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黒鷲と畏れられた

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マニュアルにはどんな相手でも癖を持つと書いてあった。

…………マニュアル?


「癖を探すのも良いが、マニュアル通りの戦法をどうにかしろと言わなかったか、ドイツ」

それまで嵐のように斬り付けられていたかと思うと腹に重さを感じ後方へ飛ばされた。

数メートル程飛ばされて理解した。蹴られたのだと。


慌てて起き上がろうとするもそれは叶わなかった。目の前にはプロイセンがいて、喉元には剣の切っ先。

「降参するのか」

ニヤリ、と笑って訊いてくるプロイセンに俺は最後の抵抗へ覚悟を決めた。

「Refuse!」

時には銃対素手があるなら剣対素手も有り得るということだ。

俺は剣の切っ先を素手で払うとプロイセンへ殴りかかった。








「…………お前は本当にマニュアル通りしようとする癖をどうにかしろ。少しは自分で考えろ」
「……ja」
訓練が終わり、兄さんに言われるがまま怪我の治療をされる。
俺の身体中には小さい傷や打撲、とまではいかないが痣が幾つも出来上がっていた。
それに反し兄さんは無傷であった。

改めて痛感させられた。このヒトが兄であり、俺の憧れの存在、かつて黒鷲と畏れられた国家なのだと。
そしていまだに敵わないのだと。
今はまだ敵わないが、いつか貴方の隣に立ちたいと改めて思った。




あとがき
憧れの存在の続編
ギルは何時までたっても強いと思うのですよ
ただそれだけっすね(汗)
例のごとく外国語は合ってるか不明



作品名:黒鷲と畏れられた 作家名:常陸彼方