セイバーズに関するショートショートショート3編
諦めは悪い方だけど傍目からはそう認識されていないだろう。感情よりも優先しなければいけないことはたくさんあると思う。青い色をした僕のパートナーはなるべく冷静に状況を見ようとする僕の本心を汲み取った上で従ってくれるから、嬉しい。
そして正反対のあの少年。
「言ってくんなきゃわかんねーよ」
そう吐き捨てた顔が拗ねてるように見えるのは何故だろう。
「トーマの考えてること、俺、全然わかんねーもん」
おれもわっかんねー、と、彼のパートナーが同意の声を上げて、だよなー! と大が応じる。ガオモンが一歩前へ出たのを視線で制して、僕は答える。
「では、努力してみよう」
大とアグモンはぽかんと口を開けて僕を見た。その様が面白かったので笑うと、今度は揃って怒り出した。別にバカにしたつもりはなかったのだが。
わかりあうのは難しいだろう。でも不可能ではないはずだ。これでも諦めは悪いほうだから。
作品名:セイバーズに関するショートショートショート3編 作家名:綵花