LOOP
『・・・ちゃんと伝えてきた?』
夕陽が長い影を引く川沿いの道を行く帰り道。ふわり、と傍らに現れたもう一人の自分はまず最初に、そう聞いた。
遊戯はふっと、静かな笑みを浮かべると。
「今日はありがとな、相棒」
『・・・もうひとりのボク・・・?』
「疲れてるのに無理させてすまなかったな。でも今日は楽しかった」
それだけ告げてゆっくりと歩き出す半身を、一瞬呆然と見送ってしまい、もう一人の遊戯は慌てて後を追う。
『待ってよ、もうひとりのボク!ねぇ、ちゃんと伝えたの?』
遊戯の歩みが止まる。
ほんの僅かな沈黙の後、ゆっくりと彼は振り返って頷いた。
「・・・ああ、言ってきた」
来週、エジプト展の終了と同時に美術館へ行く。
・・・三枚の神のカードを持って。
その意味を、もう彼は判っているはずだ。
『・・・海馬くんは、何て?』
不安そうな表情で見上げてくる相棒を安心させるように微笑んで、彼は羽織ったコートのポケットから、小さな白いビンのようなものを取り出して翳して見せた。
『・・・それは?』
「・・・掛け金だ、あいつの」
彼は赤の瞳を細めて、本当に綺麗に微笑んだ。
夕陽が長い影を引く川沿いの道を行く帰り道。ふわり、と傍らに現れたもう一人の自分はまず最初に、そう聞いた。
遊戯はふっと、静かな笑みを浮かべると。
「今日はありがとな、相棒」
『・・・もうひとりのボク・・・?』
「疲れてるのに無理させてすまなかったな。でも今日は楽しかった」
それだけ告げてゆっくりと歩き出す半身を、一瞬呆然と見送ってしまい、もう一人の遊戯は慌てて後を追う。
『待ってよ、もうひとりのボク!ねぇ、ちゃんと伝えたの?』
遊戯の歩みが止まる。
ほんの僅かな沈黙の後、ゆっくりと彼は振り返って頷いた。
「・・・ああ、言ってきた」
来週、エジプト展の終了と同時に美術館へ行く。
・・・三枚の神のカードを持って。
その意味を、もう彼は判っているはずだ。
『・・・海馬くんは、何て?』
不安そうな表情で見上げてくる相棒を安心させるように微笑んで、彼は羽織ったコートのポケットから、小さな白いビンのようなものを取り出して翳して見せた。
『・・・それは?』
「・・・掛け金だ、あいつの」
彼は赤の瞳を細めて、本当に綺麗に微笑んだ。