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隣人部「学園都市?」 または、とある世界のはがない

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夜明け



俺達二人は霊蓋をそのままにして
気絶中の男を引きずりながら、穴の外に出た。

「とーま、やったんだよ!」
インデックスが上条の元に駆け寄る。
「小鷹先輩・・・大丈夫ですか?」
理科もややふらつく足取りながら、俺の方に歩み寄った。
「ああ、大丈夫だよ。
 それよりも、理科。お前も頑張ったな」
そう言って俺は理科の頭を撫でてやると
理科の顔が、ボッと赤くなった。

「っ理科!?大丈夫か?やっぱりまだ良くねえんじゃねえのか!?
 とりあえず俺の肩に掴まれ!」
「いいいや小鷹先輩そんあのこのことは無いので大丈夫ですk」
理科は真っ赤になりながらも手を震わせて否定したが
俺はやれやれとばかりに、理科の右腕を掴んで俺の首の後ろに回すと
理科はどうしたのか、ふしゅる~とばかりに身体の力が抜けたようになった。
土御門がそれを見て「やっぱり鷹やんだぜよ」と意味不明な事をつぶやく。



少し離れた所では、夜空・星奈・幸村・小鳩が気絶から目覚め
身体を起こそうとしているのが見えた。

「おお・・・小鷹、大丈夫だったか。
 で、敵は無事始末出来たのか?」と夜空は
俺の肩に掴まる理科を心配そうに見ながら訊くが、しかしどこか羨ましそうだ。
「おう。見ての通りだ。
 男は上条が捕まえているからもう心配は要らない」

「まあ私の手に掛かればこんなの一瞬で終わるわけよ!」星奈が胸を張った。
「あにき、ご無事でなによりです」幸村が目をウルウルさせつつ俺の手を握る。
「あんちゃ~ん!」小鳩が飛び出してきて俺の腰に抱きついた。
「お兄ちゃん!!!私も頑張ったのだ~あはははは!」
マリアが遅れて抱きついてきたが、小鳩と目を合わせて
「教会の手先の分際であんちゃんに抱きつくなぁ!」
「お兄ちゃんをうんこ吸血鬼に渡してはならないのだ!そっちこそどっかいけ!」
「まあまあ・・・」
二人をなだめていると、ダボダボの服を来た大男がやってきた。

「どうやらこれにて一件落着のようなのよな。
 まあ皆怪我は負ったものの何とか無事のようであるし
 今回の件はまずまず成功、といった所よな」
「建宮・・・
 まあこちらも理科を何とか救出出来たし
 俺達全員無事で帰る事が出来るのであれば
 何も言う事は無いさ」
「そうか。しかし今回の一件は
 理科殿に対して本当に申し訳ない事をしたと我々も思っているのよな。
 そこで、とりあえず今後も理科殿及び隣人部に何かあれば
 我ら天草式としても全面的にバックアップして行きたいのよな」

理科がその言葉を聞くと、俺の肩に回していた腕を外して立ち直した。
「皆さんが天草式の方達なのですね。
 あの、実は木山先生から少しだけ話を伺ってました。
 皆さんは私の能力の事を知ってて、それで私の事を守って下さったんですよね。
 本当に、ありがとうございました」
「いやいや、礼には及ばんのよ」
「それで、ですが
 今後は、私の事は自由にしてもらえませんでしょうか?
 天草式の方々が、私の能力の重要性を認識して下さるのは結構なのですが
 これからは、私の身は私自身で守りたいのです。
 それに・・・私には、隣人部の人達も居ますし」
「ふむ・・・そうか。了解したのよな。
 ただし、今回のようなスケールの事件が今後も起きないとも限らないわけだし
 その時は再び応援に駆けつけるが、宜しいのよな?」
「・・・分りました」理科は建宮の目を真っ直ぐ見て頷く。

「ほうほう、話はまとまったようだな。
 して理科君、それでは私達の組織に加わる気はないかね?」
「バードウェイ!?いつの間に戻ってきたんだ?
 ってかてめえ今まで何してやがった?」上条がバードウェイに詰め寄った。
「おやおや・・・我々も一応参戦していたのだがね。
 君達がいきなり本陣に突っ込んで行ったので
 我々は、敵の別動部隊が君達の背後を狙わないように各個撃破していたまでだ。
 それに、戦利品もゲット出来た事だしね」
そう言ってバードウェイが目の前にかざしたのは、あの男の持っていた日本刀。

「ふふふ・・・これがあればあんな事やこんな事も自在に」
「ボッシュートだにゃー」土御門が刀をひょいとバードウェイの手から攫った。
「な、何をするんだ!」
「いやーこれは日本の地脈上じゃないと使えない魔術陣が施されているんだぜよ。
 従ってヨーロッパでは使えないんだにゃー」
「いや試してみなければ分らないではないか!」
バードウェイは顔を真っ赤にして怒り、それをひやかしつつ諌める土御門だった。



「さて、帰るか」俺がぽつりとつぶやくと
「そうだな」「そうね!」「はい!」「ぎょい」「あんちゃん!」「あははー!」
皆がそれぞれに頷く。

もう、太陽の頭が東の地平線に瞬いていた。