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獄寺百花@ついったん
獄寺百花@ついったん
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初ツナ

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初代…初代…!!!
どうして、俺とあなたが…

闘わなければならないのですか…?


~I&X…残酷~


初代ファミリーによる継承。

今まさに、綱吉達10代目ファミリーが行っている事だ。

継承を認められた属性は、雨雷嵐雲霧晴の六つ。

残りは、大空を残すのみ。

継承方法は属性によって違う。

そう、危険を伴う場合も少なくはなかった…


「よし、極限に嬉しいぞぉ!」

継承を認められた了平が、嬉しそうにガッツポーズをする。

「お兄さんの継承が認められたから、あとは俺だよね…」

綱吉が確認するように言った。

「10代目、頑張って下さい!」
「うん、ありがとう…」

綱吉は内心、恐怖をかかえていた。

自分から進んでマフィアのボスになろうとしたわけではない。

人を傷つけたくないし、傷つけられたくないという臆病だが心の優しい少年。

継承式が勝手に始まり、また誰かを傷つけるのではという恐怖が綱吉を支配する。

そして、まわってきた自分の番。
(継承方法は、どんな方法だろう…。でも、俺にいつも優しくしてくれる初代なら俺に合った継承方法をしてくれるかもしれない…)

綱吉はそんなことを考えていた。辛くて苦しいとき、いつも綱吉を優しく抱きしめてくれる。

ボンゴレファミリー初代大空でありボス、ジョット。

彼から始まり、代々受け継がれる大空というファミリーを纏める重要な属性。

綱吉はジョットに認められるのか、とても不安だった。

守護者の継承が認められても、ボスが認められなければ意味が無い。

無言のプレッシャーを綱吉は全身で感じていた。

(俺は…初代と闘いたくない。
何か他の継承方法で…)

綱吉は心の中で念じていた。

…そんなはかない願いは、無惨に散ってしまうことも知らずに。



その日の夜、ジョットは綱吉の部屋に現れた。

いつものようにベッドに座る。

「ふ、やはりよく寝ている…。
だが起きて貰わねば困るな…。」
ジョットは起きないか綱吉の顔をじっと見た後、綱吉と同じ布団に無理矢理潜り込んだ。

「ん…んん?」

綱吉が寝返りを打とうとする。

すかさずジョットは綱吉を抱きしめた。

「綱吉…」

「んーんぁ…へ、しょ、初代???」

綱吉はジョットがいることに驚き、自分とジョットの体勢を見て更に驚く。

「うわぁ!?な、なにしてるんですか!!?」

「ただ綱吉と一緒に寝ているだけだぞ?」

平然とジョットは答えた。

「と…とにかく離れて下さい!
恥ずかしいです…」

綱吉が頬を赤く染めながら言う。
ジョットはそれを見て自分も頬を赤らめ、綱吉のほっぺたにキスを落とした。

「ふぁっ!?」

綱吉が突拍子のない声をあげる。
そしてジョットが落ち着いて話始めた。

「起こして悪かった、綱吉…
今日はお前に大切な話があってだな…」

「大切な話…ですか?」

綱吉が少し警戒しながら問う。
ジョットは優しく穏やかに話始めた。

「次の継承はボスであり大空である綱吉、お前だとわかっているな?」

「はい、守護者の皆は終わりましたから…。
ま、まさか、継承を取り消すとかですか!?」

驚きに満ちた声で綱吉が言う。

「何を慌てているのだ、綱吉。
そんなことは一言も言っていないだろう?」

ジョットは少し呆れた顔で言葉を紡ぐ。

「じゃあ、まさか…」

「あぁ。明朝、大空の認定試験をおこなう。」

ジョットはきっぱりと言った。

「継承方法は、どのようなものなのですか…?」

綱吉が不安げに聞く。

「何をそんなに不安げな顔をしている?
継承方法が、そんなに心配か…?」

綱吉の言葉が理解できないとでもいうように、ジョットは顔をしかめた。

「いえ、あの…
俺はもう、誰も傷つけたくないし傷つけられたくもないんです…」
恐怖を募らせた顔で綱吉は言う。
「…でも、貴方が決めた継承方法だったら、どんなものだって受けてみせます。」

さっきより幾分勇ましい顔で綱吉は言った。

だが、やはり恐怖を捨てきれずに顔を強張らせたままだった。

「ふっ、何も俺がお前をとって食おうなどというわけではないのだから、そんなに怖がらずともいいだろう。」

端正な口に微笑みを浮かべて、ジョットは言う。

「だが、今のお前には少々残酷な継承方法なのかもしれないな。」
目をふせがちにジョットは言った。

「どんな継承方法なんですか…?」

綱吉はジョットの顔を伺うように言った。

「それは今言う事ではない。
すまぬな、綱吉…。」

ジョットは綱吉のおでこに軽いキスを落とし、優しく微笑んだ。

「私はもういかなければならぬ。綱吉、明日の朝並盛神社で待っておるぞ。」

「しょ…初代!?」

ジョットは優しい微笑みを綱吉に向けながら、オレンジの炎につつまれ消えていった。

「いっちゃった…。
今の俺にとって残酷な継承方法って、何なんだろう…?」

綱吉はしばらく考えていたが何もわからず、眠りに墜ちていった…


「うぅ…朝かぁ」

時計が表す時刻は、早朝5時。
綱吉は身体のだるさを我慢しながら、起き上がり身支度を整えた。
「そうだ…。リボーンや他の皆に知らせないと!!!」

(…その必要は無い。
誰にも告げず、並盛神社に来い。)

頭の中に響く声。
紛れも無く、初代大空のジョットの声であった。

「しょ、初代?」

綱吉は少し困惑しながら、誰にもいわずに並盛神社に向かった。


「…ついたか。」

大慌てで並盛神社に向かったせいで、綱吉の呼吸はとても荒々しかった。

「待たせてしまって…はぁ、
すいませんっ」

綱吉が紡ぐ謝罪の言葉。
ジョットは優しく微笑み、
「謝るな。そんなことはもうよい。」といった。

「…さて、ではデーチモの認定試験を始めよう。」

「はい…」

不安げな表情をする綱吉。

どんな認定方法かもわからないから、いいしれぬ恐怖を感じていた。

「自分のファミリーの守護者の為に、デーチモはどれだけのものをかけられるのか…。
その覚悟を見せて貰おう。」

ジョットは静かに言った。

「…でてこい。」

静かな命令が下ると、綱吉の前に二人の人影が現れた。

「ご、獄寺君!!?」

紛れもない、獄寺の姿。
そしてその隣には、初代嵐の守護者であるGが立っていた。

「う…じ、じゅうだいめ?」

虚ろな目をした獄寺が言葉を紡ぐ。

「これでいいのか、ジョット…」
Gが確かめる様に聞く。

「あぁ、ありがとう。
…G、そして獄寺隼人。
少しおとなしくしていて貰おう。」

そういうと、ジョットは死ぬ気の零地点突破でGと獄寺の両手両足を封じてしまった。

「んなっ!?」
「なんのまねだ、ジョット…」

二人の嵐は困惑気味にジョットを見る。

「これが認定試験の方法なのだ。…すまぬ、暫くそのままでいてくれ。」

ジョットの覚悟が宿る目を見て、二人は何も言えなくなってしまった。

「デーチモ、お前は己が右腕の為に命をかけれるか?」

ジョットが綱吉の目をしっかりと見て言った。

「どういうことですか…?」

綱吉がジョットに問う。

「今お前と私の大切な右腕が捕われている。
作品名:初ツナ 作家名:獄寺百花@ついったん