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神殿長ジルヴェスター(8)

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マイン視点



 収穫祭が近付いている。フランから聞いた説明によると、税金と神の供物として収穫物を持っていく、農村にとっては嫌な祭りらしい。その関係で青色達が数日掛けて農村に行く為、神殿からいなくなるのだ。
 今回、私の出番はないと聞いているので、図書室に行く時間が増える。ルンルン気分で私は歩いていた。
 図書室に入り、フランに頼む。メモに従い本棚に向かって、私が読む本を探す。…ほんとは自分で探したいけど。
「マイン様、どうやら本の並びが変わっている様です。」
「え?」
「このメモに従って、マイン様が読んでいない本を探すのは出来ますが、持ってきて宜しいですか?」
 フランの声掛けに、私は少し考えて首を
振った。並びの法則が変わったなら、確かめた方が良い。
「どの様に変えたのか、神殿長にお伺いしてからにしましょう。」
 私は図書室を出て、神殿長室に向かった。

 ふふん♪ 図書室を私好みに替える許可を貰った。私は嬉しさ満開で側仕え全員(ヴィルマ以外)を連れ、図書室へ足を踏み入れた。
「ではまず、この本棚から始めましょう。全員でこの棚の本を全て彼方の机に出して下さい。」
 皆が指示通りに行動していく中、私は日本式十進分類法を書字板に書き出していく。…魔術関係はどうするんだろ。数学や理学? それとも技術? 中身見てから決めようかな。神殿長にも相談してみよう。
「マイン様、終わりました。次はどうしましょう?」
 次を確認して来たフラン達に、私は指示を出していった。

 改装が終わった図書室。その中に魔術関連の本が無い。何で? 
「マイン様?」
 声を掛けられてハッとする。私は仕事の終わりを告げて、神殿長に報告に向かった。

 「魔術関連の本?」
 首を傾げた神殿長に、私は頬を膨らます。
「魔術関連の本を何処に分類するか、ワクワクしていましたのに、1冊も無いんですもの。どうしてですか?」
「その前に何故分かったのだ? それに分類とは何だ?」
 逆に聞き返されて、私は書字板を取り出した。そこにはマイン式十進分類が記されたままだ。説明する為に記したモノを消していなかったのだ。
「何だこれは。…これも其方の考え出したモノか?」
 私はフルフルと首を振る。
「いいえ、それを考えたのはメルヴィル・デューイと言う方で、それをいじって日本式にしたモノを、更に私が弄ったのです。マイン式十進分類法と呼びます。」
「メルヴィル・デューイ? 聞いた事も無いが…。」
「私も直接には知りません。とっくの昔に亡くなってますから。
 それで神殿長、魔術関連の本は無いのでしょうか? それに何に分類されると思います?」
 眉を潜めた神殿長は、首を捻る。
「資料によって違うのではないか? まあ図書室にある本ではないから、考えても無意味だぞ?」
 私はびっくりした。
「何故、無いのですか?」
 前世では無かった本の類いだから、是非とも読んで見たかったのに。
「殆どの青色には必要無いし、また読ませてはならないからな。」
 どう言う事? 
「平民から見れば、青色も貴族の様に見えるのだろうが、実の処、青色は貴族ではない。」
 疑問に気付いたのだろう、神殿長が説明してくれる。
「そうなのですか?」
「貴族とは貴族院で学び、卒業した者の事を言うのだ。青色は単に貴族の血を引いている、と言うだけだ。
 私は卒業後に神殿に入ったから、貴族であり、青色でもある例外だが、現在、私以外の例外は居ない。
 魔術は貴族のみが扱うモノだからな、青色の前には置かぬのだ。」
 へえ…。つまり学校を卒業しないと駄目なんだね。血を引いているだけじゃ貴族じゃないなんて、けっこう厳しい。ん? 
「あれ? でも以前、青色の多くが貴族社会に戻ったって…。」
「ここ数年で貴族の数が減り過ぎたのだ。そう言う場合は、領主が貴族院に編入生の受け入れを依頼し、編入生用に講義の時間割を新たに作って貰う。
 故に当然、編入生の数が多いほど貴族院側の負担は増える。領主は負担に見合った礼をせねばならないから、それもまた大変なのだが…、まあ、背に腹は代えられぬ、と言う処か。
 因みに現領主は私財で何とかしたらしい。詳しくは知らないが。」
 貴族社会も色々なんだ。私はそう思った。

続く
作品名:神殿長ジルヴェスター(8) 作家名:rakq72747