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セイバーズに関するショートショートショート3編

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 最近いらいらしてしょうがなくてそれを淑乃に愚痴ったら皮肉っぽい笑い方でこんなことを言われた。
「それって恋なんじゃないの?」
 んなわけねーじゃんばっかじゃねーの、と当然言い返した俺だったが、どうもその言葉が頭から離れずに更にいらいらさせられている。
 あーあ、喧嘩してェ。どっかでデジモン反応ねーのかな。背もたれに倒れこんだらイスが悲鳴をあげた。トーマが振り返ってちらりと俺を見て、溜息を吐くと何も言わずまた自分の作業へ戻っていった。
 いらいらする。あいつのせいだ。だってあいつと会ってからずっとこうだ。
「やいトンマ」
「トンマじゃないトーマだ」
「お前のせいでいらいらするんだ。どうにかしろよ。そうだ喧嘩しよう、喧嘩しようぜトーマ!」
「君の鬱憤晴らしに付き合っている暇なんかない。…………ん?」
 トーマがもう一度振り返った。
「なんで僕の所為なんだ」
「なんでってそりゃあ…」
 そりゃあ……なんでだろう。首を傾げて考えてみる。わからない。空白に、淑乃の言葉が蘇る。
「……恋なわけねーじゃん。ばっかじゃねーの?」
 こんないらいらを恋と結びつけるなんていったいどんな発想してやがるんだ、女のくせに。
 俺の独り言を聞き逃さなかったトーマが眉間に皺を寄せて「恋?」と呟いて俺と同じように首を傾げた。
 さらりと流れた髪の色。その映像はやけに目を引いた。俺は何も言えずトーマも何も言わず無言の時間が流れ、俺は、叫んだ。
「ああああああああっ!」
「な……っ!?」
「いーらーいーらーすーるー!」
「大?」
 トーマの呼びかけをシカトして俺はその場から逃げ出した。とくになんの意図もなく触れた自分の頬が、熱かった。