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獄寺百花@ついったん
獄寺百花@ついったん
novelistID. 7342
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双子

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眩しすぎる程に明るい景色。
見覚えのない実験室。

「………………」

彼は一人、このベッドに横たわっていた。

注意深く辺りを見回す。

その時、机の上に無造作に置かれた書類が目に入った。

「さわだ………つなよし…?」

その書類には、幼い日本人の顔と名前が記されていた。

…自分によく似た顔の人間の。

そしてその隣の書類には、
自分の顔と自分の名前。

「俺の名前は………PG67aw?」

名前のない自分と、名前のある似てる人間。

彼は嘲笑した。
…あまりにも滑稽な自分に。



~twin~



「お前はいらない子供だ…」
「生まれてこなければよかった…」


…? 何だよ、お前ら…


「いらない子供は殺してしまえ…」
「いや、臓器は金になる…」
「ならばバラバラのままで置いておこうか…」


やめろ、やめろ、やめろ…!!!殺すな…バラバラにするな…!!




「やめろ!!!!」

勢いよく起き上がり、辺りを見回す。

「なんだ、夢か…」

ほっと息をつくと、不意に部屋にあるモニターの電源がついた。

「ツナヨシ~、元気?」

「白蘭…」

「君に頼みたい仕事があるんだけど…?
今から正チャンの実験室に行ってくれない?」

「わかった。」

「君は姿を見せるだけでいいからねっ」

「了解。」

ツナヨシと呼ばれた少年。
白蘭に忠実であり、優秀な部下。
(白蘭の望みを叶える為の第一歩という所か…。)

白蘭の望み。
それは、世界の創造主となる事。
その為に必要不可欠なのは、
この世に7つしかないボンゴレリング。

ボンゴレリングを全て集める事で、世界を新たに創造できる。

…それを全て所持しているファミリーが、ボンゴレファミリーだ。
白蘭は長い時の中、リングを奪取できる機会を待った。

それが今、この時。

どんなパラレルワールドの中でも、白蘭がリングを奪取できる確率が高いのがこのパラレルワールドだった。

まだ14歳のリング保持者達が、10年後の世界にやってくるパラレルワールド。

もっとも、完全に奪取できるとは限らない。

だが、白蘭はあえてこの世界を選んだ。

…自分が犠牲となりうるかもしれない、この世界を。



「ここが、入江の実験室か。」

ツナヨシは実験室への扉を開けた。

「…誰だてめぇ。」

獄寺がツナヨシに気付き、警戒する。

「な…ツナヨシ!?」

入江が驚いたような声をあげる。
その時、実験室の大型モニターの電源がついた。

「みんな揃ってるようだね~」

「白蘭…!?」

「今日は信頼なる僕の部下を紹介するよ。
そこにいる子…、ツナヨシっていうんだ。」

「!?」

驚いているボンゴレファミリーをよそに、白蘭は話を続ける。

「僕が見てきたパラレルワールドに、必ずいるんだよね~彼。
しかも、毎回未熟児で身体がバラバラなんだ。
確か、沢田綱吉とかいう子と双子なんだよ。」

「俺と…?」

「…君だったね、沢田綱吉。」

「けど、おかしいじゃねぇか!」
獄寺が白蘭に反論をする。

「こいつが十代目の双子の兄弟だとしたら、今この時代にいるこいつは24歳なんじゃねぇのか?」
「いや違うんだ、獄寺君。」

入江が否定の言葉を口にした。

「君たちの24歳の身体を粒子化して保存してあるということはさっき言ったよね?
それと同様に、ツナヨシの身体も粒子化してあるんだ。」

「正チャンが言った通りだよ。
…さて。」

「じゃあツナヨシ、ボンゴレを潰してくれる?」

「…わかった。」

モニターの電源が消える。
それと同時に、ツナヨシがゆっくりと顔をあげた。

「本当に、俺とそっくりだ…」

綱吉とツナヨシの視線がぶつかる。

その時、ツナヨシの様子が変わった。

「あ…………あぁっ、く…」


何だ…?
頭が、割れる様に痛い…


「ぐぁ、あぁぁぁぁぁ…」

バタッ

ツナヨシはそのまま、俯せに倒れた。

「な、え!?
ど、どうしちゃったの!!?」

「チャンスです、十代目!
今のうちに消しましょうか?」

「何怖い事言ってるの!?
とにかく、アジトへ連れて行こうっ」





…………………。

頭が痛い…

何か、強い衝撃が頭に流れ込んでくる…

「う………」

「あ、気が付いた!?
よかった…」

「お前は…」

「沢田綱吉っ。君は…ツナヨシでいい?」

「俺の本当の名は…PG67aw。
だが、ツナヨシでいい。」

「わかった。
…君、俺の双子の兄弟なんだって?」

「あぁ………。
…やっと正気になれた。」

「どういう意味?」

「俺は白蘭にマインドコントロールをされていた。
アイツに忠実な部下になるように。
それで実の兄弟であるお前を、殺そうとしたんだ。」

「そうだったんだ…。」

「白蘭が憎い。
俺を利用しやがって…」

綱吉が言葉を紡ごうとした瞬間、血相を変えたジャンニーニが病室に入ってきた。

「十代目とツナヨシ様が双子であるという事が証明されましたっ」
「ありがとう、ジャンニーニ。」
「それと…。
非常に申し上げにくい事なのですが…。」

「…何?」

「獄寺さんが、白蘭の攻撃を受け瀕死の重傷を…」

「なんだって!?」

「嵐のリングを最後まで守り抜いた為に、怪我が酷くなったと…」
「っ…。
ごめん、ツナヨシ!
俺行ってくる!!」

「あ、あぁ…」

そういって、綱吉は走り去って行った。



「獄寺君!!?」

獄寺の元へ駆け寄る。

「す…いません、十代目…
しかし、リングは…護り切りました…」

途切れ途切れで話す獄寺。
綱吉は、溢れんばかりの感情を吐き出した。

「…リングなんてどうでもいいよっ
大切な仲間が傷つけられる方がよっぽど辛いんだ…!!」

「十代、目…」

「頼むから…無理しないでよ…」
「…すいません。」

綱吉はそっと獄寺の病室をあとにした。

仲間がまた傷ついた、という
悲しい気持ちを抱えながら。



「…白蘭。あいつだけは許さない。」

綱吉は一人で白蘭の元に向かおうとした。

…これ以上仲間を傷つけさせない為に。

「おい、待てよ。」

声がした方を振り返ると、
ツナヨシが立っていた。

「俺も白蘭を憎んでいる。
…双子同士、一緒に戦わないか?」

「一緒に戦ってくれるの…?」

「あぁ。」

「ありがとうっ」

「…礼はいらねぇ。」

二人は走り出した。
共通の敵を倒す為に。



白蘭のいるアジト。
二人は覚悟を決めて、中に入った。

…部屋の中には、白蘭がいた。

「あれ?わざわざ大空のリングを持ってきてくれたの?」

「…白蘭。お前だけは許さない。」

「よくも俺を操り人形のように使ってくれたな…。」

「「覚悟しろっ」」

二人で白蘭を睨みつける。
もの凄い気迫と緊張感。

「君達…。うざいんだよ。」

白蘭がニコリと張り付いた笑顔のまま話し始める。

「仲間とか、そういう物に頼る奴らにボンゴレリングを保持する資格はない。

…もう遊びは終わりにしよう。」
少しばかり低い声音で白蘭が言う。

「…お前だけは、許さない。」

「俺の仲間を傷つけた、その事実は変わらない。」

「イクスバーナー!!」
作品名:双子 作家名:獄寺百花@ついったん