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先生の言葉 全集

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72.金の鍵



 え、ふに落ちないことがあるから聞いてほしい?

 ええ。私に分かることであればいいですよ。この迷宮はふに落ちないことだらけですからね。もちろん私も、すべてを知っているというわけではありませんが、こう見えてモンスターの端くれですし、冒険者の方とお話をすることも多いですから、知っていることも多いかと思います。ですので、なんなりと話してみてください。

 ああ、金の鍵ですか。あれ、確かに奇妙なアイテムですよね。あれを取って、あれを取って、2階に降りて、あれを取って、あれを取って、それがそろってようやく置いてある場所に侵入できる。そして侵入できたその場所も、めちゃくちゃ迷いやすい構造になってるんですよね。

 そこまでしてようやく手に入る金の鍵……、まさか、ああいう効果だとは思いませんよね。ああ、どういう効果かは言いませんよ。あなた方も、まだ効果のほどは分かっていないかもしれませんから。それに、こちらもこちらで事情があってですね、あんまりこの金の鍵の効果は口にできないんですよ。

 さて、本題に入りましょうか。あの奇妙な鍵。あれがなんであるのかという疑問ですよね。ですが、申し訳ないことに、私も明確な回答は知りません。しかし、いくつかのうわさを聞いたことがあります。今からそのうわさを話しますので、あなた方自身でちょっと考えてみてください。

 まず一つ、初心者をあざむくトラップという説です。分かっている人間が効率よく移動すれば、結構、あのアイテムは簡単に取れますが、初心者だとそうはいきません。あっちこっちを移動して、入れない扉の前で悩んだりしてどうにか手に入る代物です。しかし、初心者がのんびり迷宮内でそんなことをしていたら、モンスターに襲われてすぐ壊滅してしまうでしょう。それを狙っているんだというのがこの説です。

 2番目は、実は地下4階のとある扉を開くためのものだったのが、設計ミスでその機能が失われているという説です。地下4階といえば何があるかご存じですよね。そう、さらに地下へと進むための通行証の役割を果たすアイテムと、それを守るモンスターがいます。実は、そこのところへ行くためには、金の鍵を持っている必要があるという仕掛けをしていたような跡があるそうですよ。

 まあ、どちらの説が有力か、あなたも考えてみると面白いかもしれませんね。え、こうやって考えさせるためにあるのかも? なるほど、その線もありかもしれませんね。


作品名:先生の言葉 全集 作家名:六色塔