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ライフゴーズオン

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大阪ストラット


はい宝多。おお皐月はん、珍しいこともあるもんやで。なんやワシの女になりたくて電話してき……なんや人がボケとる最中にきっぱり断んのやめてえや。傷つくわあホンマ。会話いうんは心のキャッチボールやろ。え、キャッチボールする気は毛頭ない? 完全拒絶か。まあ、そんなこと言われるとますます燃えるけどな。
――へえへえ、あの件な。参ったであれには。ウチが美木杉はんと話つける前にそっちで根回しするんは予想の範囲内やったけど、まさか黄長瀬が籍置いてる院の学校法人ごと肝心の研究施設買い取るなんてな。新機軸に期待して紡績部門につぎ込んだなけなしの資金も全部パアや。恨むで皐月はん。おかげで金歯売って銀歯に替えなあかんように、ってツッコミ早っ。ハイハイ嘘ですよー。
まあ真面目な話がやな、この間アンタとこの会社で送ってきた話、確かにウチとしても願ったりかなったりや。ウチが造船で培ってきた重工業の技術開発にアンタとこが資金提供してくれる、逆にREVOCS社の関西での小売部門を宝多グループに委託、とな。小売なら任しとき、なにしろ大阪のオバちゃんいうきっつーい顧客に鍛えられとるからな、ノウハウはバッチリやで。しかしなんだって重工業に手出そうなんて考えはったん? 門外漢もええとこちゃうの? 死の商人にでもなる気か?
『COVERSはまた現れる』? 鬼龍院羅暁が死に際にそう言うたんか。妹さんが聞いた? ほほーん。
――なるほどな、そら対生命戦維に特化した技術を発展させやなあかん事情としちゃ十分やな。道頓堀ロボもアンタとこのびっくりどっきり三ツ星連中の足引っ張らん程度には善戦してんやろ? こっち側で生命戦維がもう使えない以上、武器で備えんことにはしゃあないからな。もちろんなんやったっけアンタとこのアレ、QQQのQ太郎? 違った、急急救命吸引具な、あれのデータは提供してや。効率化なり大型化なり試す余地はあるで。
……うわ、初めて皐月はんから感謝の言葉なんか聞いたわ。大丈夫なん、そっち大雪降ってんちゃうの? こんな季節に雪は降らないって、いや、そこは真面目に返されても。
まあそんなわけや、今度また大阪来てや。お嬢様のお口に合うかわからんけど、たこ焼きぎょうさんご馳走するで。え、妹と一緒に食うたことある? いやあかん、東京のたこ焼きで満足しとったらあかんぞ。あ、妹と食べるたこ焼きならどこのでもおいしい? っかー、ほんならもう妹さんも一緒に連れて来ったらええがな。かめへんかめへん。両手に花で踏ん反りかえってひっかけ橋歩いたるっちゅうねん。はいはい、期待せんと待ってるわ。

作品名:ライフゴーズオン 作家名:河口