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先生の言葉 全集

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77.虚無僧の言いたかったこと



 あの、ちょっとお話をさせてもらってもいいでしょうか。

 ああ、良かった。いや、いきなり話しかけておいて何なんですが、ちょっと気難しい方かなって私のほうで勝手に思ってまして。話すのちゅうちょしていたんですよ。

 なぜって? やっぱりちょっと風変わりですよね、その頭にのっけている被り物。完全に視界をシャットアウトしてしまって、襲われたらとか考えないんでしょうか。あと、その笛、ああ、シャクハチっていうんですか、をいつも吹いているところも解せません。そんなことをしていては冒険者に居場所がバレてしまうし、私たち仲間ともあまり連携が取れないと思うんです。他のニンジャさんに聞いたら、どうやらあなた方のことを虚無僧というらしいですね。でも、いつもそんな変わった出で立ちでいるので、味方の私たちも、相当気難しい方だと思ってしまうんですよ。

 ん? 自分が変人だということは分かっている? なるほど、自覚はあるんですね。ただ、これがわれわれの戦いのスタイルだということも分かってもらいたいと。はい。それはもちろん承知しております。冒険者を発見するやいなや、ものすごい勢いで物陰に隠れて、瞬時に首を落とすなんて格好いいですね。
 あと、青い悪魔さんとの連携は凄まじいの一言です。多数の悪魔を倒しきって、これで多額の経験がもらえると安心しきっている冒険者に背後から忍び寄る。それで何度、絶望を味わった冒険者がいたことか。
 ですので、私たちモンスターもあなたには一目置いているんですよ。変わりものの多い東洋の戦士たちの中でも、一番、奇妙な出で立ちですごい結果を出していく。あなた方LV8ニンジャさんに興味津々なんです。でも、こういう言い方はなんか失礼ですけど、ちょっと近寄りがたいんです。だから、私たちもあらためますので、もっと仲良くできないかなって思うんですよ、どうですか?

 うん? お言葉はありがたいが、われわれは罪を犯してしまい、仏の道に入ることで罪滅ぼしをしている身。それに、元来、対話が得意ではないならず者。お声掛けは誠にありがたいが、お気遣いは無用、ですか……。

 うーん、残念です。せっかく仲良くなれるチャンスだったんですが、仕方がありませんよね。でも、お話を伺うことができて良かったです。

 え? 本当に対話が苦手で申し訳ない。それでは、さらば? ああ、行っちゃいました。


 ……あっ。もしかして、虚無僧だけにコミュ障ですって言いたかったのかな……。


作品名:先生の言葉 全集 作家名:六色塔