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金糸を梳く指

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アキラは乱れに乱れて今にも鳥が自分の巣だと勘違いして降りてきそうなほたるの頭を呆れた目つきで見やった後、
「今日もまた三つ編みしてやるな」
とほたるの蜜色の髪の毛を一房すくって言った。
「ん…よろしく」
そして二人は仲良く地面に腰を下ろした。早速アキラはほたるの髪の毛を3束に分けようと手櫛で梳き始める。
「…やっぱほたるの髪の毛、ねこっけだよな~。お前ちゃんと櫛で梳かせよ。ただでさえ絡み易いんだからさ~」
「櫛なんか持ってない。それにめんどい。髪長いし…」
「せめて手櫛で梳かすとかしろよ。…でもオレ、お前の髪好きだからいいけど」
アキラのぽろっと零してしまった素直な‘好き’発言にほたるは胸を高鳴らせた。
「…それ告白?」
「バッ、自惚れんなよ!?」
「ヤダ。自惚れるもん」
ほたるは自分の髪を梳いているアキラの手首を取るとぐいと自分の前に引き寄せる。
「うわっ」
次の瞬間、アキラはほたるの心音が聞こえる場所に居た。ほたるの腕が自身を抱きしめている…。
「だからアキラも自惚れて…?俺の髪の毛編んで良いのはアキラだけだから…」
(ちょっ…うわ~耳元でしゃべんな!くすぐったい!!)
ほたるの思わぬ口説き台詞にアキラは耳まで真っ赤になった。
両頬にほたるの手が添えられ顔を上向きにされキスされた。優しく触れるだけの…。
心臓がバクバク言っている。これ以上深くキスされてたら死にそうだと思った。正直、触れるだけですませてもらえて有難かった。
アキラはほたるの胸に凭れ掛かり、肩からこぼれて未だに編まれていない髪の毛を心臓が静まってくるまで弄ぶと
「…自惚れてやるよ」
とほたるにしか聞こえない小さな声で呟いたのだった。
作品名:金糸を梳く指 作家名:ショウ