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同調率99%の少女(3) - 鎮守府Aの物語

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--- 0 初の合同の出撃任務



 那珂にとって最初の出撃任務からしばらく経った後、鎮守府Aにとって初めて他の鎮守府との合同出撃が発生した。といっても対等な参加ではなく、あくまでその鎮守府の艦隊の支援という立ち位置だ。隣の担当海域の鎮守府との合同で、日本本土から少し離れた、どこの鎮守府の担当でもない海域に集結しているとされる深海凄艦の集団の撃破だ。この任務は西脇提督が隣の鎮守府に掛けあって実現した。


 艦娘の出撃任務の別のパターンは、大本営から発せられる内容による出撃任務である。
 この任務の場合、学生艦娘はその艦隊に職業艦娘が入っていないと、中規模以上の任務にはつけないようになっている。(この場合の職業艦娘は、部の顧問たる先生でなくともよい)
 その理由は、大本営からの任務の場合しばしば日本本土を離れた海域への本気の出撃になるからだ。学校側は、その出撃に関して責任をきちんと負えると証明できる立場の人間(この場合は職業艦娘)がいないことには生徒の身の安全を委任できないとしているためだ。
 なお、普通の艦娘はこの種の制限は一切ない。

 今回は東京都からの依頼ということで、中規模だが国からの依頼ではないため職業艦娘等の諸々の制限はなく、当初から考えていたメンバーで参加することができる。旗艦五月雨、時雨、夕立、村雨、五十鈴、そして那珂の6人だ。
 隣の鎮守府からは吹雪、深雪、白雪、天龍、龍田、そして羽黒の6人。鎮守府Aの面々は初めて見るわけではないが、新鮮で珍しいと感じる、重巡洋艦の艦娘がいた。(なおその羽黒担当者は五月雨達の黒崎先生とはまったくの別人である)

 提督は作戦の草案時点では旗艦を那珂にと提案したが、那珂はそれを断った。他の鎮守府との合同ということなら秘書艦であり鎮守府の別の顔である五月雨を売り込むべきで、自分を売り込むべきではないという態度を崩さなかったからだ。
 その代わり那珂は五月雨に、自身が考えうる限りのサポートをすると約束した。五月雨が旗艦として実際にどれくらい実力を発揮するか知る由もないが、聡明な彼女のことだ。焦ってパニクってドジやらかさなければ、そつなくこなしてくれるだろうとふんでいた。
 なお、提督からは現場での指揮全権は五月雨と那珂に分担で委任された。


 目的の海域付近までは海上自衛隊から1隻の護衛艦が用意され、そこに両鎮守府からの艦娘計12人(と整備士など数人)が乗り込んで行くことになる。