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なかのあずま
なかのあずま
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機動戦士Oガンダム

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第0話 闇のニュータイプ



「逃がすな!ぜったいに捕えろ!」
 ダイアズ・スーンはコックピットのディスプレイに映るスペースデブリの光景に恐怖した。デブリの影から来る粒子が、いつこの身を焼くともわからないからだ。
 モビルスーツ ガルスFを駆り、分隊を率いてはいるが、宇海に逃げた魚を捉えるのは至難の業である。
 モビルスーツの索敵レーダーはミノフスキー粒子の妨害により最早意味をなしていない。そんな状況下でデブリ群の中にいれば、目視での戦闘すら困難なのは想像に難くない。
 『ファンネルッ!』
 死と隣り合わせからか、そのような幻聴が聴こえた瞬間、ガルスFの四肢は粒子に断絶され、コックピットのモニター正面には粒子の発射口が映っていた。
 「え・・・?」
 それが何かを認識する前に光がコックピット内を満たし、ダイアズの意識は肉体と共に蒸発した。
                    ≠
「はぁっはぁっ」
 膨れ上がった様な上半身とその割にアンバランスな細い脚、そしてそれが25メートルもあれば並みのモビルスーツではないのは一目瞭然だろう。
  プロトタイプ・キュベレイ
 それがターゲットであるモビルスーツの名称だ。それを操るのは
 ≪パトリシア!≫と呼ばれる女
≪なにも怖くないから!帰っておいで!≫という声もミノフスキー散布下では彼女には届いていない。
 「推進剤がもうない・・・ここまでかな・・・」
 希望は尽き、彼女の逃走劇はここで終わりを告げる
かと思われたとき
「あれは・・・」
彼女の目には希望が映っていた。
「補給・・・艦・・・?」

                    ≠

 人が、宙に人工の島を作り半世紀以上もの時が流れた。かつて宇宙に想いを馳せた人々は時に『人類の進歩と調和』などと謳ったこともあったが、宇宙に進出した彼らにはまだまだ遠い未来のことだった。

 宇宙世紀0079、地球から最も遠く離れた宇宙都市サイド3はザビ家の下、ジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んだ。その戦いは後に一年戦争と呼ばれ、地球に住むアースノイド、地球外の月面都市やスペースコロニーに住むスペースノイドの総人 口の約半数を死に至らしめ、ジオン公国の敗北で幕を閉じた。
 その後も、ジオン残党軍が度々地球連邦政府へ戦いを挑み、無惨に散っていった。
 これを見かねた連邦政府は『ジオン残党狩り』を名目とした精鋭特殊部隊『ティターンズ』を設立。
 しかしその実態は、毒ガスなどを用いてスペースノイドを統率する無秩序なものであった。これに対し地球連邦軍准将ブレックス・フォーラが反ティターンズ、並びに反地球連邦組織『エゥーゴ』を立ち上げ、ジオンの敗北から7年、地球圏は連邦軍内部の戦争へ突入した。
 その間もジオン残党はザビ家の忘れ形見、ミネバ・ラオ・ザビを掲げ、マハラジャ・カーンのもと勢力を拡大させていた。
 やがてマハラジャが没し、娘のハマーン・カーンが実権を握ると、ジオン公国残党は『アクシズ』を名乗り、エゥーゴとティターンズの間に第三勢力として参入した。
 後に『グリプス戦役』と呼ばれるこの戦いは、最終的に三つ巴の戦いとなり、ティターンズの敗北という形で終結。
 アクシズは『ネオ・ジオン』と名を変え、地球連邦政府に再び戦いを挑もうとしていた。

 サイド0、かつて地球と月の間に位置し、宇宙開拓時にはシリンダー型、バナール型、トーラス型などと呼ばれる様々なタイプのスペースコロニーがここで試験運用されていた。
 その内の島一号バナール型と呼ばれる球体型のコロニー、カピラバストゥは開拓が進むにつれ次第に火星圏へと追いやられていき、人類の新たなる希望ともてはやされたことも今は昔、いつしかその存在は闇に葬られ、見捨てられたコロニーとなった。
 宇宙世紀0088、このコロニーは今や敗残兵や宇宙流刑者、漂流者の行き着く場所となり、ジオンの残党兵までもが流れ着いていた。
 或る男がいた。
 カーン・Jr.、アクシズ及びネオ・ジオン実質指導者であるハマーン・カーンの弟を名乗り、カピラバストゥ内部で密かにジオン残党勢力を集結させていた。