二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

同じ夢を持つあなたと

INDEX|6ページ/6ページ|

前のページ
 

第3章 変化と困惑そして吃驚仰天の学校





 目が覚める。普段と変わらない時間。朝の冷え込みはやっぱり苦手だが、起き上がり眼鏡をかけてとりあえず洗面所に向かおうとする。部屋を出る前に机に置いた小説大賞が目に映る。昨日のことが一気に頭の中を巡り、思考を一気にクリアにさせる。本当に夢ではなかったと安心してしまった。こんなにも朝から落ち着いていられるのはいつぶりだろう。そんなことを考えながらいつものように学校に向かう準備をする。今日も短縮授業で授業という授業はなく、午前中には終わるのだが一応、登校する。

 一度、携帯電話を確認する。彼からメールが来てないか少し気になってしまった。というのも、実際問題、彼氏彼女になったからと言って何が変わるのか分からず、ついクラスメイトの会話で聞いたことのあるおはようメールなるものが来るようになるのか気になったからだ。もちろんメールは来ていなかった。もし彼がメールを送ろうか迷っていたらと考えたらおかしく思えた。どうせなら…と一念発起ではないがこちらからメールを送ってみることにした。思いのほかドキドキしてしまい文章が上手くかけない。打った文章を打っては消し、打っては消しを繰り返し、結局のところ、


 『おはよう。今日も一日頑張りましょう。

  そういえば…

  今日は学校終わりは何か予定あるのかしら?』



 携帯画面と睨めっこすること10分弱。あんなに時間をかけたのに、我ながらなんとも硬い文章しか書けないことについため息が出てしまう。それにこんなにメールで肩がこるとは思わなかった。朝食を食べ、お皿を片付けた後、学校に向かう。

 玄関を出た時に携帯電話が震えるのを感じ、メールの受信を確認する。彼からだった。自然と頬が緩んでしまい、一緒に家を出る準備をしていた母にどうしたの、と聞かれ慌ててなんでもないと答える。先に家を出発し、メールを見ながら歩く。



 『おはようございます!

  えっと、学校終わりは特別何もないですよ。

  よかったらどこか出掛けますか??』


 
 寒いはずの冬が、まったくもって寒く感じなくなる。それどころか熱いくらいだ。学校終わりに待ち合わせしましょう、とメールをすぐに返信する。こんなにも返信が待ち遠しいのは生まれて初めてだった。初めての気持ちと喜びに私は浮かれていた。つい、足取りも軽くなる。ああ、早く学校に付けばいいのに。逸る気持ちを抑えながら私は学校に向かうのだった。


 だが、この時、私は学校では大変なことになっているなんて思いも知らなかったのだ。











 学校に近づくにつれ、生徒の数が増えてくる。生徒の中には挨拶をしてくれる生徒がいて、返事を返す。校門をくぐり、下駄箱で靴を履きかえ自分の教室に向かうが、なにやら違和感のようなものを感じた。下駄箱から人によく見られている気がしたのだ。周りを見渡すとなにやらこちらを見ている生徒が数多く見られ、ネクタイの色から特に2・3年生には見られている気がした。


 (なにかしら…一体…)


 さすがに人の顔をじっと見られると何かあるのでは、と思ってしまう。つい鏡で自分の姿を確認するが特に変な所はない。気にしていても仕方がない、と早足で教室に向かうが後方から誰かが走ってくる音が聞こえた。もう生徒会長ではないのだがつい注意をしてしまう。


 「こら!!廊下は走らな…キャッ!!」


 注意をし終える前になにかに思いっきりタックルをされた。周りの生徒が何事かとどよめく中、タックルをしてきた人物を確認する。するとそこには文芸部の後輩の吉成さんと和泉さんが慌てた様子で立っていた。


 「ど…どうしたの、あなた達!!」


 走っていたことを注意するのを忘れ、何事かと慌てて聞く。しかもここは3年生の教室のある階で2年生が朝からいるのは不自然だった。息を切らしながら二人が同時に顔をあげ、真剣な表情で、さらに同時に口を開く。すべての行動がシンクロしていた。


 「「琴塚先輩!!大八木君と付き合ってるって本当ですか!!??!?」」


 「なっ!!!!!!」


 彼女らの声が廊下中に響き、一気に顔に血が上る。熱い。恥ずかしさやらなんやらでとにかく熱い。周りの視線が一気に集まり、さらには教室から声を聞きつけた生徒までが出てきてしまった。その中には明野や矢来もおり、まるで夢でも見ているかのように口をあけたままキョトンとしていた。焦ってしまう、昨日の今日で一気にバレてしまった。どうして彼女たちがそのことを知っているのか、情報源は私以外には彼しかいないのだが彼がそんな翌日に言うとは思えなかった。慌てる中でそれだけは確信が持てた。つまり、昨日のあの状況をここの生徒の誰かに見られていたのだった。



 「「本当なんですか!!??先輩っ!!」」


 「ちょ、ちょっと待ちなさい!!一体、それをどこで…」



 どよめきが広まり、収拾がつかなくなってしまった。しかも墓穴を掘ってしまった。何を言っているのか、と言えば誤魔化しは利いたのだが、慌てていて、つい普通に答えそうになってしまった。とりあえず二人を引き離し、来なさい、と小さく伝えるとその場を全力で離れた。生徒を避け、騒ぎを聞きつけた教師が来ないうちに、とりあえず寒いが屋上まで全力で走った。扉を閉め、ほかの生徒が来ないように扉を背にして二人と向かい合った。そして気になる真相を問いただした。



 「あ、あなた達!一体、大八木君とのことをどこで聞いたの!!?」


 「「キャー!やっぱり本当なんですねー!!」」


 先ほどからまるで双子のように二人の行動と言動がシンクロする。きゃっきゃと燥ぎながらこちらの質問に答えようとしない。というか聞いていない。ついイラっとしてしまう。


 「あなたたち…」


 「「は、はひっ!!」」


 「どこで知ったのか、知りたいのだけれど…??」


 声のトーンを落として再び問う。ズルい手だとは思うが今はこの方法が一番手っ取り早かった。効果は絶大で二人は大人しくなり、吉成さんのほうが先に口を開き、真相を教えてくれた。


 「あ、あの、今朝というかついさっきなんですけど、大八木君の教室がすごく騒がしくて、つい気になって見に行ったんです。」


 「そしたらそしたら!大八木君はいなかったんですけど江戸川君がいて、話してたんです!!」


 「「大八木君と琴塚先輩がまるで恋人みたいに二人で並んで帰るのを見た!!って!!しかも別れ際には仲良く手を振りあってたって!!今、2年生の教室はパニックですよ!!明野先輩のこととか、同級生だったら蒔田さんとか!!蒔田さんなんか魂抜けかけてましたよ!!」」



 「」
 
  






 


 

 
作品名:同じ夢を持つあなたと 作家名:はるかす