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女体化ジルヴェスターの災難~養父と母と娘~

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養父と母と娘



 とある世界ーαーで異世界(平行世界含む)ーβー出身の魂が、α世界の魂と1つになる時。
 心、即ち人格はα世界で培ったモノが基盤となる。ただし、βが大人でαが自我の弱い子供だった場合は基盤はβとなる。
 αでもβでも魔力を持つ人物だった場合、世界の魔力相性に問題がなければ、双方の魔力量、質が合わさる。
 肉体基盤は人格基盤と対を成す。
 
 1度交わった魂を分けるのは、双方に負担が掛かる為、神も遣りたがらないし、お奨め出来ない。
 しかし肉体基盤、人格基盤、魔力分割を弄る事は、魂分けに結び付く可能性が高い。
 肉体成長を促せば良いだけなら大丈夫だが、性別を変えるのは、間違い無く魂分けに抵触する。

 …以上がエアヴェルミーンの解説だったそうだ。結果としてローゼマインは、また痛い想いをしながらも、何とか急成長を果たした。しかしジルヴェスターは……。
「ねえ母様? フロレンツィア養母様も御一緒に、アウブを引退したらアレキサンドリアに移住されませんか?」
「アウブを引退したら、か…。正直、直ぐ其方の様子を見に行けない距離は苦痛で、今すぐアレキサンドリアに行きたいくらいだ…。ヴィルフリートにアウブを譲りたい…。」
 人格は此方が基盤ではあるが、向こうの人格はきちんと一部に吸収されている。
 結果として女性から元に戻れないジルヴェスターと、ローゼマインの仲が急速に発展している。母と名乗れなかった反動と、自分の為に辛い目に合っていた事を知った衝撃が重なって、より歯止めが効かないのだ。
 何と言うか、ジルヴェスターとローゼマインは互いに一線を引いた関係だった。2人が養父と養女になった経緯もあり、割り切っていた関係から始まったが、それがずっと続いた一番の理由は相性だ。
 2人の面倒を見ていた私から見た時、非常に2人の質が似ている事に気付いた。
 自分の欲求に忠実で、遣りたい事と遣りたくない事がハッキリ別れていて、遣りたくない事からは出来うる限り逃げる。だが2人の興味の持つ分野は大きく違うし、逃げたい程の遣りたくない事も全く違う。
 これでは相性が合う訳が無い。駄目押しが育った環境の差から来る、考え方の差異だ。

 ……そう考えると、私はこう言う質の人間に弱いのかも知れない…。

 結局、ジルヴェスターは私を第一には出来ないが、ローゼマインは私を第一に考えてくれる事が多く、それが私の心を大きく掴んだ訳だが。

 話が変わった。ともかく別世界の母娘だった記憶と人格を迎え入れた為に、一線がなくなったのだ。それがなくなれば、ジルヴェスターは元々社交的な性格だし、ローゼマインは懐に入れた相手には懐くし、奮闘する。
 その結果がコレだ。ベッタベッタだ。周りが引くくらいにベッタリだ。
「ローゼマイン様がお望みなら、ライゼガングを黙らせなければなりませんね。中継ぎだとまた後が大変ですし。ヴィルフリート様、僭越ながらお力になりますよ。色々と。」
「それならば、父上がローゼマインに誘拐されない手段を考えて貰えぬか?」
 ハルトムートは別か。そしてヴィルフリートが余計に引いている。序でに言うなら、フロレンツィア様とブリュンヒルデの視線が痛い。