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お江戸デュラララ!第一幕・下

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「人間に害を為すことは禁じられているんです。あの人達も頼まれただけで、僕に危害を加えようとしている張本人じゃないし、反撃することもできないんです。さっきは、だから、その、適当なところで化かしてまこうと思ってたんですけど…。その前に捕まっちゃうところでした。ありがとうございます。助けてくれて」

「いや、俺はいつも通りキレて暴れただけだし。だがしかし、そんなに狙われちまってるのにお前はどうして江戸に来たんだ?京都にいりゃ、家の奴に守ってもらえるんだろ?」

「そう、なんですけど、来てみたかったんです。僕はずっと京都の家から出たことがなくって、これからもずっとそこだけで生きていくんだと思ったら、すごく嫌になってしまって。外には、そしてここに来れば、もっと面白いものがあるんじゃないかと思ったら居ても立ってもいられなくって、出てきてしまいました。だから、これは僕の自業自得なんです」

「ふうん。上の方の人間なんて気取った奴ばかりかと思ってったら、お前は違うみてえだな。んな暗い顔するこたあねえよ。若いうちは無鉄砲な方がいい。存分に江戸を楽しんでいけばいい。要するに、お前は雇われて襲ってくる人間相手には何にもできねえわけだな?またこんなことがあったら俺を呼べ。そんな奴らは蹴散らしてやるよ」

「ありがとうございます。平和島さん」

「静雄でいい。俺も、帝人でいいか?」

「はい!」

「帝人、お前のことは俺が絶対に守ってやる。何があってもあの性根の腐ったノミ蟲野郎の手にかけたりさせねえ」

そういうわけで、ここに結成されたのは、陰陽師と借金取りという世にも稀な組み合わせ。

己の背景を打ち明けた少年だが、まだなにやら大きな秘密を隠している様子。果たして己の力を持て余す借金取りは、人間相手には無力な陰陽師を守りきれるのか。陰陽師は執念深い情報屋から逃れることができるのか。それはまた、次回にて。