二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

Aに救いの手を_サイレント・キーパー(仮面ライダーW)

INDEX|76ページ/98ページ|

次のページ前のページ
 

正義の味方の底力




廃工場の屋根の上。
月下で行われている仮面ライダーW(ダブル)と宮部総一の闘いは依然接戦していた。
「はぁ!!」
「ぬん!!」
目まぐるしい乱撃戦。目を瞠る格闘戦。
「おらぁ!!」
「はぁぁ!!」
しかし、その闘いは進展の望めない停滞気味の攻防。
ガイアメモリ、そしてその使用者の左翔太郎と宮部総一の戦闘能力はほぼ互角。実力は拮抗し、勝負の決着は長引くように思われた。
そう。ここまでは。
「くそ、こうして戦っている間にも街に煙が蔓延していく! この勝負を長引かせるわけにはいかないぜ!」
街に濛々と舞い上がる銀の煙をみて、翔太郎は焦る。
「ふむ。確かに事態は一刻の猶予も許さないようだね」
それに対してフィリップの冷静なコメント。
「こんなときに落ち着いている場合じゃねーぞ、フィリップ! 街のドーパント化はどんどん進んで来ちまっている。もしかしたら死人も出ているかもしれねぇ!」
「分かっているさ、翔太郎。こんなときだからこそ、焦ってはいけない。―――メモリチェンジだ。使うメモリは・・・・・・」
フィリップは翔太郎に使用するガイアメモリを告げる。
「・・・・・・なるほどな。そのメモリなら、行けるかもしれねぇ」
『最強形態』への変身する時間はないが、メモリチェンジくらいならばなんとか出来る。
「時間がない、―――さっさと決めてしまおう!」
(Luna!!!)
「了解したぜ!」
(Trigger!!!)
ベルトに挿されているサイクロンメモリとジョーカーメモリを抜き、ルナメモリとトリガーメモリをセットする。
(Luna!!!)
(Trigger!!!)
パシュゥゥ。
変貌したその姿は黄色と青のアシンメトリーの怪人、変幻の弾丸・ルナトリガー。
しかしそれは先ほどの68番との闘いで敗れ去ってしまった形態。
ダブルは敗北した能力をまた使用した。
ダブルはトリガーサイドのボディからトリガーマグナムを取り出す。
「はぁ!」
ドン! ドン! ドン! ドン! ドン!
宮部に向かってエネルギー弾を発射。
「っ!」
目の前の光の弾丸に身構える宮部。しかし、その弾のスピードは先ほどのサイクロントリガーの弾丸に比べると随分遅い。
「ぬん!!」
宮部は難なくその攻撃を避ける。
「バカめ、選択を誤ったぞ! 私に君たちの弾丸は通じない。勝負を捨てたな、仮面ライダー!」
そのまま勢いに乗ってダブルまでの距離を詰める。
あっという間に宮部はダブルの懐に入る。そして無防備なダブルに棍棒の乱撃を―――、

「残念、選択を誤ったね」

ドドドドドーーーンッッ!!!
フィリップの落ち着いた声のあと、宮部の背中に強烈な痛みが走る。
「が、はっ・・・・・・!?」
一瞬の出来事に宮部の思考が追いつかない。
「ルナトリガーの特殊能力、誘導弾だ。お忘れだったかい、神父様?」
ルナトリガーの誘導弾。先ほど宮部が全弾回避したと思っていたダブルのエネルギー弾が宮部が避けたあと軌道を変え、彼の後ろから突き刺したのだ。
「さぁ、―――どんどん行くよ?」
ドン! ドン! ドン! ドン! ドン!
「っ!!」
宮部は咄嗟にダブルとの距離を取り、手足や棍棒を駆使して何発かはたき落とし残った金色のエネルギー弾を避ける。が、
ドドドドドーーーンッッ!!!
「ぐあああ!!」
やはり全ての弾が軌道を変え宮部に命中した。
「う、おお・・・・・・!」
確かに左翔太郎と宮部総一の格闘技の技量や力量はほぼ互角。そのまま戦闘を続けていれば、勝敗が決するのは随分時間が経ってからで軍配もどちらに転ぶかは運任せといった具合になるだろう。
「う、うう・・・・・・!」
しかし、ダブルは一人ではない。頭脳であるフィリップの存在があることによってその力は何倍にも跳ね上がる。
「ぐ、ぐぐ・・・・・・!」
同じ力を持つ宮部総一にはなくて、左翔太郎にはあるもの。
「へ、持つべきものは優れた相棒、ってトコかな」
「翔太郎、ここが勝機だ、一気にたたみかけよう!」
「あいよ、司令官殿!」
(Trigger!!!)
ここが勝負処と判断したダブルはトリガーマグナムのマキシマムスロットにトリガーメモリを装填する。
(Maximam Drive!!!)
トリガーメモリのエネルギーがダブルの構える銃に増幅していく。ターゲットを射抜くために。
「「喰らえ!」」
そのターゲットとは、サイレント・キーパーの首領である宮部総一。
「っ!?」

「「トリガーフルバースト!!!」」

変幻自在の青と黄色の無数の光弾。
それはあらゆる角度から発射されながらも、
ドドドドドーーーンッッ!!!
軌道を変え一点のターゲットへと刺さった。