけでなく、幸村や小鳩、そして夜空も身構えた。

「ふふふ・・・☆」
女が妖しく俺達の事を見つめながら、リモコンのボタンを押す。
ピッ、と妙に軽い音がすると、俺の体に異変を感じた。
「な、何・・・?から・・・だ、が・・・動かない・・・?」
目すら満足に動かせなかったが、俺達全員が金縛りに掛かったように
微動だに出来ずにいるのが分かる。
「な、なぜだ・・・!?猫の動きもコントロール出来ない・・・」
夜空が苦しそうに喘いだ。
「あら~ぁ、当たり前じゃな~い♡
 私は貴方達隣人部の能力全てについて把握しているのよねん☆
 モ、チ、ロ、ン、私と同系統の能力を持つ
 三日月夜空さんのコトも・・・ね♡」
そうか・・・以前、学園の近くに出没していた女はアイツだったのか。
くそ、何にしてもアイツは一体何者なんだろうか!?
夜空と同系統という事は精神操作系なんだろうが
だからといって何も出来ねえ・・・

「さぁさぁ、そんな風に立っていても面白くないでしょ~☆
 だから、ちょっとお互いに戦ってもらえるかしら~♡」
そう言いながら女は再びリモコンを操作すると
俺達の体が勝手に、お互いに向かい合わせになった。
「喋れないのもつまらないでしょうから、
 口だけは自由にしてあげるわぁ~♡
 幾らでも命乞いして頂戴ね☆
 ま、お互いに死ぬまで戦ってもらうけどね♡」
俺達は、星奈と小鳩、夜空と幸村のペアになって向き合った。
俺だけ一人で二組のペアを眺める位置に立って棒のように固まる。
完全に俺達は女の能力に支配され、全身を操られる格好となった。

「ああああ、小鳩ちゃん・・・私小鳩ちゃんに危害を加えるつもりなんて
 一切無いのよ~!!!解ってもらえる!?ね?ね?」
と泣きそうになって訴えつつも星奈は両手をゆっくりと小鳩のほうに向けた。
「ふん、やっぱりアンタはそういうつもりやったんや!
 ならば、我が偉大なる夜の真祖が色火創出によりて成敗してくれるわ・・・!
 魔炎術秘奥儀によって魂まで焼かれて朽ち果てるが良い!」
反対に小鳩はやる気満々だ。なんか、操られてない気がするが・・・
ってかむしろ張り切ってね?星奈ヤバいんじゃね?
「くっ・・・夜空のあねご、申し訳ありません・・・」
「ぐぬぬ・・・きっ、気にするな幸村・・・
 これも私の力の至らぬ次第だからな・・・」
幸村と夜空もお互いいたわる言葉を発しつつ、互いに戦う体勢を取りつつあった。
そして俺は何も出来ず、その場で硬直してただ突っ立っているだけなのだ。
「ぐ・・・このまま、何も出来ずに見てろってのかよ・・・」
しかし、その時一瞬夜空の目が鋭く光ったように見えた。

「ふふふ☆さぁて、皆さん準備はいいかしらぁ♡
 それではぁ、戦闘~開始ぃ♡」
女がそう宣言して、リモコンのボタンを押そうとした瞬間
「ぶぎゃああああああああ!?」
女がもの凄い勢いで顔を覆う。
何と、猫の一匹が跳び上がって女の顔を思い切り引っ掻いたのだ。
たちまち俺達は女の能力の支配下から脱し、体が自由になった。

「今だ幸村!」「ぎょい!」
間髪入れずに夜空が幸村に命令し、幸村がすぐに応じる。
幸村が地面に手を当てると同時に
女の周りの地面からたちまち分厚い鉄の壁がせり上がり
女を完全に囲ってしまった。



俺達は恐る恐るといった感じで壁に近づいた。
ただ夜空だけは堂々と歩いていって壁に手を触れる。
もはや、周りの兵士達も呆然としてしまったようで、何もして来ない。

「おい、食蜂操析。こうなってしまったらあっけないものだな」
夜空がいきなり女の名前を言い放った。
「な!なによぉ!私のコト知ってたのねぇ!」
食蜂と呼ばれた女は半泣きな声で叫んでいた。
「当たり前だろう・・・
 私は貴様が学園の前でウロチョロしているのを見て以来
 ちょっと気になったので調べたのだ。
 ネットで調べきれない範囲は、幸村を使って
 わざわざ常盤台中学まで行って聞き込んできたのだぞ。
 それで最大派閥を持つ食蜂操析の能力について全て把握したのだ。