どうか目を覚まさないで。
初めて彼と寝る時間を一緒にした時。
つまり、初めて元の姿で彼に触れたとき。
たくさん“改めて思った”
こんなにも華奢で、
こんなにも綺麗で、
こんなにも高貴で、
こんなにも可愛らしくて愛しくて、
同時に、
自分がこんなに彼を思っているのだって、改めてわかった。
我は彼が好きなのだ。
好きで好きで、大好きなのだ。
だから、
いつも笑顔をひとり占めさせてくれるお礼に、
また優しく、髪を撫でる。
そしてするりと手をすべらせて、
起こさないように、触れるだけのキスをする。
それが合図だったかのように、
あの黄色い鳥が目を覚ます。
ああ、今日も、いい一日でありますように。
作品名:どうか目を覚まさないで。 作家名:猫屋敷