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Aに救いの手を_サイレント・キーパー(仮面ライダーW)

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新コンビ誕生!?




「じ、じがじ、よぐも来れだものだな。ふっふっふ、ざ、ざっぎおで達にさんざんやられだぐぜにっ!」
サイレント・キーパーの一人、永田省吾は自尊心たっぷりの嫌な笑みを浮かべる。
そう、つい先ほど、翔太郎たちは彼らサイレント・キーパーに瞬殺されたばかりだった。
何も理解が追いつかないまま、何も手を打つことが出来ずに負けてしまった。
一緒に倒されてしまった照井はまだ病院で意識が戻らずに苦しんでいる。
翔太郎たちにとって、サイレント・キーパーは、永田省吾は畏怖の対象であるべき存在だった。
「ま、まぁまだ懲りないどいうのなら、お、おでがお前らに引導を渡じでやるぜっ!」
ビシっと翔太郎と真倉に指差しキメ顔をつくる。
「・・・・・・」
一度敗退を喫してしまった敵。
「・・・・・・」
それ故の恐怖の対象。
「・・・・・・」
そんな危険な人物を前にして翔太郎と真倉は―――、
「探偵、トロいしゃべりのこの方はどなただ?」
「永田省吾。サイレント・キーパーの下っ端で雑魚だ」
どこまでも緊張感に欠けていた。
「なっ!?」
予想外のリアクションに永田は驚愕する。
「お、お前ら、おでが怖ぐないのか!? お、おで達はお前らの仲間を倒じだんだぞ!?」
「照井を倒したのはお前じゃねーだろうが」
「ぐっ!?」
「課長が貴様みたいなバカにやられるか、バカ」
「ぐあっ!?」
永田は二人に冷静に突っ込まれバカみたいな声を上げて呻く。
「大体なんだ、その髪型? さっきと違うじゃねーか」
「こ、このご時世に前髪一直線のおぼっちゃんカットとは。ぷぷ、前衛的にも程がある」
「ご、ごれはお前のぜいだーーー!!」
永田は翔太郎を指差し涙目になって叫ぶ。
「お、お前らがおで達の邪魔をするから、じ、上司が怒っでおでを切り付けたんだ!」
「なるほど。つまりお前は俺たちを仕留め損ねて上から怒られたわけだな?」
「うわ、雑魚い・・・・・・」
「ぐはっ!」
本当のことを言い当てられ、永田はまたも呻く。
「あと、お前が言った『上司』ってのはあの光の怪人か?」
「ふ、ふん。ざでな。お、おでの知っだごどが」
翔太郎の問いに永田はそっぽを向く。
「おい、探偵。こいつ、何も知らないらしいぞ?」
「あぁ。やはり下っ端ってことか」
「おぢょぐっでんのがっ!!」
永田はふーふー、と肩で荒く息をする。
しかし、ここでキレてしまっては大人げない考え、永田はあくまで平静を装う。
「ぐぬぬ・・・・・・ふ、ふん。で、敵地のど真ん中でぞの余裕。ま、まぁ、ハッタリだどじでも、ど、度胸だけは一人前だどいうごど、」
「しかし永田がここにいるってことは、ここが敵アジトって線は外してねぇみたいだな」
「うむ。なかなかの捜査力だ、探偵。褒めてつかわす」
「あはは、いや全然嬉しくねーし」
「っで、おおい! おでの話聞げよっ!」
永田を無視して普通に会話を始めてしまう二人。
たまらず永田はツッコミを入れる。
「だ、第一、ごごがおで達のアジトかどうがなんで分からないだろ。ふっふっふ。も、もじかじだら、ガイアメモリの流通拠点の一づなだげがもじれないぜ?」
「いや、さっきお前『人のアジドで大声出じやがっでっ!』とか言ってたじゃん」
「・・・・・・あ」
「なぁ探偵、本当にこいつが世の中を震撼させた完全誘拐犯のサイレント・キーパーなのか? 俺にはただのバカにしか見えんのだが・・・・・・」
真倉はどこか呆れた口調で問う。
「侮るなよ、マッキー。こいつはガイアメモリを保持していた。サイレント・キーパー本人ではなくとも幹部クラスの人間であることは間違いない。・・・・・・まぁ、確かにバカだが」
翔太郎は適当な調子で応えた。
ぶちぃぃっ!!
