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月刊アメフト・インタビュー8をめぐるアレコレ

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栗田とムサシ





「栗田? 何ベソかいてるんだ?」
いつもよりやや早めに部室に来たムサシがドアを開けると、大きな背中を丸めて、しきりに目元をこすっている栗田と鉢合わせた。
他の部員はまだ登校していないようだ。ヒル魔も。
「あ、オハヨー、ムサシ」
栗田は鼻をすすりながらも、にっこりと微笑う。
「……どうした? 何かあったのか?」
重ねて問うと、栗田は「ううん」と首を振った。
そして、手にしていた雑誌をムサシに掲げて見せる。
それは、月刊アメフトの最新号。
「ここにね、この前ヒル魔が受けたインタビューが載ってるんだけど、それ見たら嬉しくなっちゃって……」
栗田が指し示すページを、どれ、とムサシも覗き込む。
質問は、
『あなたがアメフトをする理由はなんですか?』
それへのヒル魔の答えは……
『面白いから』
「……」
ムサシが顔を上げると、栗田の笑みにぶつかる。
「アメフトって、面白いよね?」
これ以上ないほどの笑みにつられて、ムサシも微笑う。
「ああ……そうだな」
面白いだけではなかった。それは栗田も、そしてヒル魔も同じはずだ。
わずか三人のスタート。そして途中はさらに二人になった。
悔しい思いも、やりきれない思いもさんざんしたはずだ。
それでも。
この、たった6文字で言い切ってしまうヒル魔。
ゆるがない。このゆるぎなさがあるからこそ、デビルバッツがあるのだと言える。
と、そこへ「おはよーございマース!」と、セナとモン太が到着する。
栗田は雑誌を両手で抱くようにして、ドタドタと二人に駆け寄る。
「ねえねえ! アメフトって面白いよね!?」
一体何事かと目を丸くする一年生二人は、それでもこっくりと深く頷いた。
そこで、栗田が雑誌を見せて、ムサシに言った事をそっくり繰り返しはじめる。
あいつ……部員全員に同じコトをするんだろうな……。
ムサシはそっと苦笑を浮かべる。
いずれ登場するヒル魔がどんな反応をするのか、ちょっと楽しみに思いながら。