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同調率99%の少女(5) - 鎮守府Aの物語

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--- 8 見学(演習)



 訓練施設はおもに演習用のプールが大半を占めており、開閉する可動型の壁で仕切られた隣には空母艦娘用の艦載機の発射練習場がある。この2つはすべての鎮守府に設置が義務付けられており、鎮守府Aでも所属人数や本館の大きさに似合わぬしっかりとした設備が用意されている。
 ……が、艦載機の発射練習場は工事中である。また、鎮守府Aでは通常の演習用プールと空母艦娘用の施設は共用であり、壁を外せば一つの巨大なプールとなる。最優先に建設されたのは通常の演習用プール側だ。
 演習用プールは出撃用水路と同様に、工廠あるいは外から演習用水路が用意されている。演習する者はその水路から発進してプールへと入る。これは義務ではなく、あくまで出撃時と同様の雰囲気を味わうための設備であって、艤装が持ち運べる艦娘であれば、直接に演習用プールに行ってもかまわないことになっている。

 再び工廠に入って再び艤装を装着する那珂と、その日初めて艤装を装着する五月雨と村雨。那珂は一度外した艤装をまた装着しなければいけないその段取りの悪さにやや不満を抱いていた。
「またつけなきゃいけないのかぁ〜。ねぇ明石さん。どうせ艤装つけなきゃいけないならさっき艤装外す前に言ってよ〜。」
「ゴメンねー。提督とも演習しようねって前に話してたんだけど、相手をどうするかまでは決めてなくてね。とりあえず五月雨ちゃんにとしたんだけど。まぁその場で決めたからちょっと段取り悪くなっちゃったわね。」
 正直に言って謝る明石。
「私達こそゴメンなさい……。ホントならもっと早く来て提督と打ち合わせできてればよかったんですけど学校の用事があったので。それに私も本当にやるとは思ってなくて気が抜けてました〜。」
 別に五月雨のせいだとは誰も思っていなかったが、五月雨が謝ってきたことで全員苦笑するしかなかった。
「ま、いいよいいよ。」
 艤装の装着がいち早く終わった那珂は五月雨を慰め代わりの一言をかけた。そしてこれから始める演習に対して五月雨たちに発破をかけた。
「さぁ、やるからにはうちの学校の人たちにちゃんと見せられる演習にしないとね。本気であたしにかかってきていいからね。」
 続いて艤装の装着が終わった五月雨・村雨も意気込みを見せた。
「はい!よろしくお願いします!」
「はい!負けませんよぉ〜」