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Aに救いの手を_サイレント・キーパー(仮面ライダーW)

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星空を駆ける稲妻




アクセルは気絶した永田と排出されたプレスメモリを交互にみる。
「・・・・・・攻撃が浅かったから、メモリブレイクはしなかったか。・・・・・・まぁいい。一番話を聞きたかった人間はこうして確保できたわけだからな」
「さて、これからどうするんだ、照井?」
ダブルはアクセルに問う。
「・・・・・・とりあえず、永田を署まで連行する。こいつには行方不明者の居場所を吐いてもらわなければならない。・・・・・・その前に、そこに転がっているプレスメモリを破壊してからだがな」
アクセルはプレスメモリの落ちている場所をもう一度みる。
「?」
しかし、アクセルはメモリの落ちている場所を見て疑問を感じる。
ついさっきまでプレスメモリが落ちていたその場所。

そこには何もなかった。

「・・・・・・メモリが、消えた、だと・・・・・・・!?」
ほんの数秒前まで確かにその場所に落ちていたはずなのに、少し目を離した隙にプレスメモリは消えていた。
(・・・・・・バカな、ありえんぞ!?)
アクセルの背中に嫌な汗が流れる。
「? どうした、照井?」
まだ状況を理解していないダブルがアクセルに声を掛ける。
「左、なにかがおかしい! この場所で何か異常なことが起こって、」
フッ。
・・・・・・・。
「え?」
その瞬間、ダブルの目の前からアクセルの姿が『消えた』。
「なっ!?」
ドドドドドドドドドッ!!
「!?」
次いで聞こえる轟音。
まるで工事現場で使われる削岩機が小刻みに振動し岩を砕いているような。
まるでマシンガンが連続で弾丸を掃射しているような。
小刻みだがその一音一音に物凄い力強さが伴っている音。
音の出所は道の奥、袋小路になっているコンクリートの壁。
そこには、壁にめり込まれ磔にされた仮面ライダーアクセルの姿があった。
「照井!」
翔太郎は絶叫する。
コンクリートの壁に磔にされたアクセルには、良くみると大小様々な無数の傷跡があった。
「が、は・・・・・・!」
軽い咳き込み。
アクセルはそのまま地面に倒れると変身が解除され、傷だらけの照井竜に戻った。
「照井!」
ダブルは照井まで走っていく。
「おい、おい! 照井!! 一体何があった!?」
倒れた照井を抱き上げ、必死に呼びかける翔太郎。
しかし、照井はすっかり気を失っていた。
「一体何が・・・・・・? フィリップ、お前は何か気づいたか?」
焦り気味の翔太郎が相棒のフィリップに問いかける。
「わ、分からない。僕にもさっぱりだ」
常に冷静な判断をするフィリップの声色に珍しく動揺の色が混じる。
「とにかく、照井竜の怪我が酷い。ここはひとまず、彼を病院に、」
ピカッ! バリバリバリバリィィーーーーッ!!
激しい閃光と凄まじい轟音。
フィリップの言葉を遮ったのは突然の雷だった。
「・・・・・・雷、だと?」
翔太郎は怪訝に思う。
「・・・・・翔太郎」
フィリップも警戒を強める。
突然の雷。
たしかにこれだけの光と音ならば、近くで落雷が発生したのではと警戒するかもしれない。
しかし、彼らは心配したのはそんなことではない。
雷が発生するということは、発生源たる雷雲が近くにあるからであるが―――、
「空には雲一つないのに・・・・・・?」
天気は快晴だった。
空には見渡す限りの星空で、まるで宝石箱の中身をこぼしてしまったかのような幻想的な空間を演出していた。
「一体、どこから雷が・・・・・・?」
ダブルは警戒する。
一瞬で倒されてしまった照井。
出所不明の落雷。
この二つを無関係に出来るほど、彼らは楽観的ではない。
「おい、いるんだろうっ! 隠れていないで出てこい!!」
翔太郎は誰もいない虚空に吠える。
「どこの誰かは知らないが、君の目的なら、なんとなく察しがつくよ?」
フィリップは返事のない沈黙へ話しかける。
「さしずめ、仲間の永田の回収ってとこだろうがっ!」
「ネタは割れているんだ。とっとと姿を現したまえ、―――サイレント・キーパーくん?」
ピカッ! バリバリバリバリィィーーーーッ!!
その二人のセリフを合図に再び落雷が落ちる。
落雷が落ちた場所。
そこには一つの人型があった。
その人型は、まるで雷を人間という形に作り直したような形だった。
至る所からカメラのフラッシュのように全身から眩しいほどの光を発しており、その全容は照度が高すぎて逆に把握出来ない。しかし、
「な、に?」
その人型の輪郭。
「その、姿は―――!」
それは翔太郎とフィリップには馴染み深い姿だった。
永田のような人の形状から外れた姿ではなく、あくまで人間としての形を維持したフォルム。
顔はマスクで覆われており、その両目で光る赤い複眼が印象的だった。

「仮面ライダー、だと・・・・・・?」

そう。
ベルトと真ん中のセンターラインこそなかったが、そのフォルムはダブルによく似ていたのだ。