双子
綱吉が叫び、イクスバーナーを放つ。
「そんなもの、きかないよ。」
白蘭は弾き返そうと身をよじった。
だが…
「…イクスバーナー」
ツナヨシが更にイクスバーナーを放つ。
これには、白蘭も予想外であった。
「…なっ、がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………」
断末魔の叫びを上げる白蘭。
綱吉は、悲しい顔をしながらも白蘭にイクスバーナーを浴びせていた。
(君達は、僕の可能性を見事に打ち破ってくれたね…
仲間なんていう貧弱な者に頼る奴らに、リングを所持する資格などないと思っていたけれど…
それは僕の思い違いだったらしい。
全く、君達には…)
「…………完敗だよ。」
サァァァァ…
白蘭は白い羽根となり、天高く消えて行った。
「………終わった。」
ツナヨシが崩れ落ちる。
「ツナヨシ、君は…これからどうするの?」
「………わからない。」
「なら、俺と一緒に来なよっ
一緒に学校に通おう?」
ツナヨシは驚いた様に顔を上げる。
「いいのか…?」
「うん、家もウチに住めばいいよ。
一人増えた所で何も変わらないし、なりより兄弟だしさっ」
「………」
綱吉は静かに右手を差し出した。
「一緒に行こう?」
「………あぁ。」
ツナヨシは静かに頷くと、差し出された手を握り返した。
…あれから、10年後。
ボンゴレファミリーを率いる沢田綱吉は、イタリアのマフィア界の頂点に君臨した。
その双子の兄弟である闇のボス、ツナヨシの存在はあまり知られていない。
だが…
ツナヨシの力が無ければ、
ボンゴレファミリーは壊滅していただろう。
それはまた、別の酷な物語…
…fin
作品名:双子 作家名:獄寺百花@ついったん