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ピカリーノ0000
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紅魔館と適能者外伝~竜の戦士と第7の適能者~ 1

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第4話 出会い-rendezvous-



海鳴市郊外 歩道

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

プレシアは宛てもなく彷徨っていた。ここは何処なのか?そしてなぜ自分は生きているのか?そして何よりも

自分の首に付けられたこのネックレスが気になった。ネックレスにはY字の形をした鉱石が付けられており、何故自分がこれを付けているのか?分からない事だらけだった。

そして、あの時自分を襲った何かと、自分の体で起きた異常もあった。

宛てもなく彷徨う日々、遂にプレシアは疲れ果て、倒れてしまった。

「一体全体・・・何なのよ・・・」

薄れゆく意識の中、プレシアはそう呟いた。

だが、その時、自分に近寄る足音がしたのを、プレシアは気付かなかった。





フェニックスネスト 射撃ルーム

一人、龍星は射撃ルームで、自主練をしていた。使用している銃は、FN社製ブローニング・ハイパワーである。通常、GUYSの射撃訓練用の銃は、H&K USPだが、龍星は、「こっちの方が感触がある」と言う意見から、FN社から取り寄せた物である。

電動ホイッスルがなると、龍星は目の前の的目がけて、9㎜パラベラム弾を浴びせたが、結果は14発中7発、内3発は心臓、うち1発は頭部の直撃弾だった。

「まずまずだな・・・」

そう言うと、龍星は訓練用のバイザーを取り、ハイパワーを机に置いた。

「実戦では動いてるんだ。動かない的だけを当ててどうする」

不意に、後ろから声が聞こえた。龍星は振り向くと、そこには、キョウスケがいた。

「・・・何か用か?」

「隊長がお前を呼んでいたぞ。それを伝えに来ただけだ」

「そうか、わかった」

軽く返事をすると、龍星はその場を去った。

「・・・・・・・」

キョウスケは的に目やった。先程まで龍星が撃っていた的である。的には7つの穴が開いていた。

「どの命中箇所もすべて急所だ・・・あいつ、本当に民間人か?」

そう言いながら、キョウスケはUSPのマガジンを装填した。





「・・・・・・ん」

ふと、プレシアは目を開けた。そこは、どこもかしくの真黒で、何も見えない異様な空間だった。

「ここは一体・・・」

「ここは我の空間だ」

困惑するプレシアに、誰かが声をかけてきた。振り向くと、そこには、白髪の女性がいた。

「貴方は・・・一体誰なの?」

「我か?我は色んな名で呼ばれているが、お前さんでもわかりやすく言うなら、こう名のろうか。這いよる混沌だ」

「!!」

プレシアはその名に絶句した。彼女は科学者であるが、その時に考古学を学ぶことがまれにある。その時、ある言い伝えを聞いたことがあった。


“外なる神の代行者現るる時、この世は混沌と破壊に包まれん。代行者の名はニャルラトホテプ、人はそれを這いよる混沌と言う”


ニャルラトホテプ、創造と破壊の神、魔王アザトースの使者にして、代行者。その力は聖王のゆりかごなどカスに等しい程である。無論、プレシアもそれは知っていた。

「・・・一体、何故私を呼んだの?まさか・・・」

プレシアはある事を聞こうとしたが、ニャル様はそれを手で止めた。

「嫌、お前を虚数空間から救い出したのはノアだ」

「ノア!?」

ノア、時空管理局が管理している次元世界でも、幾つかの伝承がある伝説の巨人、ただし、その多くが謎に包まれており、次元世界最大の謎となっている。唯一分かっているのは、銀色に輝く身体をした巨人だということだ。

「お前さんには自覚は無いのだろうが、少なくとも、お前さんはノアに選ばれたのだよ。適能者(デュナメスト)としてな」

「適能者(デュナメスト)・・・?」

「ま、我が言えるのはここまでだ。最後に一つ言うが、お前さんは、この混沌とした世界を生き残れるかな?―狂い世界―解除」

そう言うと、辺りを覆っていた黒い空間から、どこかの路地裏に変わった。

「!?」

驚いたプレシアは辺りを見渡すと、そこはまぎれもなく、路地裏だった。

「一体、何がどうなっているの・・・?」

そう言うと、プレシアは歩き始めた。





遠見市 住宅街

龍星は海鳴市から西にある遠見市に来ていた。無論、休暇ではない。最近この街で発生している猟奇殺人の調査であった。

その内容は、被害者の遺体が、体液の9割を失っていたのだ。通常の猟奇殺人とはものすごくかけ離れているため、GUYSに調査依頼が出されたのだ。

「しかし、被害者の近辺を片っ端から調査しているが、これと言った手掛かりは無し、おまけに被害者全員の共通点は遺体発見時の様子と、死亡推定時刻が全部真夜中という事だけで、人間関係は無し。こんなことができる奴なんて円盤生物くらいだが、円盤生物はメビウスに倒されたノーバ以来、姿は確認されていないからな」

そう言いながら、車に乗ろうとしたその時

「・・・・・・?」

ふと、龍星には彼女が見えた。その人は黒髪の長い髪の毛で、胸には特徴的な形をした鉱石をつけたペンダントをしていた。それを観た龍星は、思わず、その女性に近づいた。

「あー・・・少しいいですかな?」

女性は、その声に反応して、龍星に目をやった。

「はい・・・何ですか?」

「嫌、大した質問じゃないんですが、最近、ここで起こった猟奇殺人について何か知っていることはありますか?」

「いえ・・・私この街に来たばかりですので・・・」

「それは失礼。それでは」

そう言うと、龍星はそそくさとその場を去り、車に乗車した。

「(あの女性から僅かながらディファレーター因子の反応があった。もしや・・・嫌、まさかな)」

ディファレーター因子とは、M78星雲光の国のプラズマ太陽から発せられるプラズマエネルギーに含まれている未知の因子である。このディファレーター因子は、生物に恐るべき突然変異を起こす事が分かっており、光の国の住人が、今の姿になったのも、これが原因とされている。その理由は諸説あるが、はっきりとした理由は分かっていなかった。

「(兎に角、夜を待つか)」

そう言うと、龍星は昼寝を開始した。





PM22:00 遠見市 市街地

龍星は、犯行時刻と思われる夜中を重点的にパトロールを開始した。勿論、車ではなく徒歩である。

「ここもクリア。だが・・・おかしい、なんだこの静けさは・・・」

そう言いながら、龍星は次のエリアに行こうとした、その時だった。

「!!」

突如、鋭い悪寒が彼を襲った。龍星はホルスターからトライガーショットを抜き出し、左手にサバイバルナイフを構えると、すぐさま物陰に隠れた。

「(やれやれ・・・どうせ隠れるならダンボールは欲しかったな)」

悪寒は近づいていき、遂にその姿を露わにした。


それは、地球のどの生物にも当てはまらない異形

それは、ヒトの恐れをエネルギーにするもの

それは、無差別に命を喰らうもの

人はいつしかそれを、こう呼んでいた


『スペースビースト』


「ちっ!これで犯人がはっきりした。嫌、犯獣かな?」

美味いジョークを言ったつもりだが、ビーストには通用しない。逆に向ってきた。

「このサイズなら楽に殺せる。ファイエル!(撃て)」