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Aに救いの手を_サイレント・キーパー(仮面ライダーW)

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「あんな攻撃、一発まともに喰らえば運が悪くて即死、運が良くても即死だ! 探偵、ここは一端戻って体制を立て直そう!」
「こ、このへタレは・・・・・・っ!」
翔太郎は怒りとも呆れともつかない表情を浮かべる。
「でははは! よ、ようやぐおでの強さが分がっだが! だが逃がざない! ご、ごのアジドを知られだがらには、生がじで帰ずわげにはいがないっ!」
永田は杖を翔太郎たちに向ける。
「っ! ―――やばいっ!!」
「ひぃぃっ!!」
ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
永田の圧迫攻撃。
翔太郎は横に跳ぶ。真倉もビビりながらも圧迫攻撃を避ける
「ぞらぞら! どんどん行ぐぞぉ!」
ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
永田は連続で圧迫攻撃を繰り出す。
「「のわぁぁぁあああ!!」」
その攻撃を二人は走りながら何とか回避する。
(くそ、やっぱりマッキーじゃ頼りにならねぇ!)
翔太郎は心のなかで愚痴る。
(ダブルに変身出来れば、なんとかなるはずだ!)
翔太郎はダブルの変身ベルト、ダブルドライバーを腰に巻きつける。
(よし、あとはマッキーを気絶させて。)
「ざ、ざぜるかよ!」
ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
翔太郎が真倉を気絶させるために当身を食らわそうとした瞬間、永田の圧迫攻撃が真倉を狙った連射攻撃をする。
「ひぇっ!」
真倉はそれをギリギリで避ける。
(こ、この野郎!)
いきなりターゲットを変えたことに翔太郎は驚く。
「でっへっへ。が、仮面ライダーっでのは、ま、街の人間を見殺じには出来ないんだよなぁ?」
永田は翔太郎のほうを向き、へらへら笑っていた。
「ぞ、ぞじで影から街を守るヒーローはぞの正体を知られぢゃあいげない。じ、知ればぞの人間を、ご、ごういう事件に巻ぎ込んでじまうがら」
永田は今、ワザと真倉を狙った。もし変身すればその間にこの刑事を殺す、という永田の牽制攻撃だった。
「ざ、ざっぎはぢょびっど苦戦じだげれど、変身じないただの人間のお前なら、楽勝で勝でる。―――ごの意味、お前なら分がるよなぁ?」
(く、くそ、こっちの手が読まれていやがる・・・・・・っ!)
「な、なんだ探偵。ヒ、ヒーローだの変身だの、一体何の話だ!?」
真倉は圧迫攻撃を避けながら翔太郎に問う。
「な、なんでもねーよ!」
翔太郎も圧迫攻撃を避けながらそれに応える。
ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
相変わらず真倉をターゲットに絞った攻撃が放たれる。
「うおっ!? ま、まぁ何でもいい。探偵、ここはやはり撤退だ! こんなの怖すぎるっ!」
頭の中にわいた疑問よりも恐怖心が大幅に勝ってしまった真倉は半ば半狂乱になりつつ叫ぶ。
「お、俺たちがここで退いても、きっと街のヒーロー、仮面ライダーがこいつらをぶっ飛ばしに来てくれるっ!」
(だから、今仮面ライダーは来れないんだよっ!)
翔太郎は、だって俺が変身できないからな!と叫びたい衝動にかられたがぐっと堪える。
「でははは! が、仮面ライダーは来ないぞ! お、おで達がぶっ飛ばじだがらなっ!」
代わりに永田が来れない理由を代返した。
「な、なんだと?」
真倉は永田の言葉に驚愕する。
「ざ、ざっぎ半分コの奴と赤い奴を、ぶ、ぶっ倒じでやっだ! バ、バガめ、来ないヒーローを待づなんで、お前のぼうがよっぽどバガだっ!!」
「そ、そんな・・・・・・」
真倉はショックで足が止まる。
「か、仮面ライダーが、街の希望がやられるなんて・・・・・・」
(くそ、永田め! 真倉に攻撃が当たらないから今度はこいつの動きを止めるために動揺を誘うようなことを・・・・・・っ!)
