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敵中横断二九六千光年2 ゴルディオンの結び目

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対艦ビーム砲台



対艦ビーム砲こそが、宇宙の戦いで勝敗を決める最も重要な兵器である。つまるところ、〈ヤマト〉が持つ三基九門の主連装砲塔も強力な対艦ビーム砲台なのだ。主砲の威力が高いがゆえに、〈ヤマト〉は敵ガミラス艦をバンバン沈めることができると考えられている。

大艦巨砲主義こそが、宇宙の戦いの基本だった。強いビームを持つ側が、常に相手の優位に立つ。これについては、予(かね)てより地球の方が優っていた。沖田のかつての乗艦〈きりしま〉も、ガミラスのどの船より強い砲を持っていたため、〈メ号作戦〉からもどうにか生きて帰ってこれたのだ。

ガミラスは波動技術を持つ一方で、多くの点で地球に劣る。地球の船より強力な対艦ビーム搭載艦を造れぬのだから、波動砲も造れぬのだろう――などとよく言われている。妙な話だがしかし事実でもあるのだろう。やつらを見ればどうもそうとしか思えないのだ。

だが、事実のすべてでもない。

「『ガミラスに強い砲が造れない』と言うのはあくまでも艦載用に限っての話です」新見が言った。「船に積める最大のものでも、地球の〈きりしま〉に劣っていた、と言うだけです。地面に固定されるものなら、極めて強力なビーム砲も保持しているとみるべきでしょう。敵は地球の戦艦が万一近づくときに備えて、必ずそれをどこかに設置しているはずです」

「〈ヤマト〉の装甲も一撃で貫くほどのものだと言うの?」

森が言った。戦闘ではレーダー手となる森は、敵が撃ってくるならば素早く探知せねばならない立場だ。

新見が応えて、「そうでしょう。その程度の科学力はやはり持っているはずです」

「しかしだ。逆に言えばだな」と、真田はそれまで黙っていたのが口を開いて言った。「その罠さえ破れたならば、この戦いに勝てる望みが高くなると言うことだ。ここからはわたしが説明する」

立体画の映像を変える。冥王星の脇にもうひとつ、大きさが半分ほどの星が立体投影された。

「カロン」と言った。「対艦ビーム砲台を敵が置いているとすれば、可能性が最も高いのはここだ」