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同調率99%の少女(3) - 鎮守府Aの物語

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 今回は合同任務であるため、鎮守府Aからの出撃ではなく、一旦海上自衛隊の基地へと集合する手はずになっている。那珂たちが所属する鎮守府Aから目的の海上自衛隊の基地までは車でスムーズに行けたとしても40〜50分かかる。普通なら1時間は超える。午前8時少し前、鎮守府Aの工廠前に6人+提督、工廠長が集まっている。
 提督は大きめの車を借りてみんなを送っていこうと提案したが、那珂や夕立、村雨は突飛な提案をして提督を困らせる。その提案とは次の内容である。

「てーとくさんてーとくさん!せっかくあたしたち艦娘なんだし、海自の基地まで海を進んで行きたいなぁ〜。」
 その提案に真っ先に乗ったのは、那珂と村雨であった。
「おぉ!夕立ちゃん。それいいねぇ〜なんか本格的に艦娘してる気分になれるね〜。」
「それいい〜!私はゆうの提案に乗るわ〜。」

 ノリノリな3人に対し、残りの3人、五月雨、五十鈴、時雨はテンションが低く乗り気でない。

「それ、どうなんでしょう。提督?」
 五月雨はチラリと提督を上目づかいで見上げる。旗艦である五月雨が心配する理由を提督は察している様子。
「あぁ。勝手に海自の港湾施設に艦娘が入って行くとめちゃくちゃ怒られる。というか、任務があるとはいえ無断入港は禁止。ヘタすると自衛隊と関係ない民間出身の提督の俺でも、首が飛ぶ。んで本業の会社にもめちゃ迷惑がかかる。」

「えーダメなの〜?じゃあ近くまでならいいでしょ?それもダメっぽい?」
 それに反論したのは時雨だ。
「近くまでって。僕達艦娘が上陸してただで済む場所ってあのへん無い気がするよ……。」
 時雨も五月雨・提督と同様の心配をしていた。それは五十鈴もだった。
「任務前に海自の人に怒られるようなことはいやよ?おとなしく提督に送って行ってもらいましょうよ。」


 提案した3人(主に夕立)はブーブー文句を垂れるが、提督の一言でおとなしくなる。
「どうせ行くなら現地まで俺が送って行って見送ったほうが君たちも安心できるだろ?せっかくの初めての合同任務なんだ。提督の俺にも最初くらいは雰囲気だけでも参加させてくれよ。」

 夕立の頭を撫でながら言った。そしておとなしくなった3人を含め、提督は借りてきたトラックに全員を促す。
「さ、せっかくトラックも借りてきたんだし、艤装運び出して乗ってくれ。」


 6人は整備士に手伝ってもらい、各自の艤装をトラックの荷台に乗せ、自分たちは提督の運転する車に乗った。なお、トラックは工廠長が運転し、提督の車に続く。