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なかのあずま
なかのあずま
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機動戦士Oガンダム

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第11話 アベニールをさがして



『ねえ…どこ行くの』
 お兄ちゃんがきてるの
『行っちゃだめ!』
 どうして?
『そっちにいったら…あなたは・・・』
 いいの、せっかくここまで来たんだから
『まって・・・まって・・・!!』「行っちゃダメぇっ!!!」
 パトリシアが目を覚ますと、そこにファナの姿はなく
『・・・行っちゃった―――――』彼女の目からは涙が流れていた。


 機械仕掛けの暗室で、ヴィルヘルムは眼下に広がる対伝説巨神用決戦兵器の開発ドックを見下ろしていた。
 モビルアーマー、もはや超巨大モビルスーツと言ってもいい機械の塊には、防弾チョッキのようにサイコファイバーが織り込まれた装甲が着々と取り付けられていた。
「スパイラル・コードは全てエラー・・・わかりました。ではこちらは破棄しましょう。」


宇宙世紀〇〇八八、十二月二十四日
 アリエス全域に敵勢力の接近を告げる警報が発せられた。
 ≪所属不明勢力がわが軍の新型戦艦を奪いこちらに向かっている。配置につき迎撃態勢をとれ!≫
 居住ブロックから軍事ブロックに向かう途中、キューベルは聞き覚えのある声に足を止めた。
「この声…ハマーン様の・・・!」
 シャアが木星へ発ってからヒトーリンもすでにいないアリエスで、総統の地位に着く人間といえば彼かもう一人
 「てっきりヴィルヘルムが指揮を執るかと思ったがな」
 「ただの操り人形かもしれねぇぜ」
 「それはないわ!だって彼は…」
 「すでに脳をいじられてるんだろ?いつあいつの手に堕ちたって」
 「と、とにかく行きましょ・・・・というか」キューベルの脳裏にファナとパトリシアの姿がよぎった。「あの二人どこに行ったのかしら」
 「え?知らないんですか?」<改ページ>
 「今朝二人の部屋に行ったけど・・・誰もいなかったの」
                    ≠
 「第一陣は先行して不明勢力を待ち伏せ、第二陣は一陣の後に続きゼーレーヴェ隊とR・P・D部隊はいつでも出撃できるよう配置しておけ!ハチカは命令があるまで待機!」
 ブラッド・ワインスタインは、今もなおカーン・ジュニアとして総司令の地位に着いていた。
 ≪やぁ、中々うまくやっているじゃないか。≫
 唐突に、温度の感じられない声が鼓膜をついた。≪失敗作だと思っていたが、ハマーン・カーンの記憶は君にいい副作用をもたらしたようだ。≫
「・・・・・・えぇ」
≪もう少しだけ、持ち場を頼むよ。テスカトリポカの最終調整がまだかかるからね。≫
 「・・・・・わかりました、兄さん」
アリエスから、十機のグランド・ザックを筆頭に第一陣が迎撃へ向かった。

                    ≠

 スクリーンに赤い星が映し出されるほどまでに、エスタンジアは目的地に差し掛かっていた。
 マイクロ・アーガマ、今ではエスタンジアの所有物であるこの艦に少しの間、あるべき姿が戻っていた。艦長であるジョブ・ジョン、オペレーターのオスカとマーカーを始めとするマイクロ・アーガマ艦乗組員の姿があった。
 「これより作戦が始まる。流れに乗って来てしまった我々に、意味のある戦いではない
 だからどうか生き延びてほしい
再びこの場に集まることを誓って・・・マイクロ・アーガマ隊、解散!」
 ジョブ・ジョンの声が行きわたる空間には、彼の言葉を外部へと流す機具が仕掛けられていた。アドルフはただ一人、艦隊のしんがりを務めるサイコミュ搭載新型戦艦ケツァルコアトルの中で、奥歯を食いしばった。


 全方位ダイヤ型に展開した艦隊の隊列の中心をバレンドラ艦が務め、アドルフの腹心であるヨゼフが艦長の座に就いて指揮を執っていた。
 ≪熱源接近、機影は・・・≫宇宙塵も捉えているレーダーに前方から来る五つの機影が目立つ。
 「ミノフスキーの影響が出始めている、慎重に行け」<改ページ>
 マイクロ・アーガマ艦はバレンドラ艦とケツァルコアトルの間に位置し、乗組員たちは再びバレンドラに捕らえられていた。
 先鋒艦マゼラン改級タカナミ(エスタンジア特別仕様)から二機のザクフリッパーと五機のネモ強襲型が出撃
 「こ、これは・・・うわぁっ!」
 赤い星を目前にした真空の闇に、青い閃光が迸る。≪海蛇です!ウミヘビが張り巡らされています!!≫
 宇宙ゴミに混じって設置されたワイヤーから広がるプラズマが合図となり、艦隊前列を囲むように起動した敵機の集中砲火が始まった。
 「既に瓦礫に混じっていたか・・・第二陣、出撃!」
 第二警戒隊とムサイ改級のクロシオ、オヤシオなどの駆逐隊からジム?、マラサイ改から編成された二十機、ガンキャノン・ディテクター、ザク?から編成された十五機が出撃した。
                    ≠
 アリエス第二陣に出撃命令が下り、五隻のムサイ改級から頭部と下腹部から長い角のようなものが生えた三日月のようなシルエットのキタラが五機、両肩のシールドにより丸みを帯びたシルエットのヌバフォック、二十五機が蜂の巣をつついたようにズワァッと展開した。
                    ≠
 エスタンジア艦隊を取り囲むように姿を現したグランド・ザックに対し、キャタピラの代わりに巨大なバーニアとメガ粒子キャノンを装備した高機動宇宙戦特化型ガンタンク十機で編成された砲撃隊が円状に展開していた。
 そして、艦隊前方では
 「何だあの機体は・・・・」
 ジム?の全天周モニターが、海蛇から逃れたネモ強襲型が敵新型モビルスーツ、キタラの展開したビームの刃に溶断される様を映す。
 三日月に手足が生えたようなモビルスーツは、自らの前面に展開したビームの刃により半月型になっていた。そして手足を折りたたむと、狙いをこちらに切り替え弾丸の如く迫ってきた!
 「クソッ」ビームライフルを放つも、キタラは機体を回転させビームの刃で粒子の弾を弾いた。「そっちが刃物で来るなら・・・!」
 ジム?はビームサーベルを構え、弧を描くようにキタラの側面へ迫る。しかし
 「なっ!?」別のモビルスーツがモニターの下からぬるっと現れ「・・・ガスマスク」
彼はヌバフォックのビームダガーに焼かれた。
 丸いヘルメットにゴーグル状のデュアルアイと円形ラジエーターのついた頭部はガスマスクを思わせた。<改ページ>
 ずんぐりとした黒いボディにビーム・マシンガンやショットライフルを構えたその姿は、もはや生身の人間が重武装しているだけのように見える。しかし、18メートルの巨体をみれば、やはりモビルスーツなのだ。
 ジム?とマラサイ改はキタラとヌバフォックの猛威の前に次々と倒れていった。
 「後衛迎撃隊出撃、ジム?、マラサイ改は艦隊周辺の処理に迎え。砲撃隊とガンキャノン、ザク?は前方に集中、マイクロ・アーガマ隊を前衛に出撃させろ」


 バレンドラのカタパルトデッキで、出撃の時を迎えたマイクロ・アーガマ隊をオリガが送り出していた。
 ≪ジム・セークヴァはほかの機体のパーツを流用してなんとか改修しといたわ≫
「お〜サンキュー。んじゃあニロン・アラダール、ジム・セークヴァ、行ってきます」