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なかのあずま
なかのあずま
novelistID. 54195
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機動戦士Oガンダム

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 「じゃあ、行ってくる」≪まって、傷はどう?≫「痛みならもうとっくに引いちまったよ」≪・・・・気をつけてね≫「あぁ、グラン・マックイーン、出る!」
 バレンドラから二機のジム・セークヴァリペアが戦域へと向かっていった。

 ≪Z Mk-?は可能な限り改造して機体の性能をあげておいたからやれると思う。
・・・タロのこと頼んだよ≫
 「うん・・・ありがとう
 クシナ・カーデンロイド…行きます!」
ZガンダムMk-?フルブーストが真空の闇へ飛び立った。

 ≪アウターは下手にいじれなかったからコックピットのカバーだけ変えといた≫
 オリガの言葉にタロは思わずこけそうになった。「は、はぁ…そうっすか」
 ≪血ぃついてたシートのまんまってのも気分悪いだろ?≫
 「わざわざ言わなくったって・・・気分悪くなってきた」
 ≪・・・・・あんたさぁ≫「はい?」≪抱かれたろ?≫

はぁ?!なんですか急に!」
 ≪抱いたのか?≫ <改ページ>
 「いや…それはぁ・・・」
 ≪今のあんた、なんか軽くてさぁ・・・まぁいいや≫息を吐くノイズがした。
 「そんなこと・・・あるわけないじゃないですか」
 ≪とにかく死ぬんじゃないよ≫≪がんばってください!≫オリガの奥からフィアの声が聞こえた。
 「・・・・はい!タロ・アサティ、アウター・ガンダム行きます!!」
 タロ・アサティとしての、最後の戦いが始まった。
                    ≠
 アリエス総合指令室にはレヴァハン・M・ヴィルヘルムが入室していた。
 「アウターガンダムは出てきたか?」
 何故その名が今出るのか、ヴィルヘルムがアリエス全域に影を落としてゆく。
 「いや、アウターがいるかは・・・」
 「なら餌を撒こう。イルダーマを出撃させなさい。」「餌・・・・?」
「そろそろデータを取ろう。」
 「・・・・・わかりました。ゼーレーヴェ隊発進、イルダーマ、全機後に続け」
 ブラッドの命でイルダーマが五十機解き放たれた。
 グランド・ザックをベースに開発されたものの、そのフォルムはガンダムタイプであった。変わったところと言えばリユース・サイコ・デバイス搭載機体であることと、眼が単一ということである。その中の一部に手と脚からだけでなく、脳からの電気信号も直接読み取って動かす特殊仕様の赤い機体もあった。
 「ハチカMk-?の出撃準備を指せておきなさい。テスカトリポカの準備ができ次第ともに出撃させます。」ヴィルヘルムが総合指令室からそう指示を送ると
 「これでニューロタイプ、ステロタイプへの革新が始まる」
彼の無機質な目が躍動していた。
 彼にとってこの戦場はあくまでもニュータイプの実験場でしかないのだ。それでもブラッド・ワインスタインは、まだ逆らわなかった。

 ゼーレーヴェ艦が戦闘宙域に差し掛かかり、キューベルが声をあげた。
「前方で戦闘を確認したわ、全機発進して!」
 ≪迫水新一、ガザY、出撃≫
 ≪エヴァ・アルバトロス、ガザX・・・出る≫
 ≪ギュンター!ガルヴァドス!行きますッ≫<改ページ>
 ≪東條、ヴェルデ・エア、行くぞ≫
 ゼーレーヴェ艦からモビルスーツが発進し、先行する迫水のガザX、エヴァのガザYの後方で、ギュンターの駆る漆黒の機体、ガルヴァドスがランスカクタスの柄を握った。
 再び、ゼーレーヴェ隊にアウターと邂逅の時が訪れた。
                    ≠
 「このぉっ!」
 出力を上げバーニアの数を増やしより高機動となったZ Mk-?の機体はニュータイプではない彼女の異常な集中力を十二分に補っていた。キタラの襲撃を直前でかわし、側面からビームサーベルを刺すほどまでに。
 「ビーム・コンフューズ!!」
 クシナはヌバフォックが数機固まっているところにビームサーベルを投げて狙い撃ち、粒子の拡散で彼らが怯んだ隙を突き急接近し、着実に撃破していった。