確かに、それも永田の狙いの一つだったが、この言葉は根本的には彼の自尊心から出た言葉だった。
現に彼は足の止まった真倉を攻撃することはせず、その不安と悲しみに佇んでいる様子をへらへら笑いながら静観していた。
興が乗った永田は攻撃せずにさらに話し続ける。
「ぞ、ぞうざ。ぎ、貴様らが信じだヒーローなんでぞんなもんだ! あ、あいづらが弱ぐでおで達が強がっだがらあいづらは負げだ。ご、ごの世の中は強い者が正義。負げだ弱いあいづらは悪なんだ!」
「や、野郎、好き勝手言いやがって・・・・・・っ!」
「お、おでは、あ、"あの時"にぞれを学んだ。悪夢みだいだっだ"あの夜”に・・・・・・。ぞじで今のおでは強いっ! 強者は正義だ! 誰もおでを止めるごどは出来ないっ!! お、おでをバガにじだ下田達も、おでにぶっ倒されで当然だっだんだ!!」
でははは、と。永田は吠えるように、何かを振り切るように夜空に向かって笑う。
鋼鉄の手足に人ならざる異形。
そして心まで人間らしさを失った彼の高笑いを止めること誰にもできなかった。
「・・・・・・"ぶっ倒されて当然"、だと?」
ただひとり、この街のとある警察官の心に火が点かなければ。
「この、大 馬 鹿 者 がぁぁぁあああ!!!」
キィィーーーーン。
警察で培われた大音量の叫びが工場内に響き渡る。
「ぐあっ!」
すぐ隣にいた翔太郎は鼓膜に大打撃を受ける。
「ひぃっ!」
人間を超越したドーパントであるはずの永田はその声量に肩をすくめて縮まる。
そんな二人にお構いなく、真倉俊という男は自分の憤怒を叫び散らす。
「力の強い者が正義だと? 弱い人間が倒されて当然だと? 馬鹿か貴様は!! 弱い人間は保護し助けてやるのが強い人間の義務だ!! そんな小学生でも知っていることが頭に入っていないといことは、やはり貴様は正真正銘の愚か者なのだな!!」
「な、なにを〜・・・・・・っ!」
「おい、探偵!」
真倉はいきなり翔太郎に話を振る。
「え、あ、はい!」
いきなり話を振られた翔太郎は反射的に敬語になる。
「俺は本当にトサカにきたぞ! こんなアホな奴、一分一秒でも好き勝手にのさばらせておくわけにはいかないっ! ここでやっつけるから手を貸せ!」
「え、ちょ、おま、さっきと言っていることが、」
「い、いい加減に、じろぉぉぉおおお!!」
ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
永田は怒りに任せて圧迫攻撃を放つ。
しかしそれは威嚇目的の攻撃だったのか、それとも怒りに身を任せすぎた攻撃だったのか、攻撃の着弾地点は翔太郎たちのいる場所から随分離れたところだった。
永田はそれに構わず叫ぶ。
「お、お前ら黙っで聞いでいれば好ぎ勝手言いやがっでっ! ドザガにぎだ? おでを倒ず? わ、笑わぜるなっ!! に、人間を越えたド、ドーパントであるごのおでがお前らみだいな貧弱な人間に負げるものか!」
ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
ブウン、ドッゴーーン!! ドッゴーーン!!
怒りに我を忘れた永田の連続攻撃。ところ構わずに圧迫攻撃を繰り出す。
「くっ!」
「ぬおっ!」
直撃すれば即死確定の圧迫攻撃を、二人で息を合わせて何とか避けきる。
(このまま避け続けてもいずれ限界が来る・・・・・・)
翔太郎は避けながら考える。
(ダブルに変身しようとすれば永田は確実にマッキーを狙うだろう。こいつがいる限り俺は変身出来ない・・・・・・)