実際に音はならなかったが、そんな何かがキレる音が工場内に響き渡った。
発生源は顔をゆでだこみたいに真っ赤にしている永田省吾だった。
「お、」
「「お?」」
「お、おおお前らっ! ふ、二人どもぶっ倒じでやるーーー!!」
(Press!!!)
永田はスカジャンのポケットからプレスメモリを取り出すと前面に付いているボタンを押す。
そして服の袖をまくりねじ込むようにメモリを腕の生体コネクタに押し付けた。
(Press!!!)
再度の電子音とともに押し付けられたメモリが永田の体内に吸い込まれていく。
「ぐ、ぐおあああ・・・・・・っ!」
みるみるうちに変貌する永田の体。
鋼鉄の手足。
人間の胴体では有り得ない円筒状のボディ。
顔には目や鼻や口の代わりに電球やアンテナ、スピーカーなどの機械部品が顔中に組み込まれていた。
「あ、あああっ!!」
永田は持っていたハンマーのような杖を二人に向ける。そして―――、
「―――ブッ潰れろっ!!」
ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
翔太郎と真倉の真上に空間の歪みが発生し、次の瞬間には地上に半球のクレーターが出来ていた。
「うお!?」
「のわぁ!?」
二人はそれを間一髪で後ろに跳んで避ける。
ツル、ステン、ゴンっ!!
「「がぺっ!?」」
しかし、二人の手が手錠で繋がっているため、バランスを崩し同じタイミングでコケ、同じように床に後頭部を打ち付ける。
「でははは! や、やーい、マヌゲ〜! ざ、ざまぁみろっ!!」
永田は今まで自分をコケにしていた翔太郎と真倉が派手にコケたのが面白いようで指を差して笑う。
「い、てて・・・・・・おい、マッキー! テメーが変なタイミングで跳ぶから思いっきり転んじまったじゃねーか!」
「う、ぐぐ・・・・・・ふ、ふざけるなっ! 貴様がこちらにリズムを合わさないから倒れてしまったのだ、バカ探偵!」
「なにおー!」
「なんだと!」
「あ、遊んでんじゃ、ねーーー!!」
ブウン、ドッゴーーン!!
二人の漫才じみたやり取りにイラっとする永田。二人の目の前に圧迫攻撃を食らわす。
「くっ!」
「ひぇっ!」
それをまた紙一重で避ける翔太郎と真倉。
「・・・・・・うん?」
真倉はふと地面に目を落とす。
コンクリートの床がきれいに均一な球で凹んでいる。
「・・・・・・」
硬いコンクリートすらも変形させるドーパントの力。
「・・・・・・」
人間の力では絶対に有り得ない常識外れの脅威。
「・・・・・・」
真倉は今さらながらに"それ"と対峙していることを自覚する。
「くっ! このドラム缶野郎めっ! マッキー、大丈夫か!?」
翔太郎は横で絶句する真倉を気遣う。
「・・・・・・」
然して、真倉の返事は。
「・・・・・・か、」
「え、何!? 大丈夫なのか!?」
「・・・・・・帰りてぇ〜」
街の治安を守る警察が、絶対しちゃいけないものだった。
「はぁ!? ちょ、はぁ!?」
真倉のセリフに理解の追いつかない翔太郎。
真倉は翔太郎のほうへ振り向く。顔は青くなり目は少し潤んでいた。
「怖い、怖すぎるぞ、探偵! なんだアイツは!? あんな力をドッゴンドッゴンやりおって! し、死んでしまうだろっ!」
「いや、まぁ、そうだけどよ・・・・・・って、そうじゃなく! こんな状況になってからヒヨんなよ!」
「だって、怖いだろっ!!」
翔太郎のツッコミに真倉は臆面も無く自分の心情を吐露する。