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平和島さんが同人誌を出したようです。

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「・・・ふう。完ペキだ」
 見本を両手に掲げてそんなことを呟いた二日前の自分を、静雄はぶん殴りたいな、と思った。だがそんなことは当然物理的に不可能であって、過去は過去ですでにどうしようもない。悔いるか開き直るか、選べるとすれば道は二つにひとつである。
 そういうわけで、うず高く積みあがった自分の間違いだらけの一週間の結果を静雄はいかんともしがたく眺めていた。
 自宅にダンボールで送られてきた本は100冊だけらしいが、実際に製本されたのは500冊らしい。では、あとの400冊はいったい何処にいったのだろうか? そのことを考えようとすると妙にすっぱい気持ちになる。しかもこの100冊は、どうすればいいのだろうか?
 穴が開くほど見つめるが、どの角度からどう見ても世界で一番殺したい相手が描かれた(しかも二人も!)表紙には、どの距離からどうみても大人向け表記がされている。裏表紙には18禁のマーク。138×138という数式にはどういう意味があるのか。丸四日間の貫徹が終わってからついさっき本の宅配が来るまで寝ていた、起きぬけの静雄の頭では到底理解できない。もしかしたら起き抜けでなくとも理解できないかもしれない。そんなもん描いたっけ、俺。呟くが、応える相手もいない。考えてもわからないし、聞く相手もいない。
 だから静雄は結論として。

「・・・・・・・・・・まあ、いいか」

 全部受け容れることにして、とりあえず二度寝するために布団にもどったのだった。