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Aに救いの手を_サイレント・キーパー(仮面ライダーW)

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水晶鳥の三稜鏡




エクストリームメモリ。
鳥の姿を模した、自立稼動する特殊ガイアメモリ
ダブルのいくつかあるメモリのなかで頂点に位置するガイアメモリ。
しかし、このメモリにはガイアメモリの力の源である『地球の記憶』は内包されていない。
もちろん、力の源がないので、エクストリームメモリだけを挿入してもなんらかの変化が起こることはない。
『ある特定の条件下』にのみその力は作用し、その戦闘の実力はダブルの全形態の中でも最高クラスを誇る。
では、その条件とは?
「翔太郎、僕の肉体はすでにデジタル化してエクストリームメモリの内部に取り込ませてある。―――こちらの準備はOKだ」
「よし。さっきの戦闘は宮部に『こいつ』を警戒されて変身する隙がなかったからな。―――今度こそ決めるぜ!」
ピロロロロ!
その声に応えるようにエクストリームメモリはダブルの頭上へと飛来する。そして、
ピロロロロ!
ガチャリ。
そのまま降下してサイクロン・ジョーカーメモリを取り込みダブルドライバーに装填された。
(EXTREME!!!)
装填されたメモリはダブルの手によって展開。ベルトの"W"は力の未知数を示す"X"へと変化する。
「お、おおおおおおお!!」
そうすることによって、ダブルの真ん中にあるセントラルパーテーションが左右に分裂し
そこから現れたのは全ての闇を照らし出す光輝く水晶色。
「おおおああああああ!!」
サイクロンジョーカーの緑・黒に加えて体の中央にクリスタルカラーを纏った三色の怪人。
そのエクストリーム(極限)の意を持つそのガイアメモリとともに、翔太郎とフィリップは精神と肉体を完全に融合しダブルは最強強化形態、サイクロンジョーカーエクストリームへと変身した。
「敵の全てを閲覧した」
ハードターピュラーで空中で静止状態のまま、ダブルはアークメモリの能力をスキャン。ほんの数秒でアークドーパントの全容を理解してしまった。
「ふむ。どうやらアークメモリは船の左前方の中部、人間でいうところの丁度心臓の位置にあるみたいだね」
冷静な声でフィリップは告げる。
「アークメモリを破壊できれば宮部を元に戻せるぜ!」
翔太郎は空に浮く巨大な帆船を睨みつける。
しかし、これだけの大きな帆船のほぼ真ん中にあるというアークメモリまで、一体どうやって辿り着くというのか?
「もちろん攻撃方法も、すでに検索済みさ」
フィリップはやはり冷静な調子で述べる。
「この船は船らしい形をしているが、あれはあくまでドーパント。普通の船舶のような窓や扉はなく内側はすべて肉の塊だ」
ならば、と言葉を切って、
「外からマキシマムドライブでアークメモリを貫こう」
(Prism!!!)
プリズムメモリ。
「プリズムの記憶」を宿した、エクストリーム専用のガイアメモリ。
「そして、それにはこの攻撃が一番効果的だ!」
プリズムメモリをダブルのマキシマムスロットへと装填。
(Prism!!!)
(Maximam Drive!!!)
ベルトのエクスタイフーンが高速回転しエクストリームメモリのエネルギーが高められる。
「「おおおおおおおお!!」」
それと同時に、翔太郎とフィリップのシンクロ率も極限にまで高められる。

(EXTREME,Maximam Drive!!!)

「とう!!」
ダブルは空中へ跳躍し、船へ狙いを定める。そして、

「「ダブルプリズムエクストリーム!!!」」

船目がけて、弾丸のような高速ドロップキック。
「「はあっ!!」」
ドンッ!!
蹴りは船に着弾。
「「うおおおおおおおおおっ!!」」
ドドドドドドドドドド!!
さらにダブルはそこから船を掘り進むような形で連続蹴りを放つ。
「「うおおおおおおおおおーーーーっ!!」」
ドドドドドドドドドド!! ドーーーーン!!!
ものの数秒でダブルは高さ10メートル以上はあろうかという大型船を蹴り貫いた。
そしてその足先には、Aというアルファベット文字の入ったメモリがあったが―――。
パリーーーン!!
それは音を立てて粉々に砕かれた。
空中の船はそのメモリが粉砕されたのと同時くらいにグニャグニャと変形し、
「・・・・・・う、ぐ・・・・・・」
元の祭事服の神父へと戻った。
意識なく自由落下する宮部総一。
「よっと」
その体をダブルは空中でキャッチした。
空には大型の帆船などはなく、星や月が宝石のように輝いており、元の夜の静寂を讃えていた。

「・・・・・・やれやれ、これでようやく」
「・・・・・・ああ。本当に一件落着、だな」

そして、一人のヒーローである『彼ら』は、その幻想的な夜の景色に安堵の溜め息をついた。