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コンビニ店員の俺と本田さんと各国の人々。1~21まとめ

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めりくりあけおめ!今年もよろしくお願いします。




「お前、ところでクリぼっち?」

どこでそんな、期間限定流行りの日本語覚えてきたんだ?…レジを打つ手を止め、顔を上げればニコニコと上機嫌な顔のうさぎさん。俺はレジを再開する。
「…ですけど、クリスマスも俺はバイトですよ」
「バイト、何時からよ?」
「午前零時から」
「なら、時間あるな。じゃあ、お前、参加な」
オイオイ、俺の都合はまるっと無視して何、勝手に決めてるんスか。
「参加って、何に参加何ですか?」
「クリスマスパーティだよ。今年は菊ん家でやるんだ。皆、来るし、お前も来るよな?」
皆、来るのか。なら、顔ぐらい出した方がいいのか。…それにしても、各国のと皆様方と仲良くなったな。俺。
「パーティは何時からですか?」
「三時から、飲み食いするぞ。参加料は花見んときと一緒で食い物か飲み物を持参な」
「解りました」
頷く。また、あの美味しい多国籍の料理の数々が味わえるのか。花見のときのことを思い出し、唾液がじんわりと滲んだ。
「んでな、俺様、おはぎがいいぜー」
「季節外れじゃないですか。…って、さり気に指定ですか」
何気に持参品に注文が入る。エコバックに商品を詰めつつそう言えば、うさぎさんは口を尖らせた。
「ケーキはよ、ヴェストがシュトーレン焼くって言ってたし、フランシスも何か作るって言ってたしな。アントーニョはしこたまチュロス持ってくるだろうし、…あ、アーサーのスコーンとアルフレッドの青いケーキはお断りだけどな。足りないのは和のスイーツだろ?」
「ルートヴィッヒさんとフランシスさんのケーキは楽しみですけど、アーサーさんとアルフレッドさんのは同意です。でも、クリスマスにあんこは激しくミスマッチな気がするんですけど」
「いいじゃん。あんこ最高!あんここそが日本の甘味だろ!…だから、おはぎにしろ。無理ならどら焼きで勘弁してやる。羊羹でもいいぜ!」
「自分が食べたいだけじゃないですか。…でもまあ、善処しときますよ。234円のお返しです」
うさぎさん、羊羹、まだブームなのか。…いっそ、羊羹、生クリームでデコってやろうかと思うが、想像したら胸焼けがした。…うさぎさんにお釣りを返す。
「じゃ、24日三時に菊ん家に集合な!遅刻すんなよ!」
彼女いない、クリスマスは家族とバイトノルマのケーキを食う予定だった俺に、こうして予定が入り、それはまあ、思い出に残るクリスマスとなった。そして、慌ただしく、大晦日がやってきた。勿論、俺はその日もバイトである。大晦日は地方から来てるバイトの子が帰郷してしまう為に人手は足りなくなるが、まあ、そんなに忙しくはない。忙しくなるのはいつもは暇な一時から。初詣帰りの客が温かい飲み物と食べ物を、まあ、ちょっと小腹を満たすためにやって来るのだ。補充をコマメにしないと、直ぐに飲み物も肉まんとかも切らしてしまう。欠伸を噛み殺す暇もなく働いて、一息入った頃、本日の労働も終了。俺と交代で入ってきたバイト仲間と新年の挨拶を交わし、店長のポケットマネーから年末年始手当なお年玉を頂き、店を出る。外はまだ暗く、吐く息は白い。マフラーを締め直し、ニット帽をかぶり直したところで、肩を叩かれた。

「ひゃ!」

驚いて、飛び上がる。振り返ればニヨニヨ顔のうさぎさんとその御一行。本田さんがにっこりと笑った。
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します」
「Porsit Neujiahr!今年もよろしくな!」
「Porsit Neujiahr 兄さんが世話になった。今年も何かと兄さんがお前に迷惑を掛けるだろうが、よろしく頼む」
「Bonne Annee!今年もお兄さんをよろしくね♪」
「!Feliz Ano Nuevo!親分もよろしくやで〜。あ、腹減ってへん?チュロスあるで、食うか?」
「A Happy New Year!今年もよろしくなんだぞ!」
「A Happy New Year …去年は世話になったな。…ってか、別に今年も仲良くしたいわけじゃなんだからな!」
本田さんの丁寧な挨拶にこちらこそとなりつつ、うさぎさんの凄く楽しそうな悪いイイ顔にムキムキさんが何気にフォローに入る。元旦早々からさり気にセクハラしないでくれませんか、髭さん。親分さんにチュロスを握らされ、ハンバーガー君に肩をバシバシ叩かれ、ちょっと痛い。眉毛さんのツンデレに苦笑い、各国語での新年の挨拶に、俺も挨拶を返す。
「あけましておめでとうございます。昨年は色々とお世話になりました。今年もよろしくお願いします。…で、皆さん揃って、何事ですか?」
初詣帰りの客らしい人々が遠巻きに俺らを眺めつつ、通りすぎていく。背の高い外国人集団に囲まれて、凄い目立ってるし。
「初詣行って、初日の出見に行くぞ。んで、大晦日もバイトな勤労なお前を労いつつ、連れて行くかって話になったんで、迎えに来た」
「…そうですか」
さっさと帰って、雑煮食って、爆睡。寝正月万歳!するつもりでいたのだが、早くも予定は瓦解した。何か、眠気も吹っ飛んだし、…ま、いっか。ぞろぞろと俺たちは神社へと移動する。

「…皆さん、羽織、袴ですね。どうしたんですか?」

由緒正しき、日本の礼装に身を固めた御一行は本当に目立つ。何か、普段着な俺だけがこのメンツの中で浮いている。
「菊に頼んで、揃えて貰ったんだぞ!」
「日本の由緒正しき、お正月を満喫されたいと言われて、サイズ探すの大変でしたよ。本当に」
「そうでしょうね。でも、皆、似あってますよ」
「お兄さんは何、着ても似合うからねー」
「キモノは何というか、身が引き締まるな」
「でも、ちょっと苦しんだぞ」
わいわいがやがや、他愛のない会話を交わしてるうちに神社に到着する。まだ五時過ぎと言う時間帯の所為か、人は多くはない。列に並ぶが、うさぎさんとハンバーガー君が挙動不審気味にきょろきょろと忙しい。それをムキムキさんが左手にうさぎさん、右手にハンバーガー君で制御している。
「あれ、美味そう!買ってもいいか?」
イカ焼きの匂いに鼻をひく付かせ、うさぎさんが言うが、にべなくムキムキさんに却下される。
「駄目だ。帰ったら、朝飯だろう。我慢しろ」
「射的があるんだぞ!ギル、勝負だ!!」
「後にしろ。兄さんも乗り気になるな。ふたりとも、サンパイが終わるまで大人しくしてろ!」
…やんちゃな子ども(実際にはいい年した大人だけどな)に手を焼かされるお父さんみたいだな、…ムキムキさん。苦労が忍ばれるよ。…列は進み、俺らの番になる。本田さんが参拝の仕方を皆に説明し始める。
「姿勢を正して、賽銭箱に事前にお渡しした小銭を奉納してください。鈴は乱暴に鳴らしてはいけませんよ。軽く紐を振る程度です。もう一度姿勢を正します。90度の礼で、二回拝みます。胸の前で二回、拍手をします。手を合わせたまま、今年一年、自分への誓い神様に立ててください。そして、もう一度90度の礼で、一回拝みます。説明が解らなかったら、私の真似をしてくださいね」