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同調率99%の少女(7) - 鎮守府Aの物語

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--- 3 艦娘部設立準備



 鎮守府に行った翌日から那美恵は三千花、書記の二人とともに生徒会室で艦娘部設立および部員募集の紹介の企画を考えはじめた。せっかくやるのであれば大イベントよろしく開きたいところだが、那美恵たちはその規模も考える必要があった。どうせならまずは提督にも付き添ってもらって学校の皆に見てもらいたいという那美恵の考えに三千花らも賛同した。開始日は学校側と正式に契約を交わしに提督が高校を訪れる日を狙うことに決まった。
 提督が正式な契約を交わしに来るのは2週間後と那美恵は教えてもらっていたが、なぜそんなに期間が開くのか、那美恵は提督と教頭経由で校長に聞いてみた。

 学校側では艦娘部を通して保護者・責任者となって、提督と直接接触する代表としての顧問をなによりも優先して決めるのが、学生艦娘制度の学校提携の前提条件である(どの職業艦娘になるかは別として)。そのための準備期間なのだ。顧問となる教師は教頭と校長で選出する。
 なおこの取り決めは厳密なものではなく、高校側が鎮守府A、提督に願い出た一応の期間である。

 那美恵たちは部員集めに専念するようにお達しを受けており、当面は那美恵たちは顧問のことを気にせず自分たちのペースで宣伝・部員集めに集中することにした。


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 いくつか案が出ては消えていき、那美恵達の間で揉まれてアイデアが形作られていく。そうして最終的に4人全員納得した企画は、那美恵のこれまでの経験を説明したミニ企画展を開き、興味を持った人には川内の艤装で同調のチェックを案内するというものであった。

 生徒会室での打合せの最中。
「なんか文化祭の展示考えてるみたいっすね。」
「同じようなものだと思いますけどね。」
 三戸が一言思ったことを述べると、それに和子が相槌を打って感想を言った。

「この案、占いの館みたいなそんな感じもするよね〜。」と那美恵。
「あ、それあるっすね!」
 三戸はノリノリで那美恵の感想に乗る。

「いっそのこと相性占いみたいにして艤装でビビッと来たらてきとーなこといい並べて占いにしちゃおっか? 占い師役はぁ〜、恥ずかしい思いして81%でめでたく川内に合格してたみっちゃ」
 自身の恥ずかしい経験に触れた悪ふざけアイデアを止めるべく、那美恵が言い終わる前に三千花は顔を赤らめながら彼女の両頬をひっぱった。

「な〜み〜え〜! そういうこと言うんだったら91.25%で夢はアイドルのあんたがやりなさいよぉ……!」
「いひゃい!ほめん!ほめん!みっひゃん!(痛い!ごめん!ごめん!みっちゃん!)」
 ギャグアニメよろしくパチンと音が鳴るかのような頬つねりの手離し方をして、三千花は那美恵を叱り、そっぽを向いてしまった。


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 ヒリヒリする頬を撫でながら涙目の那美恵はまとめに入る。
「じゃあこの内容でやろ!使う部屋は……どこがいいかな?」
「この生徒会室でいいんじゃないっすか?」
「うーん。それだと生徒会的に見られたりいじられたらまずいものもあるから止めたほうがいいと思う。」
 那美恵の質問に提案した三戸を、和子が的確な指摘をして考えなおさせる。

「それじゃあ視聴覚室とか借りますか?」
 次の案として三戸が口にしたことに、那美恵たちは好印象を示し始めた。
「それだ!それだよ三戸くん!」
「視聴覚室か、なるほどね。もしそこが無理でも生徒会権限で借りられる別室でもいいわね。毛内さん。生徒会で借りられる部屋は何があるかすぐにわかる?」
「ちょっと待って下さい。……こことこことここです。」

 那美恵は三戸に賛同し、それを受けて三千花が和子に実際に使えそうな部屋の確認をさせる。和子が見せた、生徒会として借りられる部屋の情報は視聴覚室を含め4つだった。その後先生たちに相談をすると、放課後なら視聴覚室を生徒会として一定期間まとめて使ってもよいとのこと。那美恵はさっそく放課後の視聴覚室をしばらく生徒会権限で借りるようにした。


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 那美恵たちは4人で分担して展示の資料やパネル作成やネタ整理をする毎日を過ごすこととなった。その間でも、生徒会本来の仕事や授業の課題や宿題もあるため、さすがに忙しくて艦娘のほうは無理だと感じた那美恵はある日の学校の帰り道、こっそり提督に連絡する。
 すると提督は出撃任務や依頼任務は他の艦娘たちに割り振るので、そちらは存分に集中していいと言い、那美恵を労い励ます。言葉の最後には、展示楽しみにしているよとの一言も。携帯の画面越しではあったが、提督の真面目で余計な飾りのない素の優しさにグッとキた那美恵。心やすらぐ思いを感じつつも、その表情には頬がひくつくほどの喜びが隠しきれずに全面に表れていた。