恋はナナメ45度からやってくる。
うん?と振り返れば、楽しそうに笑っている。
告げられた言葉・・・おりはらいざや・・・を頭の中で反芻してみて、それが目の前の彼の名前なのかとようやく理解した帝人は、美少年は名前までもかっこいいらしい、とよくわからない結論を得て微妙な顔をした。
「ちょっと、ヒトの名前に対してその反応って何」
むっとしたように言うオリハライザヤに、だから、帝人は一瞬迷ってから満面の笑みをプレゼントして。
「冗談みたいな名前だね」
今度は美少年のほうが大笑いをしだすまで、あと三秒。
やれやれまたかよ、と正臣が再びマイクを握るまで、あと十秒。
そして竜ヶ峰帝人が、折原臨也という冗談みたいな名前の美少年から告白されるまで、あと・・・。
作品名:恋はナナメ45度からやってくる。 作家名:夏野