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新生勇者戦記ブレイヴサーガ・ディザスター 第93話

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第93話 「ロミジュリ学園祭!!」


  いよいよ学園祭の当日の日がやってきた。後一日であのハカイジュウ災害の日から一年を
迎えようとしていた。

  ドライアスの野望の一環として地球にも飛来した彼らが、生徒達の尊い命を奪い去った。

  その忌まわしい記憶を誰もが覚えていた。心の中心で。あるいはその片隅で。無論、心の
中で封印しようとしている生徒も少なくない。

  だが、かといってその出来事を風化してはならない。あの出来事は5・15を含め、後世
に語り継ぐべき、地球外生命体による災害なのだ。



  当時の惨劇が嘘であるかのように今の桜高の校内は、各クラスや部活の模擬店であふれて
いた。ドーナツ屋、お化け屋敷、、ヴァンパイア喫茶、写真部の写真展、オカルト研究部の怪
しげな模擬店等様々なジャンルが見受けられる。

  その中を茶屋娘姿の梓と純が歩く。梓達のクラスは「峠の茶屋」と言う名目の模擬店を教
室を使って出していた。二人の両手にはその店の買出し物が下げられていた。

  梓 「はぁー・・・本番当日ってどうしてこんなバタつくのかなー。」

  純 「まー、いーじゃん!そのドタバタがまた楽しいし!ところで梓、彼氏さん達はいつ
来るの?」

  梓 「俊君達は大体11時くらいに来るって!そういう純の彼氏は?」

  純 「私なんだけどさー・・・・・あ。」

  突然止まる純。梓が「?」となって純が視線を固めている先を見た。するとそこには射的
ゲームに熱中する竜也と清次がいた。なにやら騒いでいる。

  竜也 「・・・狙い撃つっっ!!!」

  清次 「憂ちゃんの為なら・・・・おらあああああ!!!」

    パスッ、ポスンッ・・・・ぽくっ、ぴこんっ・・・・

  清次 「またハズシタアアア!!!」

  竜也 「俺もだ。にしても、高校の射的ゲームにしちゃ、景品に力入れすぎじゃないカイ
?!おねーさん?」

  景品はなんとアロマ加湿器、PSP+UDM1個、ダラックマの特大ぬいぐるみ、発売し
て間もないスパ超のガオガイガーなどがあった。

  お店を担当している女子生徒にあたかもナンパするかのような口調で話しかける竜也。女
子生徒も満更ではないようで笑いながら答える。

  女子生徒 「えへへへ、力入れましたからー♪もっとやってってくださいよ☆」

  竜也 「しょうーがねーなー!じゃ、もっとやっていくかー。じゃー成功したらさ、ケー
番教えてよ?」

  ノリとジョークのつもりでの発言だった。だが、女子生徒はまともに取ってしまった。

  女子生徒 「え?!いいんですか?!じゃ、えーと・・・ん?あ―――!!!」

  竜也 「なー・・んてねっ、ジョークだよ・・・・・ごめん、ごめ・・・・ん?」

  表情がとたんに変わる女子生徒。竜也が振り替えると、修羅のようになった純が真後ろに
立っていた。思わず鼻水が出る。

  竜也 「びばっ・・・!!!」  

  直後、竜也は純にもみ上げを掴まれて引っ張りあげられる。容赦ないあの激痛が竜也の頭
にハシった。

  竜也 「ぎゃー!!!だだだだっだだだあああ!!!」

  純 「りゅうーやぁー・・・・・来てんだったら電話くらいしてよねっっ?!!」

  無論、その事よりもナンパまがいな事をしていた事に怒っていた。後ろで梓が「あーあ・
・・」となって見守る。

  場所を移して、梓達が出展する「峠の茶屋」。竜也と清次がここのメニューを食し、竜也
は申し分けなさそうにお茶をすすっていた。

  竜也 「ずずずずず・・・。」

  純 「はぁ〜・・・まったく・・・紛らわしいノリなんてしないでよねっ!もうっ!」

  竜也 「・・・・ゴメンナサイ・・・ずずずずず。」

  竜也を縮こませてぷんすかする純を憂がなだめる。単純な純といえどそういった行為はや
っぱり許しがたかった。

  憂 「まーまー、純ちゃん!竜也君も悪気があってやったんじゃないんだから!」

  清次 「竜也もこれに懲りて誤解されるようなノリはやめよー。でも、コレだけ怒ってく
れるって事は、それだけ純ちゃんが竜也が好きだからだ!!うん!!」

  竜也・純 「何ウマイ事まとめてんだあああ(純:のおおおお)?!!」

  清次 「ほえっ??!」

  純 「てか、ここでそんなはずかしぃ〜事言わないでよ?!みんな聞いてるじゃん!!」

  清次 「うおおおっっ!!!」

  うまいことを言ってまとめようとした清次に、息を合わせてツッコム竜也と純。何気に二
人は赤くなっている。ちなみに清次は素で言っていた為にぽかんとなってしまった。

  さらに純いわく周囲の視線が気ならずにはいられない。

  憂 「くすくすっ・・・二人ともあんまり清次君攻めちゃダメだよ?いい事言ってくれた
んだから!ね?」

  清次 「え?あ、うん・・・。」

  清次の両肩を持って優しくかばう憂。唯に限らず、清次にも肯定的な視点を送る。照れく
さそうに清次は縮こまって頭をかく。

  竜也 (あ・・・・なぐりてえー、この男っ。)

  純 「ううう〜・・・憂が言うと妙に説得力が追加された・・・てか、お店の手伝いに戻
らないと!!」

  憂 「そうだね!そろそろ戻ろっ。それじゃあ、二人共ゆっくりしていってね!」

  清次・竜也 「ほーい。」

  清次と竜也の許を後にする憂と純。二人は担当する仕事に就き始めた。その姿を見ながら
清次と竜也が目を合わせた。

  竜也 「・・・おめー、ホントおいしいトコもってくな?」

  清次 「・・・・・ごちになりますっ!」

  竜也 「いや、意味わかんねぇっ!!」



  一方、勇士朗たちはいつものメンバーに聡達を加えて学園祭に出向いていた。桜校までの
距離があとわずかなところまで来ていた。

  蓮 「しっかし、今年は賑やかになったなー!俺達に聡達のメンバーが加わるなんてなー
!」

  聡 「今年はねーちゃん達が最後だって言うからさー・・・。」

  ぽりぽりとほほをかく聡。そんな聡を蓮がからかう。

  蓮 「お〜?聡はねーちゃん想いなんだな!」

  聡 「ち、ちが、俺は弟としてー・・・!!」

  顔を赤くして焦る聡。先の言葉が出てこないくらいに図星だったようだ。

  蓮 「かかかかッ、ムキになるなって!それに、お前には撫子ちゃんがいるしな!!」

  聡 「わああああ!!!蓮兄ちゃん、それだけは言っちゃダメだああ!!!」

  ちらっと後ろを見る聡。聞こえていたか否か、撫子は顔を赤くして下を向いた。

  多分聞かれていた。ムキになった聡は、一方的にからかってくる蓮に聡は反撃に出る。

  聡 「うぐ〜・・・蓮兄ちゃんはねーちゃんとどうなんだよ?!キスくらいしたの?!」

  蓮 「うるせーっっ!!こんにゃろ、こんにゃろ!」

  聡 「ぐええええ!!」

  ヘッドロックをかけ、聡と実の兄弟のように振舞う蓮。光がそこへ余計な突っ込みを入れ
た。

  光 「未来の弟クンをあまりいじめんなー、蓮!!」

  蓮 「あああ?!!なんだとこぬやろー!!」