 ニロンとグランの駆るジム・セークヴァリペアは、ロングレンジプラズマライフルで防衛ラインに迫る敵機体を迎撃していた。
 「数が多いなぁくそったれが!」
その時、背後から強烈な光が瞬いた。「なんだ!?」
 即座にその方を確認すると先鋒艦マゼラン改級タカナミが二つの粒子に貫かれていた。さらに第二射がダイヤ状に展開した艦隊の外側を削り取ってゆく。一機はモビルアーマー形態としてX状になり腹部から、もう一機は閉じた脚部を一つの砲塔とし、メガ粒子を発射していた。
 ≪上方十時と二時の方向に敵機あり!迎撃に迎え!!≫
 G・ザック群を片付けた高機動宇宙戦特化型ガンタンクが下半身のバーニアを噴かし、二手に分かれ両ガザタイプに向かっていき、ニロンとグランも二手に分かれ後に続いた。


 マラサイ改のパイロット、ドミンゴは目の前の戦争をただ眺めていた。≪おい、何ボサッとしてんだ≫
 接触回線がザク?のパイロットより繋がった。
「いや、俺たち何をやってんのかなって・・・なんの意味があってこんな・・・」
≪…んなもん終わんなきゃわかんねぇよ、今は目の前に集中しろ≫
「・・・なぁ、一つ聞いていいか?」<改ページ>
≪あ?≫
「この戦いが終わったらどうするんだ?」
≪まぁ・・・とりあえず郷に帰って…≫
ザッというノイズを最後に声が消え、通信が途絶えた。
「・・・・・え?」
 ドミンゴがその方を見ると、ザク?のコックピットをランスが貫いており、漆黒の影の中から妖しく光るモノアイがこちらを見ていた。
 ランスの尖鋭な切っ先から流れるように太くなった剣身から、無数のビームの針がサボテンの様に突き出し、ザク?はパイロットの亡骸と共に無に還った。爆ぜるその姿はまるで、サボテンが花をつけているようだった。
 「う…ううううあああああああ!!!!!」
 絶叫と咆哮が入り混じった弾を乱射するも、漆黒の騎士はふわりと避け、ランスの無数の針でマラサイ改をドミンゴごと溶かした。
 さらに2機のザク?を鮮やかに葬ると、漆黒の騎士ガルヴァドスはガンキャノン・ディテクターの展開する防衛ラインに向かっていった。

 そんな中で、タロのニュータイプとしての感覚は、これまでにないほど研ぎ澄まされていた。リボーコロニー空域でエスタンジアと衝突した時のような、アウターの持つサイコファイバーの力に呑み込まれていくというよりは、溶け合い、同化してゆくような感覚だった。
 肉体としての意識が、神経が、アウターガンダムを動かす器として鮮明に澄みわたってゆく。
 それは、敵機を鮮やかに葬ると共に、死の一瞬の苦しみと魂が溶けてゆく感覚を刻み付けられる代償を払うことでもあった。


 ニロンは、ガザXの機動力に翻弄されていた。ジム・セークヴァリペアもそれほど劣っているわけではないが、主武装であるロングレンジプラズマライフルで戦うには距離が近すぎる、かといって遠くから狙えば優に躱されるだろう。メガ粒子を一発の弾としても発射できるガザXは遠距離だろうと近接距離だろうと関係がない。
 そんな相手への有効な一手を模索している間にも、高機動宇宙戦特化型ガンタンクが撃破されていた。
 「・・・・・・ま、これしかねぇか」
 ニロンはメガ粒子砲の真正面で、ライフルを構えた。