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逆行物語 第二部~ディートリンデ~

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物語と現実(4)



 “(貴族院時代と同じにする訳には行かない。シルヴェスターに迷惑を掛けたくない…。)
 フェルナンドは傍に居られなくなるならば、責めて、と心に決める。そんな彼を心配そうに見詰めるのは、跡を継いで、神殿長になったルーゼマインだ。
 元は孤児院長だった彼女は、領地の新産業に孤児の力を借りたいと、シルヴェスターに頼み込み、巫女になっていた。
 そんな彼女は立場上、フェルナンドが後見だった。メスティオノーラの加護と祝福を受けている事と、ゲボルトヌーンを振り回す思考回路に助けられた結果、ルーゼマインはフェルナンドが寝る間を惜しみ、食事代わりに回復薬を飲む程の、不健康な生活を誰にも知らせず送っている原因が、シルヴェスターに対するラッフェルにあると気付いてしまっていた。
 居ても立っても居られず、ルーゼマインは行動を起こした。”

 やりますわね、ローゼマイン!!!! フェルディナンド様に想いを告げる様に後押しなさるなんてっ!!!!!! 胸がはち切れそうですわ!!!!!! 

 “ルーゼマインの根回しで、フェルナンドはシルヴェスターと隠し部屋で2人きりになった。

 ………………………………

 「今宵、一晩で良い。私のゲドゥルリーヒになってくれ。」
 何時か見た白の世界を思い出す。耳の奥で、季節外れの吹雪の音がする。”

 冬をっ!!!! 冬を迎えたのですね!!!!!!!! ………ああああ、直ぐに朝になってしまいましたわ!!!! と言う事はアーレンスバッハに……っ!!!!!!!!

 “瞳を閉じる。瞼の裏でユーゲライゼが袖を振る。

続く”

 ボタボタボタボタ………。ああ、涙が止まりませぬ。ううう、何て哀れなフェルディナンド様……。この様な想いで居られたのですね。私に優しく微笑まれたのも、全てはアウブ・エーレンフェストの御荷物にならぬ為だなんて…、悲しすぎます。これで物語は完結ですが、現実には続きが……、続き? 
 私は涙を拭いて、もう1度本を見ました。

 “続く”

 これで終わりではないの? 私はまた捲りました。

 “後書き 処女作に加え、今までにない恋物語ですので、かなり勇気が必要で御座いました。読まれた後の皆様の感想が少し怖い、と言うのが恥ずかしながら本音で御座います。この物語は他と違い過ぎる為、無料でお配り致しました。もし、面白かった、続きを望みますと願って頂ければ、後半に取り掛かろうかと思います。ただし後半は無料ではございませんからね。
 最後になりましたが、お付き合い頂いた読者様方、文章監修を引き受けて下さったエラントゥーラ様、深い感謝を捧げます。 ローゼマイン”

 ああ…、続き…。続き等、只、鬱々とアーレンスバッハに居ながらアウブ・エーレンフェストを想う以外無いではありませんか。その様な続き、誰が望むのでしょう…。
「分かりましたわ、ローゼマイン。私が、アウブ・エーレンフェストの元へフェルディナンド様をお返しして見せますわ!!!!」
 物語の後半は是非とも、幸せにして下さいませ!!!!!!!!!!

ディートリンデが腐女子になった処で続く