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獄寺百花@ついったん
獄寺百花@ついったん
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スレ獄スレツナ

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俺は沢田綱吉。
ボンゴレファミリー10代目ボス候補だ。

幼い頃から筋金入りの天才で、5歳の時にはもう零地点突破が出来ていた。
学力も申し分無く良くて、全てが完璧な能力を持っていた。

だが、俺は人にむやみにこの力をさらけ出すことはしない。
脳ある鷹は爪を隠すって言うだろう?
だから俺は昔からダメツナで通っている。
それが別に嫌というわけではないけれど…
正直、ウザい時が多いな。

でも何故か、俺に匹敵する程の力を持つ奴が現れたんだ。
闘う力は俺の方が上だけど、学力は俺より上の不良少年。
俺が右腕と認めた男、獄寺隼人。彼は俺を常にサポートし、冷静に状況判断をする。
俺は彼の力を認めて右腕として傍に置いている。

…だけど俺は彼を利用しようとしたことは無い。
理由?…俺にもよくわからない。他の守護者なら利用するのに、何故アイツだけ利用できないんだろうな…?



一章 出会い



「ち、遅刻だぁ!!」

いつもの朝、週に二回の遅刻。
俺は変則的に日にちを決めて、遅刻する。
ダメツナという仮面をかぶっている以上、やらなければならないという運命。

「また遅刻か、ダメツナ。
つい一昨日も遅刻したばかりじゃねぇか。」

リボーンが口を酸っぱくして言う。

「仕方ないだろっ?
お前のノルマがキツすぎるからだ!!」

リボーンが毎晩俺に出す課題。
中二にしては少しばかり難しい問題だが、俺からすれば解けないものではないし時間もかからない。でも、やはりダメツナだから適度に間違えて提出する。
そして睡眠時間が短くなる、という寸法だ。

「ツー君、朝ご飯は?」

何も知らない母親が声をかける。俺はダメツナである故にどうすればいいか2秒程考えた後、「ううん、間に合わなくなるからいらないっ!」と言った。

「仕方ない子ね~…」

母親がぼやく。俺はいちいち聞き取らずに、身支度を済ませて学校に向かった。


「ヤバいな…。思ったより時間がズレた。…雲雀がいなきゃいいけど。」

校門の前で違反生徒がいないか見張る、風紀委員長。
俺はアイツより遥かに強いらしいが、まだダメツナの仮面を取る気はない。

「…一分遅刻だよ、沢田綱吉。」「ひ、雲雀さん…」

校門の前で雲雀が冷静に言う。
俺はあからさまに嫌な顔をした。
「校則違反者はどうなるかわかってるよね?」

雲雀が静かにトンファーを構える。
俺は内心、溜息をつきながら受け身の姿勢をとった。

「咬み殺す…」

風刃の如く、トンファーが飛んでくる。
俺は冷静に見極めながら避け続けた。

「まぐれでも避けられるんだね。さすが、赤ん坊と一緒にいるだけあるよ。」

雲雀は口元にうっすらと笑みを浮かべて言った。

(まぐれじゃないし…。
俺はお前より強いっつの。)

