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隣人部「学園都市?」 または、とある世界のはがない

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救出



「こ、小鷹先輩!」

穴の方から叫び声が聞こえてきたので振り向くと
クレーンで吊るされていた理科が目覚めて、俺達に気付いたようだ。
「待ってろ理科!今下ろしてやる!」
小鳩が色火創出の火球でクレーン操作台に居た兵士を追い払い
星奈が周囲に居た兵士達を旋風操作であっという間に蹴散らした。
まったく、この二人が普通に連係プレーすればスゲエ威力なんだけどな。

俺はどうにかしてクレーンの操作を試み、舳先をゆっくり下ろして
紐を解いてやると理科はようやくほっとしたように咳き込んでいた。
「み、みなさん・・・ご迷惑をお掛けしました・・・」
「いいよ理科、気にするな。大丈夫か?」
「はい・・・さっきまで何故か朦朧としていて
 操られたようになっていたのですが
 先程皆さんが戦い終わった瞬間に正気に戻ったようです」
「そうか、多分お前も食蜂に操られていたんだな」
と夜空は忌々しげにつぶやく。
「これだから巨乳は精神がおかしい奴ばかりで困るのだ」
「巨乳が何ですってぇ!?」相変わらず星奈が敏感に反応してくる。
「まぁ、とりあえず無事で良かった。
 それにしても理科を吊るしてどうしようとしたのだろうか?」

「それについては・・・俺が答えるんだにゃ~」
振り向くと、そこには上条に肩を支えてもらいながら
歩み寄る土御門の姿が見えた。
「どうやら連中は、理科ちゃん自身を媒介にして"渦"を開けて
 その"渦"をホンモノの霊界への門にするつもりだったみたいだぜよ・・・」
げほっげほっとむせながら、土御門は息も絶え絶えに答える。
土御門の口元からは血が噴き出していた。
「お、おい!大丈夫なのかよ!?」
「だ、大丈夫だぜよ・・・ただ中途半端に能力開発しちまってるせいで
 魔術を使うとこの通りだがな・・・」
「まあ、とりあえず俺も間に合ったし
 土御門はひとまず休んでてくれよ」上条が労るように言った。
「い、いや・・・まだだ。まだダメなんだにゃ~・・・」
「何がだ!?」



と、テント群の向こう側で何か大爆発を起こしたような大音響が響き渡った。
「なな?なんだぁ!?」
「あ~・・・やっぱりダメだったか。クソ、間に合わせの封印結界じゃあ
 屁ほどの役にも立たなかったぜ・・・」
土御門がいつの間にか普通の口調で忌々しそうにつぶやく。
「おい土御門、まさか・・・」上条も絶句する。
上条の目線の先には、あの白い手袋をした不気味な男が立っていた。

「式神よ!」
男が手を俺達に向かってかざすと、その手から何か黒い紙のようなものが
無数に吹き出した。
「うわ!うっわわわ!」
その紙は飛びながら、まるで本物のカラスやコウモリのように変形し
俺達に鋭い爪や牙や針を以て襲い掛かってきた。
「ふふん!ちょこざいわね、旋風!竜巻!」
「魔炎術秘奥儀、メギドフレイム!」
「第一団は右、第二団は下、第三団は正面だ!掛かれ!」
「あにきをお守りします・・・はっ!・・・ふっ!」
隣人部の全員がそれぞれの能力で式神とかいう黒い飛行体群を撃ち落としている。
上条も、横たわる土御門を守る為に素手で立ち向かっているが
上条はどうやってか上手い具合に右手で黒い群れを叩き落としている。
俺も、横たわる理科のそばで、一旦霊蓋を置いてから
上条のマネをして叩き落とそうとするが、中々上手い事いかなかった。
しかし黒い群れは、男の手から幾らでも無尽蔵に出てくるのだ。
「クックック、バカ共め。その内に力尽きるだろうよ」
確かにこれでは、男に近づく事すらできない。
「くそっ!確かにこれじゃあまともに戦わずに疲れ果てちまうぞ!」

そして、さらに新たな黒い群れの塊が押し寄せてくると
そいつらは俺と理科を完全に取り囲んだ。
「ぶわあぁ!」
黒い群れが紙のままで俺の顔を塞ごうとしたので、思わず喘いでしまった。

すると、急に黒い群れが一瞬で掻き消えるように居なくなる。
思わず周りを見渡すと、足元で横になっていた筈の理科が居ない。

はっとして男の方を見ると、男はいつの間にか
ぐったりとした理科を脇に抱えていた。
「っしまった!」
奴は俺達の注意を逸らして、その隙に理科を奪っていたのだ。
「ふん・・・もう貴様らには用はない」

男はまた、理科を抱えていない側の白い手袋をした手をかざすと
「木克土!」
男の手から放電のようなものが迸り出た。
すると俺達は急に体が痺れ、まるで地面に縛り付けられたように
足が動かなくなった。
「さて・・・貴様らにはとっとと消えてもらうか。
 朱雀炎舞!」
と、男の手から今度は炎が竜巻のような奔流となって吹き出し
俺達に襲いかかって来た。