ダメツナである限り、そんな事が言えるはずもなく…

「じ、授業始まっちゃいますよ…。俺教室行ってもいいですか…?」

と、雲雀の顔色をうかがいながら恐る恐る聞いた。

「…授業をサボるのも校則違反だしね。今日だけは大目に見てあげるけど、次やったら咬み殺すから。」

雲雀はサラっと言い放つと、応接室へ戻って行った。

「ったく、朝から面倒くさい…」
俺はダルい体を引きずりながら、教室へと歩いて行った。


「すいません、遅刻しましたっ!」
慌てて教室に飛び込む。
だが、教室の中の空気はいつもの穏やかな空気ではなかった。

「遅いぞ沢田。早く席につけ」

担任にうながされ、席につく。
教卓の方を見ると見たことのない銀髪の少年が立っていた。

「沢田が来たところで、改めて紹介する。転入生の獄寺隼人君だ。」

担任が淡々とした様子で言う。

「皆仲良くするように。
獄寺、何か一言挨拶をしてくれ。」

そう担任に言われた転入生獄寺隼人はそっけない態度でこう言った。
「俺は誰ともつるむ気はねぇ。
近付いてくる奴は誰であれ果たす。」

転入生はそう言うと、窓際の空いている席に座った。
そして何やら大学院生が使っていそうなノートやらを取り出し、勉強を始めた。

「獄寺君かっこいい~っ」
「ワイルドだけど、知的じゃない?」
「眼鏡とか超ヤバいよねぇ!!!」

クラスの女子達が獄寺を見て騒ぎ立てる。

(確かに俺から見てもあの眼鏡は反則だと思うぜ…
頭が良いのは確かみたいだから、俺の右腕として働かせようか…。)

俺は考えていた。
10代目ボスというのは昔から知っていたからいいんだが…。
守護者や右腕の事を考えた事は一度も無かった。
全てリボーンに任せているし…。
(ボンゴレにアイツを誘ってみようか。)

そうして俺は転入生をスカウトすることにした。
正直面倒だったが、思えばマフィアらしい事をやっていない。
スカウトも立派な仕事だろう。
俺はそう解釈し、転入生に声をかけた。

「ご、獄寺君!…俺、沢田綱吉って言うんだ!!
初対面でいきなりだけど、君に大切な話があって…」

かなり下手にでてみる。
いつものダメツナをいつものように演じた。

「…お前、俺の話聞いてたか?
近付いたら果たすと言ったよな?」

転入生は不機嫌そうに眉間に皺をよせた。

「ごめん、でも本当に大切な話なんだ!
よかったら放課後、中庭に来てくれないかな?」

転入生の顔色をうかがう。
眉間の皺はとれないが、とても微妙に笑った気がした。

「………失せろ。」

転入生はそう言うと、眼鏡をかけ直し再び自分の勉強に戻った。

「…ダメツナ、さっき転入生と何話してたんだ?」

俺の事をダメツナ呼ばわりする馬鹿なクラスメイトが声をかける。
「別に何でもないよっ」

俺は軽く受け流した。

(さてと…。放課後までに話をまとめないとな。
少し脅しもいれようか…。)

俺は適当に授業を聞きながら放課後を待った。


そして放課後。
俺はグローブを取り出し、いつでも超死ぬ気になれるように準備した。

「…待たせたな。」

転入生がやって来た。
俺はダメツナを演じようか迷ったが、右腕になる男に偽りの自分を見せる必要は無いと思い、普段の自分で話を始めた。

「単刀直入に言う。
俺と一緒にボンゴレをやらないか?」

はっきりと言いきった。
俺は転入生の碧い目をじっと見る。

「お前と一緒にボンゴレを、か…。ということはお前はボンゴレファミリー10代目ボス候補の沢田綱吉か?」

転入生が聞く。
俺はそうだ、というように大きく頷いた。

「やっぱりそうか。
だが沢田綱吉は幼い頃から天才だと聞いたが…
何でダメツナなんて呼ばれてるんだ?」

怪訝な顔をする転入生。
俺は一瞬躊躇ったが、次にこう言葉を続けた。

「俺は幼い頃からダメツナを演じている。
脳ある鷹は爪を隠すと言うだろ?」

俺がそういうと、転入生はふっと微笑んだ。

「ところで、本題だが…。
俺の右腕としてボンゴレに入らないか?」

再び問いた俺。
転入生はしばらく目を伏せ考えた後、こう言った。

「…その様子じゃ、力ずくでも俺を右腕にするつもりだったんだろ?
お前から微かな殺気が感じられんだよ。」

転入生はやや呆れ顔で言った。

「じゃあボンゴレに来るか?」

俺は確認するように聞いた。

「ああ、行ってやるよ。